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最近、パンクに手招きされているのかな

まず「調べる」ことから始める。そして調べた9割を棄て、残った1割を書いた中の1割にやっと「筆者はこう思う」と書く。

田中 泰延. 読みたいことを、書けばいい。 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.948-949). Kindle 版.

とあるきっかけがあり、読んでみました、この本。

細々とではありますが、長く情報発信してきました。しかし、この種の本を読むことって今までありませんでした。思ったことを、感じたことを、結構、そのまま書いてきました。

「とあるきっかけ」とは、こちらです。

ここに並べられた本の数々を見て、「どれか一冊」と思った中から、あまり考えることなく選んだ一冊です。タイトル、著者の田中泰延さんのお名前、頭の片隅に記憶に残っていたから、だと思います。

本を読み始めて間も無くに出会ったのが、最初に引用した箇所です。

ちょっとレベルが違うけど、自分の発信にも通じるところがあるな、って思いました。

「書く」ために、出来る限り「調べる」。田中さんの場合は”出来る限り”というより”徹底的”なんでしょうけれど。

本の中でいくつも田中さんのWeb上にある文章が紹介されています。それらの田中さんの文章の中には、徹底的に調べまくったことが感じられました。

私自身、調べ抜いたとまでは行かずとも、「調べた」ことをベースに発信してきたかな、って感じました。調べたこと、そこからちょっぴりexcelで加工したこと、そういうことを基にして多くの発信をしてきたと自分では感じています。田中さんとの決定的な違いは、どれくらい調べ込んだか、というところなんだろう、とも思いました。

「調べる」について、こんなことも書かれていました。

一次資料に当たらなければ話にならないのである。

田中 泰延. 読みたいことを、書けばいい。 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.968-969). Kindle 版.

「一次資料」に当たることの大切さを強調されていました。これは本当にその通り!って思います、特に、私の発信のメインテーマ「投資信託」にあっては。データの量、種類が色々とあるせいか、マスメディア等の皆さんが調べた結果が、結構な頻度で発信されています。

アクティブファンドの8割はインデックスファンドに勝てない

これなんてその典型だと思うんです。この種の調べられた結果が記事になると、ほとんどの人は「(あの人たちが調べたんだから)正しい」という風に考えがち、で、それをさらにブログとかツイートとかして拡散しがちだと感じるのです。どういう調べ方をしたのか、とか、をあらためて「調べ」た人って、まず見かけません。私も「そうかもしれないね」とは感じてしまっているので、この件をわざわざ調べようとは思わないのですけれど。そう、別に調べたいと思わないんです。

つまり、この本のタイトル、主張と絡めると、”アクティブファンドの8割はインデックスファンドに勝てない” は、私の「読みたい」話ではない、ということですね。うん、別に9割勝ててなくても構わないのです。そんなん、別にどうでもええねん。

私が「読みたい」「調べたい」のは、面白い、ユニークなアクティブファンドです。投資先を選び出す自分たちの独自性がどこにあるか、それをしっかりと伝えようとしているか。それを私は知りたいし、「調べたい」し、「読みたい」んです。

面白い、ユニークなアクティブファンドを見つけたら、次に見比べることをイメージしています。次に見比べる際には、前回はどんなことを「調べ」たかを知りたい、「読みたい」って考えています。そう考えると、その調べたその時に感じたこと、気づいたことも書き残しておいた方が良いはずだ、そう思いました。それが後になって「読みたい」ことのはずですから。

自分が読みたくて、自分のために調べる。それを書き記すことが人生をおもしろくしてくれるし、自分の思い込みから解放してくれる。

田中 泰延. 読みたいことを、書けばいい。 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1506-1507). Kindle 版.

思い込みから解放されるほどに、徹底的に調べることが出来るか、私には自信がありません。時には、思い込みを深めることもあるんじゃないか、って。

でも、人生のあるタイミングでの自分の好奇心が指し示すままに「調べ」て「感じ」たことをこれからも書こう、発信していけば、おもしろいだろう、ということについては、全くその通りや、って思いました。

楽しい読書体験になりました!


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田中さんのお書きになった文章として紹介されていた一つです。

ここで挙げられていたバンド。私も最初にテレビで見た(確か、夜更かししていて深夜によく知らないバンドのプロモーションビデオが続けて放送されている番組だったと記憶します)際に、なんや!この人たち!、と唖然とした記憶が残っています。その記憶が田中さんの文章を読んで蘇りました。

先日来、何度も記事にしているこの本。

この本にも「パンク」が底流に流れていましたが、田中さんのこの本にも「パンク」を感じました。最近、パンクに手招きされているような気がしました。

一次資料を調べだすことが出来ませんでしたが、パンクの基本精神は

Do it yourself

Anyone can do it

とのことです。

これからも出来る限り、時にはより力を入れて、自分で調べて、自分の好奇心が指し示してくれた発見や気づき、感想を発信していこう、と思いました。

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