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射幸心が倒せない

 常日頃から絶対に近寄らないようにしている施設がある。

 サムネをみればバレバレだがパチンコ屋だ。

 別に「パチンコ業界のグレーなやり口を批判したい」だとか「ギャ(ゲフンゲフン)は依存性があるから良くないよね」とかそういうことが言いたいわけではない。今回の記事は完全なる自分語りだ。「いつもそうだろ」とかツッコんではいけない。その通りだから。

 私は昔から”射幸心煽り”にめちゃくちゃ弱い。普通のUFOキャッチャーにも弱いし、GEOとかTSUTAYAの店舗入口に置いてある胡散臭いルーレット(今だとNintendo Switchとか鬼滅全巻が景品になってるようなやつ)やテキ屋のおみくじにすらボコボコにされてきた。

 現在はさらに怖い。ソシャゲのガチャという、軽いノリで財布の中身が融解していく闇鍋も存在するからだ。

 なぜそんな見え見えの罠に、わかってても突撃してしまうのか?それは私の甘くてデンジャラスな考え方に起因する。

 私はUFOキャッチャーの筐体の中に欲しい景品を見つけると、既にその景品が家の中にあるイメージが頭に浮かんでしまう。このクセはあまりに危険すぎる。

 なぜなら、その瞬間、私の頭の中では景品を既に手に入れたことになっていて、現実をイメージに擦り合わせるために金を注ぎ込んでしまうからだ。

 ここまで自分の悪癖についてわかっているのに、愚かだと思っているのに、その瞬間は理性が全く働かない。ゲームのレアキャラも、そもそも頭の中では自分のものになっている。”手に入れる”ためにガチャを回すのではなくむしろ”取り戻す”つもりになるのだ。

 どうやったらこの思考回路が止められるのか、マジでわからない。そもそも抗う事は無理なのか?こういうカモがたくさんいるからこのビジネスが成立しているわけだし。

 くそ強え弁慶もスネだけは鍛えられないわけだし、射幸心は金的と同じく”鍛えられない”、”防御できない”部位なのか。

 こんな脆弱な私がパチンコ屋に行ったら、絶対に秒殺される。こんなの3歳児が”第4代キングオブパンクラシスト・船木誠勝”に丸腰で挑むようなものだ。無理ゲーすぎる。

 さらに質が悪いのは、私が既に屈しているところだ。

 「ふらっとパチンコ屋に行ってビギナーズラックで20万ぐらい当たっちゃう妄想」が仕事中によく浮かぶ。

 得意先の若手社員が「俺、この前たまたまパチンコで10万当たったから思い切ってドライバーをSIM2MAXからステルスに買い替えちゃったんですよ。」と言っていた。

 こんな話は私にとっては劇薬でしかない。私がそこまでゴルフにお熱ではないから打撲程度で済んでいるが、本来致死性のある誘惑だ、ただ怖い。もしゴルフにもっとハマっている状態で同じセリフを耳にしたら、私のイメージの中では10万を手にしているところか、既にゴルフバックの中にドライバーが入っている

 怖い、怖すぎる。そして我が自制心のなんと弱いことか。今後も私は絶対店内に足を踏み入れる事はないだろう。

おしまい

 本当はバイトしようと思って一度店内に入ったことあるんだけどね(騒音に耐えられなくて帰った)。

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