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【ざっくリサーチしき #11】 仮説の作り方のざっくりとした知識 5

仮説作りのキモ部分のざっくり知識

ビギナーの方々に、ざっくりとした知識をお届けするシリーズ の第11弾、かつ、仮説の作り方のざっくりとした知識の第5回という入れ子構造でお届けします。

「良い仮説とかは分かったけど、実務として、仮説って、どうやって作ったらいいの?」という声に応えていきます。

今回は、「創る 1. 理解した内容から仮説を複数個創る」です。


仮説作りのプロセス

  1. 集める

    1. ヒントになるリソースを探す

    2. リソースから必要な情報を集める

  2. 理解する

    1. 集めた情報を統合的に理解する

  3. 創る

    1. 理解した内容から仮説を複数個創る

    2. 自分および仲間に聞いてみる

    3. 仮説をブラッシュアップし、最終版とする


さて、「2. 理解する」までで、集めたデータに対する理解が縦横に深まりました。

その深める段階、つまり、データ同士の「共通点」・「差異点」・「相関関係」・「因果関係」など、を読み込むにつれて、頭の中に、「あれ、もしかして?」「こうなんじゃない?」という「仮説の種」のようなものが頭に浮かんでいたのではないかなと思います。

それを大事にしながら、あたらめて、データを俯瞰してみましょう。

データが示す事実、つまり、各数値やグラフだけでなく、データに込められたストーリーや背景、背後にある意味や解釈が立ち上がってくると思います。

それを、ぜひ、言語化してください。

その際、「⚪︎⚪︎というデータ/データの関係性があった」+「ということは、〜〜〜ではないか?」というセットで書いてみてください。


今回の病院の例で考えてみると、
「うちの病院では、患者さんは共通して顧客満足度と⚪︎⚪︎のスコアが高い」
「年齢✖️性別で見てみると、女性では、年齢と共に⚪︎⚪︎のスコアが上昇していく」
「そういえば、観察データでは▲▲があった。これは第3者機関のレポートでは、◼︎◼︎であると書いてあった。」

などが見えてきます。

これが見えてくれば、もう大丈夫です。

そこで、「なぜだろう?」と考えるんです。

そうすると、
「もしかすると、患者さんの中で、〜〜になっているのでは?」
「うちと別の医院では、〜〜の点で異なるのではないか?」
などの考えがいろいろ考えつくと思います。

これらを組み合わせると仮説になります。

特に、「現状、実はこうなっているのでは?」という「実態仮説」になります。

また、実態仮説を考えているときに、

「もしかすると、〜〜すると、顧客満足度が上がるのでは?」
「〜〜することで、うちが大事にしている◻︎◻︎を、形にして、患者さんに伝えられるのでは?」

などのアイデアも思いつくと思います。

これは、実態仮説から出た課題に対する解決策のアイデア仮説で、「ソリューション仮説」という仮説になります。


いくつか仮説の例を書いてみましょう。

  • 実態仮説

    • 「うちの病院では、患者さんは共通して全体顧客満足度と受付での対応評価のスコアが高い」
      「受付でのコミュニケーションが他と比べて良いと認識されているのではないか?」

    • 「観察データによると、口コミで来た患者さんは、院長による診察の際、特にAについて尋ねている。一方、第3者機関のレポートでは、一般的には、Aについて、患者さん自身が知っていることは少ないと書いてある」
      「うちの病院では、特に、Aについて上手くかつ信頼性高く対応することを期待されているのではないか?」

  • ソリューション仮説

    • 「うちの病院では、小学校2〜4年の子どもの患者さんの待ち時間に関する不満が他の年代と比べて高い」
      →「置いている本やおもちゃが、ちょうど興味に合わないものになっているのでは?」(実態仮説)
      +「当該の年代の患者さんが待ち時間を過ごすことに対して特にペインを感じている。この年代はうちの医院で対応している疾患にかかりやすい年代であり、特にケアが必要。」(課題)

      →「待ち時間を楽しく過ごせるよう、年齢と興味に合わせた雑誌の拡充をおこなうといいのではないか?」(ソリューション仮説1)

      →「待ち時間を楽しく過ごせるよう、タブレットの貸し出しサービスを行うといいのではないか?」(ソリューション仮説2)


「データから仮説をつくる」イメージとしては、以下のような感じです。


1〜2つ作れると、なんとなく仮説作りの感覚がわかってくると思います。

目安としては、実態仮説もソリューション仮説も、最低5つは考えたいです。

この後、絞り込みやブラッシュアップをしていきますので、それに耐えうる量・質の仮説をしっかり作り上げましょう


次回以降もざっくり解説していきますが、より詳細を知りたい方や、実際にリサーチを検討されている方で相談されたい方を、ぜひ、お気軽にお声かけください。

https://www.tads-research-supports.com/

本記事も読んでいただき、ありがとうございました。


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