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直木賞と芥川賞の違いは?簡単に両方の作品についてもまとめてみた

こんばんは!しおみんです。

昨日、2021年1月21日に第164回直木賞と第74回芥川賞の受賞作が発表されました。
直木賞には西條奈加さんの『心淋し川』、芥川賞には宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』が選出されましたね。

『心淋し川』の作者、西條奈加さんは北海道出身の56歳で、2005年に「金春屋ゴメス」という近未来の日本を舞台にしたファンタジー作品で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビューし、この後にも「涅槃の雪」「まるまるの毬」など数多くの作品を書いてきていてこれまでに出版した作品はアンソロジーを含め40作品を超えています。

そして、今回の直木賞を受賞した『心淋し川』は
江戸の長屋に済む主人公と住民たちの人生とその中で抱える心に抱える葛藤を描いた6の短編からなる時代小説です。
決して豊かとは言えない生活の中で葛藤を抱えながら一生懸命生きていこうとしている住民たちの生活が描かれているものになります。

一方、『推し、燃ゆ』の作者、宇佐見りんさんは静岡県出身の22歳で、2019年に「かか」という、浪人生のうーちゃんとその母親の愛ゆえの痛みと切なさを描いた作品で三島賞を受賞しデビューしました。
そして今回、芥川賞を受賞した『推し、燃ゆ』は2作目で芥川賞には初ノミネートでの受賞となったのです。

その『推し、燃ゆ』は
応援していたアイドルが女性を殴りSNSで炎上し、そのアイドルのファンであった少女とその少女の揺れ動く心を描いた作品になります。

さて、ここまで今年の直木賞と芥川賞を受賞した作品について軽く触れてきました。
今年はアイドグループのNEWSに所属する加藤シゲアキさんや、クリープハイプのボーカルである尾崎 世界観さんなどがノミネートされ例年になく注目された年と言っても過言ではないでしょう。

そんな中、ワイドショーなどで「この作品は直木賞より芥川賞っぽい作品だね」とか「この作風で芥川賞にノミネートされるの?」などといったような話を聞いたことはないでしょうか。
正直、直木賞と芥川賞の違いなんて知らない。という人のほうが多いと思います。そして私も正直よくわかっていなかった人の一人です。
ということでここからは直木賞と芥川賞の違いについてまとめていきたいと思います。

直木賞と芥川賞の違い

まず、直木賞と芥川賞の違いについてですがこれは明確な違いがあり
毎年直木賞と芥川賞を発表している日本文学振興会でも公表されています。

直木賞とは

まずは直木賞についてです、
日本文学振興会によれば、以下にようなものが対象になるようです。


「直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象です。」
引用元:https://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/faq/index.html#:~:text=%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E8%B3%9E%E3%83%BB%E7%9B%B4%E6%9C%A8%E8%B3%9E%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92,%E7%9F%AD%E7%B7%A8%E9%9B%86%EF%BC%89%E3%81%8C%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

今までは、元々は無名の作家や、新人の作家の作品が多く選定されてきました。しかし、戦後若手新人作家が選定されることは少なくなり、その後直木賞の選考基準に「中堅作家」という項目が追加され、一定のキャリアを持つ人気実力派作家が受賞することが多くなったようです。

また、一部では直木賞は「一回目のノミネートでは選ばれることはない」と囁かれており実際、今年直木賞にはじめてノミネートされた加藤シゲアキさんの「オルタネート」は非常に多くの期待と選考委員の支持を受けながらも受賞とはなりませんでした。

芥川賞とは

続いて芥川賞は、

雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象です。
引用元:https://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/faq/index.html#:~:text=%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E8%B3%9E%E3%83%BB%E7%9B%B4%E6%9C%A8%E8%B3%9E%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92,%E7%9F%AD%E7%B7%A8%E9%9B%86%EF%BC%89%E3%81%8C%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

と記載されています。

ただし、この「芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます」という部分については雑誌ならどの雑誌でも良いというわけではありません。
文芸雑誌の中でも五大文芸誌と呼ばれる5つの雑誌のどれかに掲載されないとノミネートすらされないのです。

五代文芸誌とは

ではこの五大文芸誌とは何なのでしょうか。
以下の雑誌と言われています。

・文學界
・新潮
・群像
・すばる
・文藝

です。

どれもこれまで多くの人気作家を排出してきた歴史ある雑誌です。
小説の連載はもとより作家のインタビューや対談、新作情報など文学を好む人なら一度は手にとった事があるのではないでしょうか。

それぞれ個性があるためまずは好きな作家が作品を出していた雑誌を手にとって見ると自分にあった内容をみつける事ができるかもしれません。

まとめ


さてここまで
直木賞と芥川賞の違いについて書いてきましたがわかりやすくまとめると

直木賞
・一定のキャリアを持つ人気実力派作家の単行本から選考される賞

芥川賞
・五大文芸誌に掲載された新人もしくは中堅作家から選考される賞
となります。

直木賞と芥川賞の受賞作と、直木賞と芥川賞の違いについて理解していただくことが出来たでしょうか?

これまであまり本を読んでこなかった方も、まずは今回選考された受賞作品やノミネート作品を手にとって新しい世界を見つけてみてはいかがでしょうか。
私も気になっているので近々読んでみたいと思います。


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