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【実録】ユーザーインタビューのアンチパターン

概要

プロダクトマネージャーにとって、インタビューはユーザーインサイトを得るための強力で貴重な手法です。
ただし、その効果を最大限に引き出すのは簡単ではありません。

この記事では、プロダクトマネージャー(以下PM)歴半年の自分が実際に犯したユーザーインタビューのアンチパターンとそれらを回避する方法をまとめたものです。
ユーザーインタビューをこれから始める人や、効果的なインタビューができていないと感じている人の参考になると嬉しいです。

※前提

そもそも、ユーザーインタビューをなぜ行うのか?
自分は大きく二つのケースで行われると考えています。

1. プロダクトにジョインしたばかりで、大まかなユーザー像を掴みたい時
2. 利用状況やデータから考えた仮説を検証したい時

今回の記事では主に2.のケースで行われるインタビューに関して書いています。
それではアンチパターンを見ていきましょう!

実録アンチパターン集

仮説がない・具体的ではない

「話を聞けば知りたいことが分かってくるだろう」というスタンスは目的地を設定せずにドライブに出かけるようなものです。
ユーザーは基本的に何も教えてくれません。
ユーザーの言動や行動からインサイトを得る・学ぶのはPMの責務であり、明確な目的や目標がなければ十分な情報を得ることはできません。

以下のように、明確にしたい仮説が具体的に話せる状態 = 何を学びたいのか、そしてなぜそれを学びたいのかが分かっている状態でインタビューを始めましょう。

・ユーザーは〇〇をする時に〇〇という課題を抱えているのでは?
・ユーザーは〇〇という課題に対して、〇〇という方法で対応しているが不満を持っている。なので〇〇という代替手段が刺さるのではないか?

仮説の例


質問が多すぎる・1つの質問への深掘りが足りない

PMが知りたいことは奥底に隠れています。
質問数が多いと自ずと1つの質問にかけられる時間は少なくなり、2、3回の表面的なやりとりだけで終わってしまいがちです。

そうならないためにもインタビューの目的にそったメインの質問を2、3個だけ用意しておき、それに対してどんどん深掘りをしていきましょう。
はじめは会話が続くか不安になるかと思いますが、5W1Hを意識して質問していくと深掘りが進めていくと段々とコツが掴めてきます。

Where:その作業はどこで行なっているのですか?
Who:誰がそう言っていますか?
What:何がしたくてそうしているのですか?
Why:なぜそうしているのですか?
How:具体的にどうやってその作業をしていますか?

深掘りの質問例

プロダクトに関わる場面・トピックにだけ焦点を当ててしまう

ついついプロダクトがどのように使われているかだけに目がいきがちですが、ユーザーは自身の課題を解決したいのであり、プロダクトを使うことが目的ではありません。
課題を理解するにはプロダクトを利用する場面だけではなく、その前後、もっと言えば日々どのような行動・生活を送っているのかという全体像を把握することが必要不可欠です。

ユーザーの課題はプロダクト上ではなく、ユーザーの生活の中にあります。
プロダクト外の行動も深掘りしてユーザーに詳しくなることがいわゆる「ユーザーを理解する」ことだと思っています。

インタビューの振り返りをしない

インタビューでいい話が聞けた、洞察が得られた!と満足して終わってしまうパターンがあるかと思います。(自分もよくやっていました。。。)
しかし、インタビュー中は話を聞くことに集中するため、都合の良い発言だけを切り取ってしまい間違った認識をしたり、インサイトの収集が不十分に終わってしまいます。

インタビュー後はできるだけ速やかにレビューや分析の時間をとりましょう。客観的な事実(ユーザーの発言や行動)を冷静に分析することで先ほどの誤りを防ぐ確率が高まります。
またこの時、結果をチーム全体で共有し議論することで、より多角的な意見を取り入れることがでで改善や開発に役立てやすくなるので積極的に展開していきましょう。

発言だけを間に受ける、信頼してしまう

インタビューでの発言を注意深く聞くことは重要ですが、基本的にユーザーは本当のことを言ってくれません。特にプロダクトへの不満は言いにくさもありその傾向は顕著です。
自分も当初、ユーザーの発言に満足しそこで止まってしまうケースが多々見られました。

ユーザーの真意は発言ではなく、行動に現れます。
常にどのように行動したのかを具体的に聞き出すことで発言の信憑性を高めていくことが非常に重要です。

・それは直近だといつの話ですか?
・具体的にどのように行なっているのですか?
・誰がいつ言っていたのですか?

行動を探る質問例

まとめ

ユーザーインタビューは、ユーザーのニーズや課題を理解し、自分たちの仮説を検証するための重要な方法ですが誤りも起こしやすい諸刃の剣です。
今回紹介したアンチパターンは特に初心者PMが犯しやすいものかと思うので、少しでも参考になると嬉しいです。

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