分散と集中のあいだ

まず最初に。
この記事は「正しい」とか「間違っている」とか、そういうお話ではありません。「スキ」か「キライ」か、というお話、「好み」のお話です。
そこんとこお間違えの無いよう、よろしくお願いします。

投資家、ろくすけさんの記事です。

ろくすけさんのポートフォリオから感じるのは「厳選」「集中」です。ろくすけさんのポートフォリオは以下の記事で示されています。

ろくすけさんの1つ目の記事を拝見して、ちょっぴり驚いたことがありました。

分散から集中へと意識を変えてきた最終段階として、つみたてNISAの「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」からの換金をしようかと思案中です。

ろくすけさん、インデックスファンドを保有されていたんだ!と。

記事でも述べられていますがろくすけさんの株式投資のスタートはインデックスファンドだったそうです(この辺りについては こちら もご覧になってみてください)。

インデックスファンドといえば、ザ「分散」、「分散型資産」です。その「分散型資産」の解約を検討されている、と。


16年保有のバランスファンドを全て解約した話

今年に入って、僕も「分散型資産」の解約を行ないました。今月、その資産を全て解約し終えました。解約した「分散型資産」はバランスファンドです。国内外の株式、債券を保有する所謂”国際分散投資”のファンド。

2007年から10年ほど毎月追加でそのファンドを買い増してきました。2017年に追加投資を取りやめましたが、今年までずっと保有を続けてきました。ポートフォリオの15〜20%を占める時期が長く続きました。2022年12月末の時点では1割強のウエイトになっていました。

率直なところ、もっと早く解約したかったのですが、税金がイヤだなあ、という理由で先送りにしていました。早く解約したかった理由、債券を保有することにはまったく魅力を感じていなかったことが一つ。また、このファンドは株式、債券ともにインデックス運用されていましたので、それも早く解約したい理由でした。

このファンドに投資を始めた頃の僕は、資産分散が大事だ、と考えていました。異なる値動きが見込める資産を持つことで、リスクを抑えて好リターンを目指す、「分散」の考え方がスキでした。

今にして思うと、分散投資は過去の値動き、つまり「価格」に注目、依拠した考え方ですね。「価値」は一切見ていない。

この種の「分散型資産」は急な出費、現金化の可能性がある場合には、必要な考え方だと思います。たとえば、保険、そして、年金とか。

ただ、この種の資産分散が意味を持つのは異なる値動きをすればこそ、です。そこで以下の4つのファンドの過去の値動き、価格のデータを拾ってみました。

ウエルスアドバイザーさん、ありがとうございます。

日本株式と他の3つの資産との直近60ヶ月の相関係数の推移をグラフにしてみました。

日本株式と外国株式は長い期間、強めの正の相関となっています。外国債券との性の相関は足元弱くなってきています。

債券を調べたのは「おまけ」です。というのも、僕自身、今、債券に投資したいとは全然思っていないので。

多くの人が感じられていると思いますが、もはや日本株式と外国株式を別のアセットクラスとして捉えるのは時代遅れなんだろう、って思っています。

”国際分散投資”も、ピンと来なくなりました

スキだった「分散」から心が離れ始めた

「分散」から心が離れ始めたのは、保有中の投資信託、特に「企業価値を探究してくれている!」と感じる投資信託、その中に組み入れられている会社のことを自分でも調べるようになり始めたからです。

投資先の会社について、熱心に丁寧に説明された月次レポートを参考に、自分でもその会社を調べてみる。その会社が創っている、実現を目指している「価値」に触れ、気づかされました。その「価値」こそが投資の果実の源泉なんだ、と。

ESG投資で激変! 2030年会社員の未来(著・市川祐子さん)』で、市川さんは株主のことを”陸で待つ船主”と表現されています。船が会社に当たります。船がどこでどんな活動をしてくるか、が船主のリターンを決めます。

「分散」が行き過ぎる。つまり、それは船が多すぎる、ということでしょう。となると、それぞれの船が「どこでどんな活動をしてくるのか」は把握できなくなってしまいます。それでもそこそこリターンがあればそれでいい、という考えもできそうです。ただ、そうなると、もうリターンしか見えなくなる。「どこでどんな活動をしてくるのか」には関心を向けない。

結果、リターンだけをヨソと比較したり、コストに目を光らせたり、そんな方向に向かってしまう。

株式投資の果実の源泉は、投資している会社が未来で「どんな価値をつくるか」、「どこでどんな活動をしてくるか」です。これは、インデックスファンドでも同じはずです。本当に大事なことは「今、ナンボ」(時価)、ここまでどれだけ儲かっている損している(パフォーマンス)ではない。その会社が将来、未来にどんな価値を創造、実現できるか、が本当に大事なことだと考えるようになりました。

「集中」とは数を減らす、絞り込むことなのか

「分散」から離れて「集中」に意識を向け始めていますが、まだまだこれからですし、ろくすけさんと比べてみると、まだ圧倒的に「分散」の近くにいるのが実情です。ぼちぼち「集中」の方に進めればいいかな、と思っています。

「集中」について感じていること。それは、単に数を減らすことではない、ってことです。船の数が多すぎて「どこでどんな活動をしてくるか」が分からなくなる、意識、関心を向けられなくなるのが「分散」の一番ダメなところだと思っています。

ですから、最も大事なことは、しっかりと選んでちゃんと見守る。

バイアンドメンテナンス」です。

「集中」に向けて進んでいくにあたって「バイアンドメンテナンス」をしっかりとやっていかなきゃ、と感じています。

バランスファンドの解約金を元手に取得した資産

16年保有したバランスファンド。当初は1年かけて、4回くらいに分けて解約していくつもりでした。2月に一度解約してそのオペレーションを実行。5月に2回目を終えてもうさっさと始末しちゃおう、と考えて7月には全て解約を終えました。スッキリしました笑

解約した資金で取得した資産。毎月、毎月、追加で買い付けている投資信託の中から特にお気に入りの投資信託を取得しました。

また、7月のオペレーションでは、投資信託だけではなく個別企業の株式も取得しました。

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