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【医療現場で使えるアロマオイル】精油の使い方をご紹介~患者さんの1日に寄り添って~

はじめに

お久しぶりです!RERAXの菊池です🌿
今日は、医療現場でアロマセラピーを使うために、具体的にどんな精油を使うことができるのか、ご紹介させていただきたいと思います!

私たちの活動について、こちらの記事で紹介しております↓
まだ読んだことのない方は、ぜひ読んでみてくださいね。


がん患者さんの不眠について

今回は、不眠に悩むがん患者さん向けに精油の選び方を考えてみました!
まずは、なぜ対象を不眠に悩む患者さんにしたのかをご説明させてください。

がん患者さんの20~50%で不眠障害を発症する(Savard J, J Clin Oncol 2001)と言われています。

なぜこんなにも不眠を患っているがん患者さんが多いのか、その要因は大きく以下の5つに分類されると言われています。

  • [身体的原因] 痛み、発熱、嘔吐など病気の進行や治療に伴う副作用

  • [生理的原因] 入退院など環境の変化

  • [心理的原因] ストレスや不安、家族への心配など

  • [精神医学的原因]うつ病、適応障害、せん妄など

  • [薬理学的原因]ステロイド、中枢神経刺激薬など薬剤による影響

さらに、病院に入院している患者さんは寝たきりの方も少なくありません。そうすると、ずっと病室で覚醒していても横になっているだけで、1日の時間の感覚も分かりにくくなってしまい、より不眠になりやすく、不眠が原因でせん妄という症状まで出現してしまう方も少なくありません…。

そこで、患者さんの1日のスケジュールに合わせて精油を選ぶことが出来れば、時間の感覚が分かりにくくなりがちな、寝たきりの患者さんでも昼間と夜のメリハリがつくのではないかと考えました!


入院患者さんの1日のスケジュール

これは、私が勤務していた緩和ケア病棟での患者さんの1日のスケジュールです。あくまで一例ですが、今回はこのようなタイムスケジュールで入院している患者さんを想定して精油を選んでみました。
患者さんのADLとしては、自分で寝返りがうてなかったり、体拭きも看護師の介助が必要な方をイメージしています。


患者さんのスケジュールに合わせたおススメの精油

7時 洗面・体位変換

おススメする精油:オレンジ・スイート
効能:リラックス効果、抗うつ作用、胃腸の働きを活発にする
ケアへの活用方法:洗面タオルにアロマスプレーを吹きかける
一言メモ:朝の目覚めをすっきりとさせ、朝食に向けて食欲を亢進させましょう


10時 バイタル測定・清拭・体位変換

おススメする精油:ローズマリー
効能:覚醒作用
ケアへの活用方法:清拭タオルにアロマスプレーを吹きかける
一言メモ:バイタル測定後、1日の活動が始まったことが分かるようにスッキリとした香りで覚醒を促しましょう


14時 体位変換

おススメする精油:ベルガモット
効能:リラックス効果、消臭・抗菌作用
ケアへの活用方法:折り紙に精油を2~3滴落として枕元に置く
一言メモ:患者さんは清潔ケアや昼食で疲れた頃でしょう。一旦リラックスし、自分の時間を過ごしてもらいましょう


19時 洗面

おススメする精油:ヒノキ
効能:リラックス効果、リフレッシュ効果
ケアへの活用方法:洗面タオルにアロマスプレーを吹きかける
一言メモ:これまでの生活リズムなら、入浴の時間ですね。そろそろ就寝の時間が近づいていることを香りでお知らせしましょう


21時 消灯・就寝

おススメする精油:ラベンダー
効能:リラックス効果、鎮痛・鎮静作用
ケアへの活用方法:折り紙に精油を2~3滴落として枕元に置く
一言メモ:ラベンダーの香りで入眠を促しましょう


最後に…

今回ご紹介した精油やその使用方法はあくまで、私が考えた一例になります。
やはり一番大事なのは、その人が「心地よい」と感じる香りを選択することだと言われています。
また、今回ご紹介したパターンを全て利用する必要もないと思っています。
1日のうちに1回でも、患者さんと好きな香りについてお話をするだけでも、コミュニケーションが取れたり、患者さんの背景を知ることができるかもしれませんね。

今後も、がん以外の疾患を持っている方や、不眠以外の症状に悩んでいる患者さん向けのおススメの精油についてもまとめていこうと思うので、ぜひフォロー&いいねをお願いします!

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