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#合本主義 と #アクティブファンド

渋沢栄一には、よく「日本資本主義の父」という枕詞(まくらことば)が使われます。「渋沢の功績を分かりやすく伝えるキャッチフレーズですが、実は彼自身は『資本主義』という言葉を一回も使ったことがありません」と指摘するのは、作家で中国古典研究家の守屋 淳(もりや・あつし)さん。
渋沢栄一は、一般に「近代日本資本主義の父」と呼ばれますが、渋沢自身は、自らの思想や行動について語るとき、資本主義という言葉を用いていません。合本法、合本組織をいう用語を使い、事業を進める最適の方法と考えました。

資本主義ではなく #合本主義  

#青天を衝け  を楽しみに視聴しているせいもありますが、「資本主義ではなく合本主義」、分かる気がします。

資本とは元手であり、事業のリスクを取るお金。資本主義という言葉にはそのお金こそが何より大事だという思想を感じます。まずは「カネ」。「カネ」が無けりゃ始まらない、って感じです。

合本主義。「カネ」が不要というわけではありませんが、それだけじゃ価値は創造し得ない。様々な知恵や創意工夫、「人」の営みや想いが加わらないと何も起きやしない、って感じ。「人」の働きが加わることで相対的に少ない「カネ」しかなくても、その想いがチームの力、創造性を増幅させたり、あるいは、「カネ」を適切に使う配分を促したりして、想像を超えた価値を創り出すことがあるはずです。

価値は創り出す、産み出すには「カネ」だけではどうにもならない。徐々に、そして、スピードを上げて、そんな社会、事業環境になってきているのではないでしょうか。人やチーム、その想い、プロセス。それらが価値創造での違いを生む。実際のところ、これは大昔からそうだったのかもしれない、とも思います。

何が言いたいか、というと、「それは一体なんなのか」とあらためて考えてみることの大切さです。「資本主義ってなんなのか」という問い。それが #青天を衝け  から投げかけられているように感じます。その答えのなかに「人」という要素があるのは間違いない、そう思います。


”アクティブファンドって、一体なんなのか”

これまで何度も考えたことがあるのですが、あらためて考えてみたくなりました。

ググったら最初に出てきたのがこの説明でした。

運用会社やファンドマネジャーが独自の見通しや投資判断に基づいて、ベンチマーク以上の収益を目指すファンドのこと。

ベンチマーク以上の収益を目指す” という表現は他の場所でも数多くの場所で見られます。

でも、実際には違うと思っています。株価指数等機械的に算出される数値に追随、連動を目指すのが、インデックスファンド・パッシブファンドです。アクティブファンドとは、それ以外のもの。機械的に算出される数値への追随、連動を目指さないファンド、これがアクティブファンドです。

ベンチマーク(株価指数等)より良い成績のアクティブファンドを「事前に」見つけることは不可能。

よく目にするコメントですね。僕も不可能だと思います。なぜ事前に見つけることは不可能なのか。それは株価指数がどんな成績を残すか、それも「事前に」知ることはできないから、でしょう。

目標とする値が事前に分からないわけですから、それに勝とうとすることは非常に困難なことです。見えない敵と戦うようなものです。

ベンチマークに勝とうとしているファンドは、ポートフォリオをベンチマークに似せつつ、マイナーチェンジを加えることで超過収益を狙う、そういう行動になりがちです。いわゆる「なんちゃってアクティブファンド」。こうなると、機械的に算出される数値への追随、追尾を織り込んでいるとさえ言えます。「人」の影が薄くならざるを得ません。

事前にどんな数値になるか全く分からない存在(=ベンチマーク)を念頭に置いてそれを上回ろうとする=アクティブファンド という捉え方がそもそもおかしくないか、と思っちゃうわけです。その種の捉え方は「人」の営み、働きに制約を加えるだけ、と。

アクティブファンドとは、多くの人で構成された「市場」ではなく、特定の「人」の働きや想いにベットするもの。

こんな風に捉えてみては如何でしょうか。

「ベンチマークを上回る」これを掲げているファンドは、その「人」の働きや想いに、ベンチマークで制限されたり、制約を受けたりする。

アクティブファンドできちんと見るべきは、そのリザルトではなくプロセスなんだと思います。そのプロセスをどんな「人」が関わっているのか、どんな関わり方でそのポートフォリオがつくられているのか。

特定の「人」の働きで運営されていると、そのポートフォリオの市場での評価(株価、ファンドの基準価額)は、ベンチマーク、株価指数と離れていく可能性が高まります。上回ることもあれば下回ることだってあります。中身が違うわけですから当然です。ですから、アクティブファンドがベンチマークにいつもいつも勝ち続けるなんてことも当然ありません。

市場平均を上回るリターンを。そんな期待のもとにアクティブファンドを選ぶのは避けるべきなのだろう、と感じます。

「人」の働き、想いがどこにあるのか見ようとする、探る。それが投資において最も大事なこと。最近、あらためて感じていることです。

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