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何に役立つかわからない物事を大切にすること

はじめに

Twitter上の仲間のnoteで、10分で学べる教養(ファスト教養というらしい)がビジネスパーソンの間で人気らしいことを知りました。

そういえば本屋に行くと「〜の教養」「図解〜」「漫画で学べる〜」というものがよく置いてあった気がします。

それがいいか悪いかはともかくとして(一概には言えないと思う)、僕は時間がかかるし何に役立つかわからないけど面白そうなことに取り組みがちです。それにはきっと何かしらの意味があるのだと思います。意味があるのだと思いたい!

そういうわけで今回は、何に役立つかわからない物事に価値を見出すための文章を書いてみたいと思います。


何に役立つかわからないことの良さ


役に立つこと以外もやることで視野が広がる

まず、物事を役に立つこと、役に立たないことに分けてみます。オフィス街で知的生産に励む人々(なんと呼べばいいのだろう?)にとって、最新の経済ニュースは役に立つことでしょう。クラフトコーラのレシピの改良に励むことは、おそらく役に立たないことに分類されそうです。

ところで、自分の役に立つことのみに注力することは、自分の役に立たないことの価値を低くみることに繋がりかねません。オフィス街で知的生産に励む人にとっては、各種のクラフトコーラの味の違いは些細な問題なのかもしれません。他方で、クラフトコーラのレシピの改良に励む人にとっては、知的労働者の華麗なプレゼンテーション資料は過剰で無意味なものに映るのかもしれません。

このように、役に立つことしかやらない・気にしないことは、巡り巡って自分の他者への想像力を弱める作用を生みかねないと僕は思っています。

例えば、僕は音楽が好きでいつも何かを流しているのですが、演奏はすることには興味がなく、ほとんどしたことがありませんでした。2年前、ほとんど使わなかったベースをなんとなく実家から引っ張り出してきて、好きなバンドであるPEDROのベースを弾いてみたら、曲によってはとても難しくて驚きました。PEDROのボーカルはアユニDというアイドルなので、ベースは簡単だろうという先入観がありましたが、自分でやってみることでその先入観が覆りました。曲の完成度から膨大な練習量が想像され、尊敬の念が深くなりました。

他者への想像力を持つには、役に立たないことにも取り組む(もしくは興味くらいは持つ)などして、視野を広く持つことが必要そうです。


何に役立つかわからないことも、生活を豊かにしてくれる

次に、一見役に立たないことが生活に何をもたらすかについて書きます。

今この文章を読んでくださっている方は何かしら趣味をお持ちだと思うのですが、趣味を持つうえで何の役に立つかということを優先的に考えたことはあるでしょうか?おそらくない方がほとんどかと思います。

そして個人的には、役に立つ・立たないということを考えずに決まり、やむに止まれず続けている趣味は、とても大事なのではないかと考えています。

例えば僕はクラフトコーラ作りを趣味にしています(しつこいですね)。クラフトコーラは市販のものを買うと高いですが、自分で作ると安いです。とはいえシナモンスティック、クローブ、カルダモン等のスパイス代がかさむので、リットル単価はコカコーラくらいの値段にはなります。作る自体は20分もあればできますが、完成までに半日寝かせる必要があります。

そんなにコスパが良くないものになぜ取り組むのかというのは、実は自分でもよくわかりません。味に変化をつけられるのは理由の1つにならなくもないのですが、こじつけ感は否めません。

きっと単純に、何かを作るのが好きで、好きの矛先がたまたまクラフトコーラに向いたのだと思います。作っているときのワクワク感、炭酸で割って飲んだときの味わいは、コスパだけでは説明できません。このような、説明しづらいけど楽しいことは、大切にした方がいいと思うのです。そして、役に立たないことを気にせずに純粋な好奇心で始めた趣味は、説明しづらいけど楽しいという強い感覚を生んでくれて、生活を豊かにしてくれるのではと考えています。


純粋な好奇心で取り組んだたくさんの物事は、自分という中心でゆるく繋がっている

最後に、好奇心の赴くままに始めた物事の散らばりをどうすればいいのかについて考えてみます。

結論を先に書くと、特に何かする必要はないと考えています。一見散らばって見える物事の中心には自分という存在があるからです。

これが純粋な好奇心で取り組んだことの強みです。人が行っているのを見て焦って始めたことは自分との結びつきが弱く、ともすると取り留めもなくなってしまいます。それに対して、自分の好奇心で始めたものは自分の価値観というフィルターを通過しているため、いつか何かの加減でまとまる日が来る(はず)です。

例えば、僕は20代の頃にプログラミングというものに憧れてJava、Pythonといったプログラミング言語を少し学んでは挫折していました。現在、僕は37歳で投資のためにExcelツールを作っているのですが、その際Excel内で用いるVBAという自動化ツールはプログラミング言語で動かします。言語は違えど文法や考え方は同じなため、20代で学んだプログラミングの知識がとても役に立っています。

まとまらないといけないように書いてしまいましたが、自分が好きな物事でさえあれば、無理にまとめる必要もないのかもしれません。好奇心の赴くままに始めたこと、見つけた趣味は、生きていくうえでの力になるはずです。

今回の文章は以上となります。最後まで読んでくださりありがとうございました!何かの参考になった方は、最後にハートマークを押してくださると励みになります。



おまけ

色々あって最近はポケモンの絵を描いています。写真は歌川広重の浮世絵にフリーザーというポケモンを同居させてみたものです。今のところ何の役にも立ちませんが、熱中できて楽しいです!

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