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好きなことを仕事にしても大丈夫??

ファッションに強い興味を持っていて、見るのも着るのも作るのも大好き、ファッションを人生を通して最大の趣味であり仕事としている僕ですが、先日そんなことを聞かれました。


付き合いの長い友人の後輩・・・?にしては歳が離れすぎてましたけど大学生の男子に。

その友人は僕が服バカであることもアパレルの仕事をしていることも知っていて、その後輩からアパレル業界で働きたいという話を聞いて僕に聞いてみようという話になったらしく、一緒にご飯を食べながら話をしました。

その後輩くんは来年に卒業を控えた4年生ですが、新卒で就職するつもりはなかったようで、しばらくはいろんなバイトをしながらやりたい仕事を探そうと考えているとの事。まだ決めれてはいないけどファッションが大好きで、アパレルの仕事に興味を持ってる。SNSやネットにはたくさんの情報が出ているのでアパレル業界にはどんな種類の仕事があって、それがどんな業務内容なのかの輪郭はつかめているみたいでした。

だけど彼が聞きたかったのは業務内容では無くて、『好きなものを仕事にした時の心持ち』のようです。好きな事を仕事にするというのはポジティブ話とネガティブ話がちょうど半々ぐらいの割合であるもので、一概には言えません。なので一人の体現者として僕個人の感想を伝えました。


今回はその内容を書いてみようと思います。

僕はファッションが大好きで人生最大の趣味としています。他のなによりも時間とお金をかけていますし、ファッションについて考えたり調べたり勉強したりしている時間もかなり多い。

その上でファッションを仕事にしているわけですが、これによりいくつかメリット、デメリットが出てきています。

ではメリットから説明をしてみます。

まず『趣味で学んだことがそのまま仕事に活かせる』ってのが一番だと感じています。好きなんで強めの興味があるから誰に言われなくても自分からすすんで色んなことを調べようとするし、高い熱量で学ぼうとする。それがお金を稼ぐ為の仕事に直接活かせるのでめちゃくちゃ効率がいいんです。

何の興味も無かったら仕事だけの為に学ぶ事になって、なかなか大変だったり覚悟を持って取り組まないといけませんが、それが趣味と共有されるので動機が『好きだからやる』だけで完了します。

自分で着たくて買った服も生地の参考になったりパターンの参考になったりサイズ感の参考になったりするし、実際に着た時にどんな不備を感じるか、またそれは何が原因なのかを体験を通して学べます。

その逆に仕事をしていて生地の特性を知り、その生地はどんなケアをするべきかを知ることができたら自分の持っている服で似たような生地のものがあれば洗濯や保管の時により適した方法を選べます。

ここに趣味とか仕事とかの境界はまったく無くて、色んなことを相互に活かし合っています。


もう一つのメリットが仕事で知り合ったブランドの展示会に呼んでもらえるってことです。
まぁこれは僕の仕事の特権みたいなもんです。展示会に呼んでもらえるってことは普通は店頭に並ぶまで見ることができない新作を最速で見れるってことで、服バカの僕にとってこんなにありがたい事はありません。しかもデザイナーさんやパタンナーさんから作成過程の裏話を聞けたり、僕の知らないことを教えてくれたりするのでめちゃくちゃ勉強になる。

あとは仕事で店頭リサーチに行くことがあるんですが、その時に普通に自分が着たいものを探しながら見て回れるって事も僕にとっては大きなメリットです。まさに公私混同の極みですww

好きなことが仕事になって無かったらこうは行きませんよね。

こんな感じで僕にとって好きな事を仕事にしているメリットは大きいと思います。



次にデメリットです。何事もメリットがあればデメリットもあるものです。

デメリットで一番大きな事は、大好きなファッションの事だから色んなことを考えるしそれに比例してたくさんのアイデアを出す事もできます。でも仕事の場合はクライアントやチームリーダーなど、誰かしら決定権を持っている人がいます。そうすると基本的に『自分の納得 < 決定権を持っている人の納得』となります。これは仕事である以上は当然で、デザイナーが勝手にアイデアを形にするなんて事はあり得ません。


ただ。


僕の場合は好きが故に気持ちが多めに乗っかってしまい、自分のアイデアが採用されなかったりダメ出しされたら普通以上にヘコんでしまいます。これは僕のメンタルの問題でもあるので一概にデメリットというのもちょっと違うと思いますけど。

とにかく僕にとってはこれが何より一番キツいと感じてます。


でも人は経験から学んで改善しようとするもので、仕事の構造と本質、ルールをしっかりと理解する事と相手側の立場にたって考える事でそれがどんな意見、決定であってもほとんどの場合は納得できるようになりました。

他にも何かデメリットってあるかなーと思ってちょっと考えてみましたが、僕にとってのデメリットはこれぐらいで他には大して思い当たることが無かったです。

これは僕がアパレルの中でもデザイナーというポジションだからだと思います。

もし、ファッションが大好きな人がアパレル会社に就職して配属されたポジションがウェブ関係の部署とか在庫管理の部署とかだったらほとんど服の仕事をしている実感が無いかも知れません。そう考えるとやっぱり僕は結構幸せな環境なんだなーと改めて思いました。


この内容をそのまま相談してきた大学生の後輩くんに伝えました。どう受け取ってくれたのかは分かりませんが彼の選択の役にたってくれたらなぁと思います。



好きなものを仕事にするのって大丈夫??っていう不安の本質は『仕事と好きなものの境界線が無くなってしまうことによって好きなものの方に悪い影響が出るんじゃ無いの?』っていう漠然としたイメージだと思います。

その話も一定の理解はできますが、僕は何の興味も無いことを仕事にするよりは好きだったり興味があることを仕事にした方が全然いいと思っています。

それに多少の悪い影響があったとしてもそれを上回る好きという気持ちと興味があれば問題なんか無いはずです。


それではまた!



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