CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋 (著・徳成旨亮さん)
朝倉祐介さんのツイートです。本の紹介をされていたツイートを読んでいくと
「北村慶」さんというお名前ですぐに!!!となりました。
このツイートで紹介されていた『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』。僕も読みました。その当時のブログ記事です。
記事の日付は2006年6月4日になっていますから、ちょうど17年前です。
巻末の【著者略歴】はこう書かれていました。
この大手グローバル金融機関こそ三菱UFJフィナンシャルグループだったと朝倉さんのツイートで初めて知りました。‼️でした。2年ほど前、北村さんご本人からブログにコメントを頂戴したこともありました(こちら)。
『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』には大きな影響を受けました。
当時の僕は、投資信託をベースにした資産形成(毎月積立投資)に取り組み始めて3年くらい。この本を読んで「パッシブ運用」への信頼を深めたことをよく憶えています。
僕自身の投資行動に大きな影響を与えた北村さん。その北村さんが三菱UFJフィナンシャルグループさんのCFO、ニコンさんのCFOという経歴を持つ、徳成旨亮さん。その徳成さんの著書ということで急いで #CFO思考 を読んでみました。
アニマルスピリッツ 「実現したいことに対する非合理的なまでの期待と熱意」
この本で繰り返し、繰り返し出てくる最大のキーワードがアニマルスピリッツです。ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』の引用されています。
その理由はリスクを取らなさすぎ(リスク回避、忌避的)だからだ、このままじゃそれが大きく変わらないぞ。
僕が乱暴にまとめた、この本の主張です。この指摘は今年初めに聴講した森岡さんの主張とも合致しています。
ディサイシブ(果断な)リスクテイクのためには、綿密な準備はもちろんですが、それに加えて「実現したいことに対する非合理的なまでの期待と熱意」が必要だ、と、本の中でモルガン・スタンレーの事案で具体的に示されていました。
アニマルスピリッツというと、つい肉食獣を勝手に思いこして「貪欲」というか「強欲」をイメージしてしまった(僕だけですか?)のですが、別に草食動物でもいいんですよね、大事なことは「実現したいこと」が何か、そこに非合理的なまでの期待と熱意を注ぎ込めるか、です。この点を勘違いしてはいけないな、と思いました。
日銀が日本企業の最大株主という異常事態
という節が ”第4章 「CFO思考」で日本経済に成長を”にあります。他にも、日本の機関投資家についてもコメントされています。
国内の資本がパッシブ運用に大きく割り当てられてしまっていること、って大丈夫か?と僕も常々感じています。
ふと僕が抱いた疑問。それは個人の資産運用は「パッシブ」中心で良いんだ、という17年前『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』でのスタンス、徳成さんは変わっていなのかな?と。
本の”第2章 CFOはどういう仕事をしているのか”で、朝倉祐介さんが説かれた「PL脳」「BS脳」が紹介されています。僕のみの個人的な感触、感想ですが、自分のポートフォリオをパッシブ運用で固めていると、ドンドンと「PL脳」化が進んでいったように思います。今日の時価はナンボ、評価益(評価損)はいくらくらい、フィーはどやろか。完全に「PL脳」です。
自分自身の追加投資を「アクティブ投資」のみに切り替えて、徐々に「BS脳」に転換できるようになったという実感があります。
アニマルスピリッツの話に戻ると、「実現したいことに対する非合理的なまでの期待と熱意」なわけで、実現したいこと=「資産をとにかく1円でも多く増やすこと」であればパッシブ運用を選択するということになるんですかねー。
うまくまとめきれないのですが。本を読んで感じたのは、株式へのアクティブ投資でも「CFO思考」を育てることができるのではないか(パッシブ運用じゃ無理)、ということです。
たとえば、この指摘です。
自分自身のポートフォリオを眺めていて「この資産はなんで保有している、保有を続けているんだろう」と感じられるものがあるんですよね。その資産は「実現したいこと」を実現してくれているとは言い難いのに。処分、EXITのプランを持たなきゃな、と感じました。取るべき、取りたいリスクを取るために。
”何もしないこと”が勝利への近道 ???
『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』をパッと開くと、224頁が出てきました。”何もしないこと”が大切と説かれています。おそらくこれは企業、事業家がしっかりとアニマルスピリッツを発揮してリスクを取りにいくことが前提になっているんですよね。
17年前には、こうも書かれていました。
果断なリスクテイク、アニマルスピリッツの発揮が増えなければ、ますます減衰していけば”何もしないこと”は勝利にはほど遠いのではないか、と僕は思います。
”CFO”とはどんな職責を担っているのか、どんな思考が求められるのか、が具体的なケースを用いて説明されています。PL脳に染まっていない若い人にとって大きな学び、刺激になるのではないでしょうか。
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