定期購読マガジン、「アクティブファンドを眺めてみた」から「企業価値を探究するファンドで企業価値増大を楽しむ投資」へ改称しました
2020年2月に定期購読マガジンを始めました。
そのタイトルは『アクティブファンドを眺めてみた』でした。
このタイトルは変えないとダメだ、そう思いました。
インデックスとアクティブ このわけ方がヘン
アクティブファンドという概念そのものが、投資信託の分け方として意味を成していないと考えているからです。
世間一般では、投資信託を分類する際、インデックス(パッシブ)かアクティブか、という枠組みが用いられることが通常です。
インデックスファンドは、ベンチマーク(ほとんどの場合、株価指数等のインデックス)に連動するように運営、運用されています。
他方、アクティブファンドは、ベンチマークとの連動を目指さないように運営、運用されています(ベンチマークを上回る成績を目指して運用されている=アクティブファンド、と認識されている人が非常に多いと感じますが、ベンチマークを上回る成績を意識して目指しているかどうか、は、それぞれのファンドの運営方針、哲学次第だと僕は考えています)。
つまり、ベンチマーク(インデックス)に連動する意思を持っているか、が、インデックスとアクティブを分けている、ということになります。
この概念、わけ方では、ファンドを運営しているマネジャーがどんな行動、判断しているか、は実はどうでもいいことになります。なぜなら、ベンチマークに連動しないという意思さえ持てばアクティブファンドに分類されるからです。
株価が騰がりそうな株式を買い、株価が下がりそうな株式を売る。その判断に至るプロセスはまったく考慮されません。株式の保有期間がごくごく短くても、その会社のことを、その事業の内容等をロクに調べていなくても、株価を見て株式を売買、ベンチマークは関係ありません!ならアクティブファンドになるわけです。
企業価値増大を楽しむ投資
この言葉とは 「市場」ではなく「企業」を買う株式投資 で出会いました。
この本の第5章のタイトルが 企業価値増大を楽しむ投資 です。
第5章の執筆を担当されたのは 農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)の奥野一成さんです。
奥野さんは、投資と投機との違いを説明するのに農地の喩えを用いられます。
たとえば、この講演録をご覧ください。
農地がどんな作物を産み出すのか、これが「価値」。会社、企業でいえば企業価値になります。
一方で、農地の時価をやたらめったら気にする姿勢。これは「投機」だ、と奥野さんは説明されています。さきほどのケースに戻ってみると、です。
株価を見て株式を売買、ベンチマークは関係ありません! このスタイル、行動を、企業価値を探究していると認識できるでしょうか?
何百という会社に投資して、頻繁に売ったり買ったりして投資先、ポートフォリオがコロコロと猫の目のように変化している。こうした投資行動に、果たして企業価値を探究するプロセスが存在しているのだろうか、という疑問が大きくなります。
ファンドの投資行動を説明するはずの月次レポートでも、その種の投資判断のための行動はロクに説明されず、A社の株価が騰がりました、B社の株価が下がりました、とか、株式市況の見通しはxxxです、ということばかり。
そんなレポートから企業価値を探究する姿勢や行動、判断は読み取れるでしょうか。僕には全然わかりません。感じ取ることができません。
アクティブファンドは何百、何千も存在しています。
しかし、企業価値を探究する姿勢、行動がしっかりと感じられるファンドはごくごく一握りしか存在していません。
インデックスファンドも企業価値を探究していない
お気づきだと思いますが、インデックスファンドも企業価値を探究したりしません。インデックスファンドのポートフォリオは、決められた資産を、市場が決定した価格、配分通りに整えなければなりません。当然のことですが、企業価値を探究することはありません。
インデックスファンドはただひたすら株価を追いかけてそれにあわせて比率調整をするのです。それができなければベンチマークに連動することができません。
「企業価値を探究しているか」で、投資信託を二分することができる
企業価値を探究しているか、で投資信託を二分することができます。
インデックスファンドに加え、株価をおいかけて、非常に多くの会社の株式を組み入れ頻繁に中身を入れ替えているアクティブファンド。
これらのファンドは企業価値を探究していません。
一方、綿密な調査、分析を行い投資先候補を絞り込み、慎重に投資判断する。このプロセスがあれば、投資先の数は自ずから限定されます。
また、それだけの時間、労力を注いでいる以上、相応の期間、投資先の株式を保有します。さもなければ企業価値の増大を楽しむ、享受することは不可能です。
こうした過程をしっかりと丁寧に投資家、ファンド受益者に伝達する。
こうしたファンドは企業価値を探究している、そう言えるでしょう。
何度も繰り返しますが、企業価値を探究しているファンドはごくわずか、一握りです。極めて少数です。
これら少数の企業価値を探究するファンドに注目して、その定点観測を行っているのが僕のサブスクです。
このサブスクを通じて、企業価値を探究するファンドを盛り上げたい、存在感を高めたい。そんな想いを抱いて日々更新しています。マガジンのご購読、メンバーシップの加入をぜひご検討ください。よろしくお願いします。
3種類のサブスクの特徴、違いを以下の記事でご説明しています。
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