新規webサービスの立ち上げで、企画担当者が実際にやった業務を紹介
この記事の対象者
自社のWebサービスを立ち上げようとしている企画担当者
外部の開発会社に開発依頼をする必要がある方
この記事でわかること
サービスが公開されるまでにどんな工程があるのか
各工程で企画担当者(あなた)は何をすべきなのか
はじめに
■ 前提
ユーザー投稿型のスキル発見サービスを立ち上げ
ユーザー画面(スマホ・パソコン)と管理画面(運営用:パソコン)を開発
対応ブラウザは主要ブラウザのそれぞれ最新版
自社メンバーは、企画担当(私)・アシスタント・社内SEの3名
開発は外注で新規取引の開発会社に依頼
開発予算は約5,000万円(デザイン含む)
■ 企画段階で準備していたもの
要求定義書:リーンキャンバスに沿って企画内容を約20枚のパワポにまとめたもの
画面イメージ:XDで作成した主要導線を約60枚のパワポにまとめたもの
機能要件一覧:画面イメージをもとにExcelに書き出したもの
RFP:スケジュールや予算、非機能要件などを約10枚のパワポにまとめたもの
(ここまでの準備期間は半年程度)
あとは外部の開発パートナーを探せば、ようやくリリースできると思っていました。新規サービスの立ち上げ経験がある上司からは「6ヶ月くらいを目安にリリースできればいいね」と言われていましたが、結果、リリースまでに約1年かかります。
では、実際にどんな作業があったのか、その時私が何を行ったのか、工程別に出来事を紹介していきます。
工程別の出来事
1. 開発会社の選定
■ 予定:4週間 → 結果:14週間(3.5ヶ月)
WebやSNSで調べて3社ピックアップして問い合わせ(調査と社内共有で約2週間)
コンペのために開発会社に企画内容を説明(約2週間)
提案を受ける(開発会社の準備期間が約3週間)
社内稟議(開発規模的には社長決済で約3週間)
秘密保持契約(NDA)の締結(双方の法務間での文書確認に約2週間)
各種契約書の締結(リーガルチェックから締結まで約2週間)
2. キックオフ
開発会社のUIデザイナーとPMに対して要件を共有
コミュニケーション方法や連絡窓口を決めて1時間くらいで終わる
タスク管理はbacklogで行い、ファイルやドキュメントの管理ルールを決める
情報が分散するのでSlackは使わないことにした
6ヶ月後のリリースに向けたスケジュールが提示され、画面要件を2週間で決めることが次のステップ
3. 画面要件(機能要件)の詳細詰め
■ 予定:2週間 → 結果:12週間(3ヶ月)
開発会社のUIデザイナーが全120画面ほどの画面要件を書き起こす(約2週間、今思えばめちゃ早い)
3時間のMTGを合計4回実施して、修正を行いながら画面ごとの機能要件を決める(約4週間)
画面要件確定後、任せるよと言っていた上司から色んな意見が入る(議論を重ね妥協点を見つけるまでに約4週間)
UIデザイナーに追加修正を依頼し、今度こそ画面ごとの機能要件が確定(約2週間)
4. 開発着手
■ 予定:16週間 → 結果:16週間(4ヶ月)
設計2週間→機能開発10週間→デザイン当て3週間→結合テスト1週間
画面要件を検討している間、エンジニアは待機していたことを知る(実際は別案件をしていたが、これ結構迷惑かかるため注意)
最初の2週間はエンジニアが各機能の設計をして見積もりを算出しているので作業はほとんどない
設計後は開発会社との週次定例で、画面要件で決めたことに対する仕様相談が毎週のようにある
実際に見積もってみると10週間に収まらないので要件の取捨選択を行う必要がある
機能開発中は平穏な日々が続く
5. テスト
■ 予定:2週間 → 結果:4週間(1ヶ月)
・主要導線が要望通りに動くか操作しつつランダムに操作してバグを探す
・「スマホ・パソコン」×「Chrome・Safari・edge・FireFox」×「Mac・Windows」でテストパターンはたくさんある
・実際に触ってみるとバグは結構ある(バグ50個)
・リリースまでにどれを対応するか判断する必要がある
6. サービス公開
・晴れてサービス公開の日を迎えることができました
・自社サービスにバナーを設置したり、メルマガを配信して初期ユーザーを獲得
・反響もまあまあで意気揚々としていましたが、2ヶ月目以降は新規ユーザーが全く増えない
・一番作り込んだページよりも、サブ的に作ったページの利用者が多かった
・
まとめ
今から5年前に、はじめて大型の新規サービス開発をしたときのことをまとめてみました。自分の立ち振る舞い方やどこまで判断をすればいいのか悩みながら仕事をしていた記憶があります。
最近では、このような立ち回りをする人のことをプロダクトマネージャーというようで、市場価値が非常に高い職種の一つです。
現在は、飲食店向けの口コミサイトの会社で、新規事業の事業責任者(プロダクトマネージャー寄り)として働いています。約16名の組織で、UIデザイナー・エンジニアと共にスクラム開発でプロジェクト管理をしていますが、外注の3倍の速さで開発が進み、工程も省略化されています。
次回は、外注と内製開発での具体的な工程の違いについてもまとめてみようと思います。
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