絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方 第5回 投資先
2022年ゴールデンウィークの毎日更新(予定です)シリーズ。
絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方
5日目、第5回です。
前回は⏬
前回の要旨をザックリまとめると、
月次レポートは、アクティブファンドのことを知るための非常に重要な媒体だけど、その重要性をしっかりと認識、発信している投資会社は
まだまだ少ない、少なすぎる!
投資家の皆さんが注目することで状況を変えましょう!
というのものでした。
今回のテーマは、ファンドの 投資先 です。
中身に乏しい、残念な月次レポートでも、ほぼ全て記載されているのが、ファンドの組入比率ウエイト上位の投資先です(上位何社までか、というのはファンド次第ですが上位10社まで示しているファンドがほとんどかと思います)。
「絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方」第5回は
投資先(上位10社だけでも)を確かめることなく
アクティブファンドを選ぶのは
絶対アカン!(と思う)
です。
前回は
「月次レポートを見ないでアクティブファンドを選ぶのは絶対アカン!
(と思う)」
でした。実際には中身の薄い、乏しい月次レポートも数多く存在しているだけに、月次レポートがダメという時点で、そもそも選んだらアカン!とは考えています。ただ、月次レポートが淡白なファンドであっても投資先を確かめてみることで、見方がちょっぴり、ほんのちょっぴりだけ変わることがあるかもしれません。
あと、もう一つ重要なポイントがあります。月次レポートで「お!このファンドはいいかも」というコメントが書かれていても、投資先を見て「違うかぁ」ということも起こり得ます。そうした点を確かめる意味でも投資先を見なければいけません。
ファンドの投資先:必ず確認したいこと その1
投資先の数です。ほぼ全てのアクティブファンドの月次レポートに記載されています。20社程度に絞り込んでいるケースもあれば、何百社に投資しているケースもあります。その数字そのものよりも、その数の推移が重要です。先月末は60社に投資していたのに当月末は半分の30社にしていたり、逆に一気に倍の120社にしていたり。こんなアクティブファンドはあまり無いとは思いますが、投資先の数が短期間に大きく増減しているのはフツーではない、と感じます。この点でも、せめて過去1年程度は月次レポートが確認できるようになっていてほしいですねぇ。
1ヶ月分しか月次レポートが閲覧できないアクティブファンドの場合。そもそも、そんなファンドを選んだらアカン!というのが、このシリーズの主張です。が、「いやいや、どうしてもあのファンドが気になる!」という場合、どうするか、です。運用報告書を確認すれば、ほとんどの場合、投資先の数を、また、全体版には決算期末の投資先の一覧を確認することができます。決算期末から何ヶ月経っているかも考慮しつつ、xヶ月しか経っていないのにこんなに増える(減る)?と疑問が湧いてこないか、確認してみてください。
ちょっと手間が掛かりますが、月次レポートで組み入れ上位となっている投資先の会社。一番最近の運用報告書で既に投資されているか、を確認してみるのもオススメします。もしその報告書に載っていなければ、ここ数ヶ月でグッと投資を加速させた会社である可能性が高いということになります。
ファンドの投資先:必ず確認したいこと その2
組み入れ上位の会社、各社の比率です。
投資先は16社と絞り込まれていますが、16社の比率を均そうとすると、1社当たり6%程度になるはずです。しかし、このファンドは投資先によってウエイトを変えています。ファンドマネジャーの投資先への確信度、あるいは、ファンドが算出した本源的価値と市場の評価との乖離が大きさ(割安度)などが、その根拠になっています。
こんなファンドもあります。
投資先のほぼ全て(一部例外があるケースもあります。流動性が少ない会社等は調整することがありそうです)を均等金額で投資するアクティブファンドもあります。こうしたファンドは上位10社は毎月それなりに大きく入れ替わることがあります。日々の売買でウエイト調整されているはずですが、完全に時価が均等になるようにポートフォリオを運営することは難しいでしょう。
SNS等を見ていると、「長期投資と言っているくせに上位の会社が頻繁に入れ替わっているじゃないか、短期で売っているんじゃない?」というコメントを見かけたりしますが、市場の評価のせいでファンドの上位投資先が変わっているのであるケースが多い(全売却や入れ替えをおこなっているわけではない)ものと想像されます。
1社当たりの投資比率を見ることで、ファンドの考え方の一端を見てとることができますね。
ファンドの投資先:確認したいこと その3
「必ず」確認しましょう、とまでは言いませんが、業種の比率、また、その推移を見てみると、面白い発見があるかもしれません。ダイナミックにシフトするファンド、業種を幅広く押さえに行くファンド、業種で見ると結構絞り込んでいるファンド。当然、絞り込んでいるファンドの方が、異端・少数派の度合いが大きくなります。
あるアクティブファンドの場合
投資先の確認を、あるアクティブファンドを例にしてやってみます。
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