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【新世界紀行】バングラデシュが見えてきた #10 限界は誰が決めるか?

ビーチの街コックスバザールからバングラデシュ第二の商業都市チッタゴンへ移動中バスからずっと外を眺めていた。

私の席は一番前なのでよく景色が見える。

片側一車線の国道を反対車線にはみ出しながら猛スピードで前のトラックやリキシャを抜かしてゆく。

たまに対向車と正面衝突しそうになり、急ブレーキを踏む。なぜか毎回スレスレで衝突しない。

バングラのドライバー同士の阿吽の呼吸である。

クラクションやアイコンタクトや手の仕草で一瞬のでコミュニケーションをはかっている。

初めは事故って死ぬと思っていたがなぜかドライバーのテクニックを信頼し始め、これは大丈夫だと安心し始めるから不思議だ。

他にも明らかに積載量を超えて荷物を乗せるトラックをたくさんみた。

おまけに人まで乗っている。ギリギリまで積んで走ればオッケーといった感じだろうか。

ルールに縛られず自分たちで限界を決めていく感じがまたバングラらしくて良い。

私はこのノリを日本に持って行きたいのだが、日本に帰るとまたいつもの空気に流されてルールや規則の中に埋没していく一人の人となり社会を構成する歯車の一部と化すであろう。

荷台いっぱいにバナナを積んでトラックは走る
バナナの上に座り前を見つめる人
意外と安定性があり振り落とされたシーンは見たことがない
10年前も見たが今でもよく見る風景
荷台から滑り落ちそうな鉄の棒
急ブレーキだけはやめてほしいと願う

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