見出し画像

進むのか、引き返すのか

① 何が描かれているか
② 絵の中で何が起きていて、これから何がおきるか
③ どのような感情や感覚が、自分の中に生まれているか

前回のnoteでこの絵を題材に意見を募集させて頂きました。
本当に様々な観え方があるんだなと気づかせてもらえました。
①の解像度、②の解釈の違い、③の創造性、など人それぞれで大変興味深くコメント読ませて頂きました。ご参加頂いた方ありがとうございました。

抜粋してご紹介させていただきます。

籐子さま
①おっきいお魚を釣った漁師さんの船
②荒波で転覆しそう、しかも向こうの方で火事が起きてる?
③漁師さんが無事家に帰れて、家族も無事で、みんなでこのお魚食べられたらいいな

②「火事が起きている」というのは新しい観え方だなと思いました。
これを雲と見る人もいれば、煙と観る人もいるでしょう。

ミルキク様はなんと記事にまとめて頂けてました。
面白いのはこの魚の種類を特定しようとされているところ。
拡大して特徴からこの魚では?と割り出したり。
魚だけに目から鱗です。

ということで、僕もやってみます。

① 何が描かれているか

波が立つ海のうえに、木製の手漕ぎの舟。
舟には男性が1人。
カーキっぽい色の長袖を来ている。
前をボタンで留めるタイプの服。
髭をはやしており、左側を向いている。
足元には樽のようなもの。
男性の後ろには錨。
大きな魚が二匹。
空は薄っすら明るい。朝か夕方か。
白波が立っており、穏やかな海という状況ではなさそう。

② 絵の中で何が起きていて、これから何がおきるか

大きな魚を2匹釣り上げ、これで漁を終えて帰るのか、まだ続けるのかを迷っている。漁師であれば、ある程度天候を読むことはできるはず。今まさに遠くの雲の流れをみながら判断している最中。

③ どのような感情や感覚が、自分の中に生まれているか

「思いがけずに利を得たときに、あなたはどうするのか」という投げかけをしている気がする。舟には錨、パドル、樽しかない。それぞれ、止まる、進む、戻る、漁を続ける、ということを象徴している。頼れる人は周りにいなく、広い海にたった1人だけ。自分にしては十分すぎるほどの収穫を得たとき、あなたはどう判断するのか?という問いかけ。荒波をリスクとしてみるのか、荒波こそ漁の時だと捉えるのか、観る人によって異なる捉え方ができそう。僕は間違いなく、戻る。ビビリだし。戻りながらあわよくばを狙って漁を続ける。

この絵について

この魚はオヒョウという魚だそうです。カレイ科。
ミルキクさん、なんと正解!スゴイ。
1885年に描かれた絵を見て(しかもほぼシッポだけ)、魚の品種を当てられる人を僕はミルキクさん以外に知りません。笑
解説を読んでなるほどと思ったのが、この魚を捨てるという選択肢は思い浮かばなかったなということ。解説を読んだ上でもう一度観てみるとまた発見があるかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?