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「リスクマネジメント」で本当に大事なこと

こんにちは! レオ・エースです。
久々に連休を楽しんでいる方、祝日関係なく仕事の方、この時期の過ごし方はそれぞれですね。
私は読みたいと思って買っていた本を読んで過ごしていますが、なかなか読み進めるのが遅くて…。

さて、今回は「リスクマネジメント」についてお話ししてみたいと思います。

福祉業界で働いていると、毎日の業務中には様々なリスクが存在します。
高齢者のデイサービスや特養であれば、利用者の転倒による骨折があるでしょう。保育所などでは、子どもたちが誤嚥して窒息するリスクもあります。重度の知的障がい者を預かる生活介護事業所では、散歩に出かけた時に利用者が急に道に飛び出すことは常に気を付けていなければならないことです。

専門職である私たちは、もちろんこうした支援上のリスクを考慮して、事故を未然に防止する対策を講じています。しかし、福祉が人による対人援助の仕事である以上、完全にリスクをゼロにすることはできません。また、もともと日常生活で様々なリスクを抱えた方をお世話するのですから、ことの出発からリスクは通常よりも高い状況にあるのです。

だからと言って、「起こったら仕方がない」ではすみません。なぜなら、利用者またはそのご家族は、私たちに福祉のプロとしての専門的なケアや支援を望んでおり、それには当然リスクを回避しながらふさわしい支援を提供することを当然期待しているからです。私たちはそれに応えていく職務上の義務があります。

そこで必要になるのが、「リスクマネジメント」です。

まずは自分の職場と利用者を知る

リスクをふさわしくマネジメントしていくには、リスクのことをまずは良く知っておく必要があります。このリスクには大きく分けて3つあるでしょう。

一つは職場環境に潜むリスクです。
利用者が見えなくなる場所、位置、これらは支援者が目を離してしまう危険が潜んでいます。すると知らないうちに転倒して骨折ということも起きてしまうのです。
またバリアフリーになっていない、少しでも段差がある場所は転倒のリスクがあります。放課後等デイサービスでは、遊び道具が小さすぎると誤嚥してしまうことも考えられます。福祉事業所の中でも、考えようによってはかなりリスクの高い場所というのは存在するものです。なので、職場環境をしっかりとアセスメントする必要があります。

二つ目は利用者が内包しているリスクです。
歩行にふらつきがあるとかは、すぐにそれがリスクであるとわかります。他にはある利用者と気が合わない利用者がいたとすると、それもリスクになります。些細な事で口論になり、手が出てしまうこともあるかもしれません。そうなるとその2人をなぜ一緒の場にいさせたのかと、責任を問われることにもなりかねません。利用者のADL等のアセスメントに加え、周りとの関係性もよく知ることが必要です。

三つ目は職員が持つリスクです。
当然ですが、事業所で働く職員は、全ての人が支援スキルを十分に持っているというわけではありません。資格なく働く方もいらっしゃるでしょうし、逆にベテランの有資格者もいます。ここで考えるべきは、職員ひとりひとりが持つ支援のための知識やスキルは違うということです。
ある人は危険と判断するシチュエーションでも、ある人はそれほどとは思わないかもしれません。経験の差は、リスクを感じ取る直感力の差にも通じます。ですから、特に事業所のリーダーは、ひとりひとりの支援知識やスキルがどの程度なのかをよく知ることも大切です。

事故発生時のシナリオを遵守する

それでも事故が起きてしまった時は、各事業所でおそらく準備されているであろう事故発生時の対応マニュアル等に沿って動くことが大切です。

事故後はまず被害者に共感的に寄り添いましょう。温かく落ち着いた態度や口調で話します。そして、家族の対応などに難しさがあるときには、必ず複数の職員で対応するようにします。

そして、事故後は時間を経過を含めた詳しい事実関係を記録し、原因究明を行うことです。人の記憶は時間がたつごとに曖昧になるため、なるべく速やかに関係職員で検証をしていく必要があります。
その際気を付けることは、決して犯人捜しにしないことです。そうなってしまうと、職員は事実を隠そうとしてしまいがちです。責任は経営者が取るという姿勢をまず示していくことが大切です。

こうした事故発生時のシナリオは、確実に実行してこそ意味があるものです。実際にことが起きた時にこれを行うことは、意外と難しいことです。それは状況が普段とは違い、正常な思考が阻害されるからです。それでも日々のミーティングの際などで対応マニュアルを定期的に確認することで、訓練を積むことができます。

普段からできる最も大切なこと

さて、これまでリスクマネジメントについてお話ししてきましたが、実はリスクマネジメント最も大切なこととは、普段の業務のちょっとしたことでできることなのです。

それは、利用者・そのご家族と普段からよくコミュニケーションを取り、情報を密に交換するということです。
これまでいわゆる介護事故に関して裁判にまで発展した事例というのは、家族との普段、また事故後のやりとりがうまく行われていなかった事例が多いことがわかっています。
本来、福祉・介護の仕事は生活上のリスクのある利用者を支援する、社会的に意義深い仕事であるはずです。実際多くの家族・親族は福祉職に感謝の言葉を述べることが多いのです。
しかし、普段からのコミュニケーションがうまくいかなければ、事故発生時には家族の中に不信感や不満が生まれます。「もしかしたら、前からこのような扱いをしていたのか」と責任を追及したくなるのです。

ですから、私たち福祉職ができる一番のリスクマネジメントとは、利用者・ご家族と普段からよくコミュニケーションをとって、信頼関係を築いていくことなのです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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