見出し画像

「結局、全員がアーティストなのでは?」と思った話

お金を稼ぐことはアートだ。働くこともアートだ。 ビジネスで成功することが最高のアートだ。 アンディ・ウォーホル
Making money is art and working is art and good business is the best art of all. Andy Warhol

スーパーサラリーマン田端信太郎さんが自身のYouTubeで上記のウォーホルの名言を交えて「お金の作り方」を資本主義の本質を捉えながら分かりやすく説明されていた。そこで気づいたことをまとめていきたい。

画像1

・お金=価値の交換手段
(お札自体はちり紙にもならないただの紙切れ:1万円の原価は24円)
・価値=人が「お金を払ってでも欲しい・払うお金分の何かが宿っている」と思う感情
・アート=仕事=価値を創造すること

ex)価値創造の例
書籍の場合:本は紙切れの集まりだ。電子書籍に至ってはデータでしかない。原価で考えたらおそらく300円ほど。でも、その本に読者は1500円くらい払っている。つまり「1200円の価値」があると納得して、「お金を払ってでも欲しい」と思ったから買ったのだ。こうして価値は作られてゆく。

お金持ちとは、「お金を作れる人」つまり「価値を作れる人」なのだ。

資本主義はもともと大航海時代に始まった合理的なシステムだ。香辛料を取りに行く船の資材や人材を数人のお金持ち(資本家:当初は王侯貴族など)で分担して準備することから始まった。なぜなら途中で難破することも多かった時代なのでリスクを分散するためだ。もちろん無事に香辛料を輸送出来た場合は資本家同士で利益も山分けだ。香辛料は肉が主菜のヨーロッパでは必需品だったため、「価値」が高かった。この時代に価値を作れる人は「香辛料を持ってこれる人」だった。

画像2

では現代の成熟した資本主義社会では、誰が「価値」を作れるのか。

それは全員だ。

人が「お金を払ってでも欲しい・払うお金分の何かが宿っている」と思えるものを作れる人全員がアーティストなのだ。

美味しいだし巻き卵を作れる職人が築地でたまご屋さんを出店したら、「お金を出しても食べたい」と思った食通が行列を作る。美声でイケメンの歌手がライブを開催したら「お金を出してでも聴きたい」と思ったファンがアリーナを埋める。絵が上手でオリジナルの作品が描ける人は「お金を出してでも集めたい」と思った人がコレクションに追加する。

人の「欲しい」が無限に広がった現代では、その「欲しい」の数と同じ分だけアーティストの活躍の場がある。

画像3

話を最初のウォーホルの言葉に戻そう。

彼はアメリカの1970年代〜1980年代にポップアートの象徴として活躍したアーティストだ。アメリカ資本主義絶頂の時代、彼は「価値の本質」に気づいていた。そして芸術でさえも資本主義という枠組みのなかでの価値創造手段の一つに過ぎないことを理解して、大量の作品をプリントアウトした。つまり、一生懸命地道に絵を描くだけでは人の「欲しい」を作れないんだから、「欲しい」という感情に誘導するために何を作るか(マーケティング)を考えて行動していたのだ。

画像4

この資本主義社会では築地のたまご屋さんもウォーホルも同じアーティスト(価値を作る人)だ。

成功するか失敗するかはやってみないと分からない。逆を言えば、やってみないと成功も失敗もない。資本主義は成功するか失敗するか未来を予測できないからこそ生まれたシステム。これはもはやゲームだ。大航海時代のように船乗りに挑戦して運悪く難破して死ぬようなことは現代ではほとんどありえない。少しづつでもいいから、「自分は何を作って人の欲しいに応えようか」と試行錯誤することが、この資本主義ゲームの攻略マインドだったのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?