くすり

【博物館】Daiichi Sankyoくすりミュージアムの感想

 博物館企画第4弾。第4弾は第一三共株式会社が運営している創薬に関する博物館です。Daiichi Sankyoくすりミュージアムは三越前や新日本橋から行くことができます。入館料は無料です。

感想①:子どもウケする展示が多い

 Daiichi Sankyoくすりミュージアムは体験型の博物館です。閲覧する順番がある程度決まっており、最初は1階で映像を5分程度見ます。その後、2階に上がり、メダルをもらいます。そのメダルを機械ににセットし操作すると、クイズに答えることができたり、見たい情報を閲覧することができます。

 見学者は子連れの家族が多かった印象です。子どもたちは人体の仕組みをおさえながら、薬はどのように病気を退治するのか、薬はどのようにして世の中に出るのかを学ぶことができます。個人的には、抗体に関する話が出てくるので、義務教育課程では触れられない話題が登場する印象でした。しかし、映像で解説してくれるので、比較的わかりやすいと思います。

感想②:どのようにして薬ができるのかを体験して学ぶことができる

 先程少し触れたように、Daiichi Sankyoくすりミュージアムは体験型の博物館です。そのため、展示によって、クイズが出題されます。例えば、ある症状が現れたときにどのような薬の形態を用いることが最もよいのかを選ぶクイズが5問出題されます。そのとき、目の前に置かれている錠剤、カプセル剤、散剤などの模型から1つ選んで所定の位置に置きます。そうすると正解が表示されるのです。ちなみに、私は5問中2問正解でした...正直、判断に迷う選択肢がありました。みなさんはどうでしょうか?

感想③:日本の製薬会社の歴史の一端を学ぶことができる

 第一三共製薬株式会社の歴史は非常に興味深いです。2005年に第一製薬株式会社と三共株式会社との共同持株会社として第一三共製薬株式会社が誕生します。それでは第一製薬株式会社と三共株式会社の創立者は誰でしょうか。

 歴史的には三共製薬のほうが古いです。1899年に塩原又策、西村庄太郎、福井源次郎の共同出資により三共商店が誕生します。それが1913年に三共株式会社となり、高峰譲吉が社長に就任します。

 一方、第一製薬は慶松勝左衛門がアーセミン商会を設立します。慶松は国産のサルバルサンとして「アーセミン」の試製に成功し、後にアーセミン商会を設立します。サルバルサンは梅毒の特効薬で、当時は第一次世界大戦の影響で不足していました。

 このような製薬の歴史を端的に学ぶことができる展示がDaiichi Sankyoくすりミュージアムあります。

おわりに

 Daiichi Sankyoくすりミュージアムを訪れて一番関心したことは、言語の対応です。日本語、英語、中国語の解説がついているようです。私企業の博物館ですが、情報発信に対して積極的に取り組んでいる姿勢を感じました。見学は1時間程度時間がかかると述べていますが、個人的にはもう少しかかるかなと思います。百貨店で買い物したあとに、気分転換で訪れてみてはいかがでしょうか?家族でも楽しめる博物館だと思います。

くすり①

 余談ですが、高峰譲吉はタカヂアスターゼの発見が有名です。

参考文献

第一三共の歴史はHPに掲載されています。

なお薬学の歴史は日本薬史学会(編)(2016)『薬学史事典』薬事日報社を参考にしています。

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下記ホームページ

https://kusuri-museum.com/



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