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“高級アウトドアフィールド”が沸騰中🏕

 人口減少社会に突入した日本では、遊休不動産や低・未利用地の活用は国全体の問題として対応を求められている。そこで見渡すと世の中は第二次キャンプブームと言えるアウトドアブーム

 特に高級キャンプ用品の市場が活性化している。

これまでアウトドアの中心となっていた輸入キャンプ用品の価格と比べても驚くほど高いが、どれも魅力的と思われる商品群。そうしたブランドものの高級キャンプ用品に気軽に触れて体験出来るグランピングと呼ばれている施設が急増中である。

 従来までのファミリーキャンプとも異なる、一言で言えば“大人のレジャー”、高級なホテルライクのサービスが大自然のテント生活で受けられる。

 外国人観光客が急増する場所でもあえてこうした施設も増えている。

 高級キャンプの代名詞でもある「スノーピーク」では、地方創生事業を手がけるコンサルティングの会社を設立。

 同社でも各地の公営施設を民間が運営するスキームの指定管理者となっていて、全国でクランピング施設を展開している。

 手つかずの自然とキャンプサイトさえ整備すれば、近くに有名な観光資源がなくても、人に来てもらえる目的地になる可能性が広がるのだ。

 昨年7月に白馬観光開発が、スノーピーク監修の下、白馬岩岳マウンテンリゾートのゴンドラリフト「ノア」山頂駅付近や、ブナの森内部をリニューアルし、マウンテンリゾート空間「IWATAKE GREEN PARK(イワタケ グリーン パーク)」としてオープンした。

 そしてグランピング激戦地の白馬地区で、スノーピークが満を持して八方尾根開発と組んで誕生させたのが、「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN」

 アルプスのまっただ中、北尾根高原の標高1200mの台地に、スノーピークが展開するグランピングの中でも最高峰の体験を提供する「フィールドスイート(FIELD SUITE)」ブランド初のグランピングフィールド。

 眼前に北アルプス3,000m級の山々が広がる雄大な自然を舞台に、シェフ自慢の食事から様々なアクティビティまで、まるで高級ホテルと同じ上質なグランピング体験が楽しめる。

 スノーピークでは単にキャンプ場を増やすだけではなく、白馬全体をブランディングするかのような、スキーのメッカである長野県JR大糸線の玄関口である、JR白馬駅前にゲートウェイ型の複合商業施設「スノーピークランドステーション白馬店」を造成して今夏にオープンした。設計は新国立競技場を設計した隈研吾氏。

 すでに周辺には世界的なアウトドアメーカーのショップが、複数軒を並べるアウトドアブランドの銀座になっており、都会からわざわざ来る様な欧米型の高級リゾートタウンをイメージする場所となっている。

 アウトドアメーカーのモンベルは四国の可能性に着目

 ひるがえって四国山地の高知県長岡郡に「モンベル アウトドアヴィレッジ本山」が昨夏にオープンしこれまで四国でなかった施設が人気を博している。ここは単にアウトドアショップを置くだけではなく、レストランや温浴施設、コテージまで完備したビレッジタイプとなっている。

 ここでもテントでに泊まるのが苦手な人が気軽に自然に触れてもらえるような快適なコテージを用意、四国でも気軽なアウトドアライフを楽しめる。レストランから温浴施設まで揃えた。

 施設がある高知道の大豊インターからすぐの本山町の隣の大豊町、四国三郎の吉野川は元来、急流地点が多くありラフティングをするにはぴったりの場所。せっかく訪れた観光客に自然を味わえる場所を提供したいという思いを込めた。

 廃校になった小学校を利用した宿泊施設では、田舎体験が出来る。本山町、土佐町、大川村と併せて土佐嶺北地域の自治体が参加する、「土佐れいほく博」が開催されており情報発信にも苦心しているようだ。

 モンベルは松山道の石鎚ハイウェイオアシス内にも大型のショップをオープンしていて、四国のアウトドア文化振興に大いに貢献しているブランド。

 IT化に昨今のコロナ禍で都会で暮らしている生活者のスタイルはストレスが掛かっている。そうした人にアウトドア文化に触れることの人間的本能を呼び覚ます時間を提供したい。

四国では冬のスキーシーズンはどうしても雪国の魅力には敵わない。しかし今の季節のようなサマーバカンスシーズンには、十分に戦えるだけの豊富なアクティビティが体験出来る場所が沢山あるもののあまり知られていなかった。そして長期的なバカンス滞在に見合うだけの豊富なコンテンツとレベルの高い宿泊施設がまだまだ不足していると言える。

 山間地の遊休資産の活用にこうしたアイデアや知恵、そしてファンが多く付いている有名なアウトドアメーカーを巻き込んでの、滞在プログラム開発をもっと進めていきたいものだ。

 東京の豊洲の「ワイルドマジック」は、埋立地に出来たバーベキューも出来るアウトドア施設で人気となっている。気軽にアウトドアをという欲求はかつてないほど高まっているのである。

 昨年までブームとして定着をしていた野外フェス人気と、こうしたニーズをうまく地方との間で結び付けることが出来れば、地域の活性化につながる。その役目がアウトドアブランドであると言って良い。都会にはない自然と景観。そこで手軽に楽しめる美味しい地のモノのバーべキューと寛げる空間。それだけで良いのだ。

 地方自治体の多くは管理する公共空間や公共の建物の活用が命題となっている

 平成の大合併もあり、公共施設の廃止統合が進む。東京の求人サイトを運営するダイブ(東京都新宿区)が東かがわ市で始めたのは、地方自治体の遊休地を活用したクランピング施設。指定管理する「ベッセルおおち」に隣接した敷地を活用した「グランピックス」は、自治体が抱える遊休地活用の実証実験で、指定管理会社の創裕と連携して少ない投資で始められるテント型ホテルの経営スキームとして、当地でも人気のグランピングを体験できる。

 低リスクで宿泊機能を持った施設をローカルでも運営する。有名な観光地はないものの、自治体が持つ遊休地を活用することで、新時代のローカルツーリズムを担う拠点となりうる可能性があるということで注目をしたい。


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