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旅のしごとの上で大切なもの

私はこの旅行と云う事を仕事としてやっていくのに3つの大切な事があると思って毎日過ごしております。

一つ目は「対話と会話」です。旅行と云うものは形のない「商品」で、当たり前ですがその日にその場に行ってみないと分からない事で成り立っており通常はお客様が行った事のない・経験していない場所や内容での事ばかり。なのでお客様からご要望・ご意向があっても大抵の場合は最初は「漠然とした」ものである事が多いです。

お客様がわざわざ旅行会社にお話を持ってきてくださると云う事は、何か旅行会社に聞けばいい情報があるだろうと云う期待値込みであったり、とりあえず何らかのアドバイスが欲しいと云うお気持ちでご連絡を下さるという事だと思います。

ただお客様が望んでらっしゃること、欲しい情報はその都度変わりますし、その方々によって違います。

ですので「この旅行に関してどんなイメージをお持ちなのか」とか、航空券のみのお手配でも「どのような用途でお出かけになられるのか」をはじめ、この「お出かけ」自体にこのお客様はどのようなプライオリティー(優先順位)をお付けになっておられるのかを教えて頂くために色んなお話を聞かせて頂くのがとっても重要で、そのためには「対話」して「会話する」事が必要なのです。

二つ目は「旅のわくわく感を共有する」ことです。基本的に旅行は楽しいものですし、その楽しさを味わうためにお出かけになるものです。ただこれもその方によって「何にわくわくするか」は違ってきます。

例えば下戸の方にボルドーの1本数万円するワインをおすすめしても喜んでいただけませんし、また長距離・長時間の移動は多くの場合好まれませんが、それでも逆に乗り物好きな方だとその方がいいしマイルも貯まるのでよりいいと云う方もおられます。

ですのでお話しを聞かせて頂きながらこのお客様がご興味をお持ちのようなポイントを会話の中に織り込みます。

私はよく例えで京都・奈良が目的地の旅行についてご予算や日程もありますが、行かれる方の趣味・趣向、団体の性質によって行き先が同じ場所でも全く違った味付(内容)になりますよとお話しさせて頂きます。

それは大人の方の団体では普通に夕食時にはまあとりあえずビールでも一杯ですが、当たり前ながら修学旅行ではお酒は出て参りませんし、普通に有名な神社仏閣の参拝や見学はして頂き、女性の方が団体構成の比率として多い場合は更に「着物ショー見学」を入れたり、女性は往々にしてお買い物好きな方が多いのでお土産物店の滞在時間を気持ち多めに取ったり、八つ橋のお店だけでなく京漬物のお店も立ち寄るようにする等の様々なアレンジでそれそれの団体とご参加いただいたお客様のご満足度が変わります。

航空券のみのお手配でも割にお聞かせいただくことは多くて、「乗継は嫌なのでなるべくなら直行便がいい」「地元の空港から出発したい」「マイルを貯めているアライアンス(連合チーム)の飛行機に乗りたい」と云うのは普通にありますし、他にも「小さい飛行機は嫌なので大きい機材に乗りたい」「荷物が多いので無料手荷物の規約が緩い航空会社がいい」「夜のフライトは寝られないので朝早くても日中に飛ぶ便がいい」などなどお客様のご要望は千差万別です。

それでもご旅行に関してでも航空券のみのお手配でもお話を聞かせて頂いていると徐々にではありますがなんとなく打ち解けてきて、以前行かれたご旅行のお話をしてくださったり、ご興味がある事をお話ししてくださる方も多いです。そしてお客様が何にプライオリティーをお持ちで、何にこだわりがおありかが分かってそれに応じたお話し(まあ雑談ですが・笑)ができてくると互いに波長がシンクロして参りますのでその瞬間が私はとても好きです。

3つ目は手配を大切にするという事です。それは手配ミスをしないという事はもちろんですが、それだけではありません。

旅行はこれも当たり前ですが全ての手配が整って成立します。当然ですが2泊3日の旅行で1泊目のホテルは予約できたけど2泊目は予約できなかったので諦めて野宿してくださいと云う訳には行きませんし、同様に行きの飛行機便は取れましたけど帰りの便は取れませんでしたので船か何かで帰ってきてくださいと云う訳には行きません。

ただ混みあっている地域や時期と云うのはどうしてもありまして、日本はオフシーズンでもその国は祭日で超ピークだったり、最近ではアーティストの「ドームツアー」などの大規模イベントが行われる前後の日はその会場周辺のエリアのホテルが取りづらいとかもあります。

そんな時にどうするか。お客様が大概旅行会社にご相談を頂く場合と云うのはお客様自身にてインターネット経由での宿泊や乗り物の手配がごく普通になっている昨今では自力では予約が難しいとかそもそも慣れない場所・行った事のない場所なので行き方や行くのは行けても滞在中の過ごし方が分からないと云う状態が予想されます。

ですのでここでもお客様のお話を聞かせて頂いて、お持ちのプライオリティーを判断しながら様々なご案内をさせて頂きます。

例えば海外航空券で言えば、まだ出発まで比較的日数に余裕がある場合で通常の予約画面上は満席であってもホールド(発券前の仮予約の状態のもの)がどの程度あるのかとか団体が入っているかどうか(団体が大きいとどうしても数名はキャンセルが出やすい)などをチェックしてからキャンセル待ちを入れるみたいな事はよくさせて頂きます。

また直行便は難しくても経由便ならOK,或いは東京経由は予約が難しそうだけどソウル経由・香港経由など他の経由便ならなんとか、と云うご案内もさせて頂いております。

ただこれも普段からのサプライヤーさん(運輸、宿泊、食事等の旅行素材をご提供いただく側の業者さん)とのよい関係がとても大事になってきます。

旅行会社は「旅行代理店」と云うだけあって、普通自前で何も設備を持っておらず各サプライヤーさんのお持ちの施設なり設備、交通機関を「代理」で使わせて頂き、その予約をお客様に代わって「代理」でする仕事です。なので極端に言えば自分の力だけでは何もできないのです。

ですがサプライヤーさんも逆に自力だけは全ての日・便や施設を満杯にするのは難しい面があり、そこにエージェント(仲介業者)が存在する意義があります。いわば持ちつもたれつ、みたいな関係なのですが、決して馴れ合いではなくてお互いに「会社」「ビジネス」ですので先方の「推しポイント」を日頃から理解してお付き合いをさせて頂く様にしております。

私は、と云うか当社は中小零細業者ですのでそんなサプライヤーさんに対してご無理を申し上げたり多少お願いや質問をさせて頂くことは仕事ですのでないとは言いませんが、必要以上に無理強いをしたりはせずに「同じ目線」を心がけていて、結果的にそうする事でおかげさまで「いい事」がたまにはあったりするものです。

いろいろと書かせて頂きましたが、結局のところ「いいお客様」と「いいサプライヤーさん」に恵まれると云うのがいい仕事をするためのコツなのかなと思います。

もちろん仕事ですから申し上げにくい事をお客様にもサプライヤーさんにも申し上げないといけないシチュエーションはままあります。

だけどこれからも背伸びせす、できることをやっていく、そこからですし、そのために日々勉強です。

お読みいただきありがとうございました。

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