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だれのせいでもありません

2年前の今くらい、わたしは小学生の娘と息子とフレンチブルの未亡人(ワン)を連れてシンガポールから日本に降り立って

しばらくは実家に居候していたものの、帰国子女支援のある学校へ編入するために見知らぬ土地にマンションを借り、コップ一つないところからの新生活のはじまりは、休憩する暇もないほど毎日がただあっちゅうまに過ぎていたわけです

日夜得意のアマゾンでせっせと生活用品を1から10までポチりまくり、毎日我が家を訪れてくれるヤマトさんという初の顔見知りができたことに喜びを覚えたり、日に日に新品で充実していく真新しい家づくりは、なんというかこう、でっかい課金のパズルゲームでもしているかのような、生活のためという名目の実に贅沢な遊びで、わたしはカードの請求が夫に届くまでは誰に咎められることもなく、永遠に続く課金ゲームを存分に満喫して、今思えば同時に抱えていた移住とワンオペという莫大なストレスを大発散していたのだと思われます(そして後日のカード請求で目ん玉が飛び出る)


といってもわたしの買い物なんてたかが知れていて、そう高級なモノを買うわけでもなく。子どものデスクやらベッドやら棚なんかもっぱら全部組み立て方式。こういうときいつも思う、高齢者に優しくないこのシステム社会の邪悪さ。組み立てなんか老人にできるわけがないじゃあない。アマゾンぽちだってできるかは怪しい。こうやって高齢者はどんどん社会から置き去りにされ、目の前にある便利そうなサービスやお得なものはこれっぽっちも触れることなく、ただ指をくわえて不公平に取り残されるしかないのかしら。明日は我が身だ。

話は戻って、異国DEワンオペ歴ざっと8年のわたしは太い腕を腕まくりして、電動ドライバー片手にスクリューを口にくわえて、髪を振り乱して昼夜片っ端から家具を組み立てていたのだけれど、とうとうイ〇アという巨大家具に手を出し始めたころからは、組み立てもなんなら金で解決してやろうというなかばもう自暴自棄になり。


イ〇アからはわたしの家具づくりのためになんと2人もの人々がその時間と労力を費やして、わたしが横でお茶をすすっている間に巨大な本棚が3つ、ダブルだかクイーンのベッドもあっという間に鎮座、お二人が神々しく見えたあのときのことは忘れません。

他人に助けられた恩に感極まっているわたしを見て、その神々しい方々のおひとりがさらに、「ベッドに敷くマットレスは組み立てサービス外ですが、内緒でやっておいてあげますね!」と仏のような笑顔で言うものだから、拝みたくなるってものですよ人様の温かさ。 


日本にはなんて素敵な神様や仏様がいるのだろうと、優しさに包まれながら真新しいベッドに寝っ転がったあの夜。


ところが


寝心地よ


肝心の寝心地に多少の違和感を覚えるも、あの神様がおっしゃっていた「マットレスはなじむまでに数日かかることもありますからね」という温かいお言葉を胸に、わたしは数日をその、不思議な寝心地の真新しいベッドで過ごすのでした。


数か月して海外の仕事を切り上げた夫がわたしの仕上げた課金パズル邸での同居をはじめ


いまだに不思議な寝心地のベッドに一瞬はて?という顔をするもそれから半年、わたしたちはその不思議な感触に身をゆだね続けていたわけです


そして日々じわりじわりと蓄積される身体の痛みね。寝起きの悪さね。

これってもしかしてコイツのせい、、、



もうそのころには組み立ての神様のことなんてすっかりわすれて、なんちゅう不快なベッドを売るんだイ〇アはYO!!と、日々のストレスに加えてわたしには新たにイ〇アベッドストレスという項目が追加され。


とうとう頭にきたある夜、わたしはベッドを引っぺがして確認したんです


スマホに映る真新しいイケアサイトのマットレスと
うちの首痛を生み出す邪悪なマットレス

そしたらなんと



うちのマットレス、表と裏が反対です

ガビーン



もうね、1年くらいこのマットレスの裏側でわたしたちは寝てたってことですコレね

イ〇アに連絡するのもこれハテ?とは思いつつ、いや首痛い泣き寝入りできない誰かに言いたいー!と


こんなわけで1年間マットレス逆で首とか超~痛くなったんですよ夫婦で( ̄▽ ̄)


っていうメールを送ってみたら笑



それは大変失礼いたしました。
その後お身体は大丈夫でしょうか心配です。


って言う返信とともに後日イケアのミートボールの無料券2枚が送られてきました



わたしのお身体の価値がミートボール2回分。



そっかそっかと。

まあいい。

それよりも

この世に生を受けてからやっと表を向いて人を寝かせることができるようになったうちのマットレスの気持ちも考えれなければね

半年も辛かったわよねごめんね


が、この子

表を向いてもフワフワふわちゃん



もうサヨナラする日も遠くないという、、、



結論

マットレス選びは慎重に☆




というわけで、今回のお話は、神様のような方々からのご厚意が間違えてしまっていることもあるよという、最後に信用するのは自分のみ、すべてはだれのせいでもなく、自分の責任のもとにあるという、そしてベッド選びは慎重に☆という、わたしの人生での気づきをまとめてみました。



泣くも笑うもわたし次第


人のせいにする人生はもう


卒業なんです



整体に行ってまいります



つづく


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