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Squarespaceで作る音楽アーティスト向けウェブサイト ep.01

まえがき

まず当社が何をしているのか会社なのか?
創業(2008年)した当時は外資系CBT(今で言う越境EC)マーケット・プレイス企業の日本スタートアップで顧客開拓をサードパーティとして運営してました。丁度その当時は円高と大災害が重なり、思うような結果が出せず、あえなく撤退。事業を縮小すると同時に音楽レーベルのお仕事やセレクトショップのオンラインストア制作・運営業務を請け負うようになりました。
時は流れ2022年。音楽ビジネスはサブスク配信と変化し、ITの要素が大きくなりました。音楽業界とIT業界のどちらも経験し、どうすればアーティストが生き残れるのかと考えました。話せば長くなるのでこの辺で割愛。

当社リプロポートが提供しているサービスは大きく分けて3つ。

  • アーティスト・レーベル向けウェブサイト制作

  • グラフィックデザインとブランディング(LOUD MINORITY)

  • Shopify構築

今回はアーティスト・レーベル向けサイト制作代行を解説します。

経緯

最初に言わせていただくと、弊社は「ウェブサイト制作会社」ではなく、「グラフィックデザインと音楽マーケティングのクリエイティブ・エージェンシー」なのです。しかしながら説明しても「何してるかようわからん。」って言われるのがオチでした。確かに具体性がない。じゃあ何をプロダクト(製品)にしているのか。

本来の事業目的は音楽デジタルマーケティング。

まず、私たちは「クリエイター・エコノミー」に踏み込んで深く考えてみました。そこからスタートです。

先日も話題になった「サブスクでは儲からない」騒動。まぁ色んな意見が出ましたが、一般(業界人ではない)の方々からの発言も多くて。確かに何もしなければ儲かりません。儲からなくなったのではなく、儲け方が変化しただけ。そこに音楽デジタルマーケティングがあるんですが……

ある日、某社のお偉いさんが「ミュージシャンは人気有るんやから、自分でグッズ売って金稼いだらええねん。」と、ボソッと言いました。

それです。いただきました。ここからです。アーティストが活動できる「環境づくり」を始めないと。

調査

各ジャンルのアーティストやクリエイターを無作為に選びリサーチしました。メジャー系アーティスト、人気アイドル、ミュージシャン、インディーズバンド、ラッパー、歌い手、VTuber、ボカロ、演歌歌手、お笑い芸人、音楽レーベル、マネージメント団体、海外国内問わず様々なエンタメ関係の再生回数、視聴回数、SNS、フォロワー数、所属会社、活動拠点などをリサーチ。

国内は……
ジャンルの差はある程度ありますが、アーティスト自身がSNSを使って活発にマーケティング活動していると感じました。メジャー系のアーティストやアイドルは事務所やレコード会社が専任スタッフを用意してSNSを運用している印象。

アーティストのオフィシャルサイトはファンクラブとセットになっているケースが多く、新譜情報やコンサート情報をメインにファンクラブ機能が備わっている印象。グッズ販売は会社やレーベル単位で複数のアーティストとセットになっている。

DIYアーティストやミュージシャン自身が運営しているウェブサイトは……

  • 誰が運営しているか不明ですが、とりあえずあります。

  • 一生懸命、自分で頑張って作ってみました。

  • 明らかに10年前のデザインから変わってない。

  • スマホ表示対応していない。

  • とりあえず無料ブログでライブ情報だけ更新している。

  • SNSだけでホームページがない。

  • 何もない。

海外はPR戦略にSNSとウェブサイトを組織的に運用している。

メジャーアーティストでもプロダクションとしてマネジメントされているケースが多く、レコード会社ではなく、アーティスト単体で運営しているケースが一般的。そもそも音楽ビジネスの主導国であり、グローバル展開が標準。文化的にも技術的にもお手本でしかない。

まとめ

ストリーミング再生回数をどう増やすかを議論する前に、音楽デジタルマーケティングの基盤が疎かになっていることに気付きました。ファンやフォロワーは多いけど、受け皿がないことが課題だと。

なぜアーティストの「ウェブサイト」が必要なのか?

今までのウェブサイトと今現在のウェブサイトの概念や使い方が全く違うところです。

ストリーミングの時代になり、「ファン(消費者)は国内だけでなくグローバルからのアクセスもある前提で運用していかなければならない。」と、半ば強制的に音楽ビジネス自体がグローバル化に備えなければならなくなりました。

つまりテクノロジーが進化していると同じくして、音楽デジタルマーケティングにおいて「ウェブサイト」は「誰がどのようにして、いつあなたに辿り着いたのか?」を知ることができます。(高度なアクセス解析)もちろんソーシャルメディアもご利用でしょう。いいねの数、フォロワー数などのデータを元にSNSマーケティングをするのと同じ。音楽アーティストの場合、サブスクの再生回数やファンダムの構築なども関係してくるので「ブランディング要素」も重要です。
アーティストのウェブサイトは全てを繋げる場所(Hub)として運用できます。

情報の一元化

フィジカル(CD・LP)の場合、パッケージやライナーノートに携わった制作者のクレジットが記載されました。その作品の裏方を知ることが出来たのも、フィジカルの良いところの一つでした。ストリーミングの場合、クレジット表記全てを書き込めないので、一体誰がプロデュースしたのか?エンジニアは誰なのか?気になります。そこでアルバム情報を書けるプラットフォーム、アーティストの公式ウェブサイトが不可欠です。

Link In Bioと違うの?

確かにLink In Bioは便利なツールです。積極的に使うべきです。
全てをリンク先を繋げて一つのURLに纏めている、言わば配線ケーブルを結束バンドで縛っているイメージです。アクセス解析も可能ですが、ウェブサイトとはちょっと意味合いが違います。

課題

どうすれば音楽アーティストがウェブサイトを運用できるのか?
アーティストに直接聞いてみました。

  • 構築費用
    予算的にどれくらいあれば海外アーティストのようなオシャレなウェブサイトが作れるのか?プロの制作会社に頼むと高額になりそう。
    以前、依頼して作ったことあるけど、すぐにリニューアルしましょうって言われて諦めました。

  • 操作の難易度
    スマホでチャチャチャとできちゃう感じで完成するなら良いけど、パソコンは古いのしか持ってない。更新もできる自信がない。結果的にSNSで十分ってなる。

  • 運営管理
    できれば誰かにお任せしたい。忙しいので、得意な人にお願いしたい。

……と、やはり音楽アーティストが積極的にウェブサイトを持ちたがらない理由がわかりました。

ソリューション

海外では何のプラットフォームを使っているのかと調べると、オシャレなサイトビルダーを発見しました。

Squarespace


そして試してみると!?

次回に続く。