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絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方 第4回 月次レポート

2022年ゴールデンウィークの毎日更新(予定です)シリーズ。

絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方

4日目、第4回です。
前回は⏬

前回の要旨は、

”地下3階のドグマ”に囚われて全く脱することが出来ない金融庁って
困ったもんだ、

ってことになっています。
が、こういうドグマに囚われる一因は、ほとんどの投信会社の情報開示のお粗末さにあるということも述べています。

今回は、情報開示の中でも、ほぼ全てのアクティブファンドが発信している 月次レポート がテーマとなります。

「絶対アカン!(と思う)アクティブファンドの選び方」第4回は

月次レポートを見ないでアクティブファンドを選ぶのは
絶対アカン!(と思う)

です。

月次レポートに対する迸る?想いは⏬の記事にも書いています。かなり暑苦しいので明日あたりにご覧くださるのが適切かとおもいます笑

月次レポートを見ないでアクティブファンドを選ぶのは絶対アカン!と思う理由。最も大きいのは、 第1回 でも書いた通り、アクティブファンドを選ぶことは異端・少数派になることだからです。異端・少数派といってもいろいろあります。すっごい異端・超少数派もあれば、あれこれって結構平均的じゃない?どの辺が異端なの?ということもあるでしょう。

一部のアクティブファンドは「違い」を
月次レポートで説明している
(ごく一部のアクティブファンドに限られますが)

そのアクティブファンドがどのくらい異端・少数派であるか確かめる材料として、もっとも手っ取り早いのが月次レポートです。あるアクティブファンドに関心をよせるきっかけはパフォーマンスかもしれませんが、必ず確認すべきは月次レポートです。目立ったパフォーマンスを残しているアクティブファンドのポートフォリオは、ほぼ間違いなく、世の中平均から見ると、異端・少数派になっているはずです。

目立ったパフォーマンスを残しているのに、世の中平均に近いかも?と感じるポートフォリオもあるかもしれません。その場合はその違いがどこで生まれたのか、と仮説を立てることがとても大切です。その仮説を検証できうるような説明が月次レポート等で為されているか、を確かめに行く。結果、なぜ違いが生まれたのかについて、説明、ヒントがなければ、そのアクティブファンドとともに異端・少数派の旅を長くは続けられない。そもそも旅には出ることすらできない。そう思います。第2回でも書いた通り、アクティブファンド選びははバディ選びと考えています。
バディ、相棒が毎月、自分(受益者・投資家)の為に何をしてくれていたのか、どんな活動をしていたのか、聞きたくなりませんか。
しかし、世の月次レポートのほとんどは、投信会社が受益者・投資家の為に為したことよりも、株価がどう動いた等価格の動きの説明、つまり、何が起きたか、起こったのか、がページを占めています。
新しい投資先が何社加わったのか、保有していた株式を全て売却した会社が何社あったのか、これらは受益者の為に為した行動ですが、これらを具体的に数字とともに説明しているアクティブファンドの方が圧倒的な超少数派というのが実態です。
月次レポートの内容に乏しいアクティブファンドであっても、依然、お金が流れ込んできます。販売会社、投資家の姿勢がそれを実現しています。この状況が続いている限り、月次レポートの進歩は極めて鈍い足取りになることでしょう。
しっかりとした月次レポートを発信することができないアクティブファンドからは資金がドンドン流出していく、たとえパフォーマンスが良くても。そうなるように、意識や姿勢を変えるべき主体は投資家だと思います。その変化を何とかして早めたいと思っています。それが月次レポート研究所の目指すところの一つです。

月次レポートで投信会社の心意気を
比較することができる

アクティブファンド選びで月次レポートを確認すべき、と考えるもう一つ大きな理由。それは、他のファンドと見比べることができるからです。運用結果を報告する資料として運用報告書もありますが、こちらはフォーマットが決まっている為、ファンドの個性を表現するのが難しいところがあります(実際には、運用報告書の筆致を見ればファンドを運営している会社の心意気は感じられるのですけれど)。
その点、月次レポートは体裁その他についての制約は緩やか、アクティブファンドの個性を示すことが可能です。つまりは、発信側の心意気次第です。
中身の充実を図るぞ!という意志が感じられる月次レポートはごく少数ですが、ここ2,3年で増えてきていると感じます(何年経っても似た調子で進歩がまるで感じられないアクティブファンドも多いのですけれど)。

アクティブファンドの月次レポートで、「何が起きたか、起こったか」ではなく「受益者の為に何を為したか」の内容が載せられらることが増え、それが継続すると、そのファンドが株価を追いかけているのか、事業の調査、分析や会社との対話に注力しているのか、投資行動の特徴が顕れてくるように思います。
月次レポートを通じて、ファンド自身はもちろん、投資先の事業の内容、将来性への理解、納得を強めることができれば、異端・少数派の旅を共にする相棒として長くお付き合いしたくなる度合いが高まってきませんか。

月次レポートが、ファンドの投資家と向き合う姿勢を
映し出している

最近では、オンラインイベントなんかも増えてきました。ネット証券なんかもアクティブファンドをアピールする場を設けたりしています。でも、やっぱり月次レポートなんだと思っています。月次レポートはファンドの設定来、毎月、毎月、発信されているものですから。

たとえば、どのくらい前の月次レポートが閲覧可能か、という点。

ひふみ投信 は設定来の全ての月次レポートが閲覧可能です。

表示対象のドロップダウンで選択すると設定後最初の月次レポートが読めます

ひふみ投信の13年を超える歴史。月次で振り返る、確認することができます。月次レポートの体裁が今のものとは全然違っています。月次レポートは歴史の一部です。でも、こうしたところに、その会社の姿勢、投資家・受益者に向きあう姿勢の一端が表れている、と感じます。
僕の知る限り、ひふみ投信と同じように、設定来の月次レポートを閲覧可能にしている投信会社、アクティブファンドは極めて、極めて少数です。
一定期間(3ヶ月、6ヶ月、1年、3年・・・)が経ったら閲覧できなくなる投信会社、会社によっては最新の月次レポート1回分のみというところもあります。
「長期投資」の意義、可能性を訴えるなら、そのファンドが歩んできた歴史の軌跡はできる限り、簡単に確かめられるようにしておくべきではないでしょうか。一定期間で月次レポートを引っ込める、っていうのは、見せられない、見せたくない、そうした感情がどこかにあるのでは、気持ちを込めてつくっていないの?と勘繰ってしまいます。
もちろん、これだけで判断できるものではありません。でも、異端・少数派で長くいつづける旅のバディを選ぶとすれば、以前の月次レポートをどれだけ閲覧可能にしているか、は大いに参考になると思います。

上場会社のIRに学ぶべきなのでは

全ての上場会社が実践できているとは限りませんが、大多数の上場会社はIRに力を注いでいることと思います。そのIRから得られる情報を投信会社は多くの判断材料としているはずです。
投信会社は「当事者として」上場会社のIRに大いに触れている。資金を公募しているという意味では、上場会社、投信会社はほぼ同じです。この点からすると、上場会社の方が圧倒的に高い意識でIRに取り組んでいるのでは。
受益者にロクに情報発信、伝達ができていない投信会社が、上場会社のIRにケチ、注文を付けるような立場には無い、と感じます。

月次レポートから「愛」、感じられますか?

月次レポートには投信会社の「愛」が表されていると感じます。

一つは、受益者に対する「愛」。
受益者に対する「愛」が少しでもあれば、自分たちの為した行動を伝えようとするはずでは、と想像するのです。市場で何が起こったか、起きたかを説明するだけでは、そこに愛はあるんかい?って思います。

二つ目には、投資先の会社に対する「愛」。
惚れ込むという意味ではなく、しっかりと向き合って調査、分析し、判断したか。対話したか。そうした行動、関わりこそが投資先の会社への「愛」。ごくごく一部ですが、その「愛」を感じさせるアクティブファンドの月次レポートはあります。

三つ目には、投信会社の、自分たちのファンドに対する「愛」。
つくっている人たち、中の人たちがまず自分たちのファンドを愛しているんだなあ、と思わせる月次レポート。これも極めて少ないのですが、実在していると思います。

「愛」というのはちょっと大きすぎるかもしれませんが、長くお付き合いするのなら「心遣い」は必要でしょう。それが感じられるか、月次レポートの中身、どれだけ遡れるか、で確かめることが出来ると思います。

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