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ビジネスの洗礼。29歳で向き合った現実。

宮崎へ一人旅立った私。
ここは人もいい、陽気もいい、食べ物もうまい、お酒もうまい、自然もたくさんあるし、最高の場所だーーー。

なんてことは一切考えられない地獄の日々が始まった。現実は残酷だ。

  • 現地採用のピヨピヨ社員が何十人もいる

  • ほぼ全員が異業種からの転職でITを知らない

  • のんびりした性格のメンバーが多く、何もかも遅い

  • 上司との相性が最悪

常時10名ほどのピヨピヨメンバーを抱えるチーム運営の日々。9時からCallが鳴るので8:30くらいからは準備して朝礼、一日のスタートに備える。

9時だ。いよいよCallが鳴り出す。Callが溢れると数字にはなるが多忙を極めるため、夜までトイレにも行けない。逆にCallが鳴らないとメンバーが遊ぶ。だから架電させないといけない、誰に?いつ?どうやって?どれくらい?というコントロールがまたなかなか難しい。

「おい数字見てんのか!?管理もろくにできねーのかよ」
「いいから電話させろ!見積ださせろよ、何が難しいんだよ」
「売れないならお前らが売れ!言われたことも出来ないのか!」

上司からのこんな怒号も毎日のように浴びる。そのうえ毎週訪れるレビューの準備を23時くらいから開始、夜中の1時にオフィスを出て8時にまた出勤。みたいな日々を過ごしていた。楽しみは週末親戚のお家で食べられるおいしいご飯くらい。

そう、当たり前のように思い始める「俺何やってんだろ・・・」

まさかの手のひら返しがやってくる。

地獄生活が始まり4か月ほどたったある日、本社から本部長がやってきて言った。
「本社から来た管理職メンバーはみんな来期から宮崎に転籍してもらう、家族を連れてきてもいいぞ」
本社からやってきた私たちは出張という扱い。正確には長期出張(最長2年)という条件でここにやってきた。話が変わったとはいえ、話が違う。あまりにも違う。

正直に怒りを覚えた。もちろん自身のキャリアのためには転籍という選択もあるが、新婚生活を犠牲にしてこちらに来ているし、妻は地元でやりたいこともあるのでこちらに連れてくるのは本意ではない。

本部長との面談ではっきりと伝えた。
「私は長期出張という条件でここに来ました、転籍はできません。本社に戻してください」
本部長は苦笑いだし、鬼の上司からは「あいつはもういい」って感じだし、キャリアとか給料とかいろいろあったけど、もうどうでも良くなった。

6ヶ月の宮崎勤務を終えた私は本社へ帰還するのでした。
反旗をひるがえし転籍しなかったのは私ともう1人の友人だけ。他の管理職メンバーは全員転籍して、家族で宮崎へ移住していきました。

そして本社に戻った私に与えられたポジションは一般メンバーでした。

そう、降格です。

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