株式投資歴20年経った、現在の”資産”の「メンテナンス」を述べてみる
10年、それ以上前かもしれません、長い長い経験を積まれた投資家(ファンドマネジャー)Yさんから教わった言葉です。
この言葉の後、Yさんはご自身が注目されている会社の経営者のお話を聞かせてくださいました。その経営者とは日立製作所の川村隆さんだったと記憶しています。
当時の僕は、このYさんのお話こそが「メンテナンス」だということを認識できていませんでした。
もう15年以上、ブログ等で毎月の資産の状況についてアップデートしています。最新の記事はこちらです。
こんなグラフを毎月更新しています。
これも一種の「メンテナンス」だとは思います。
時価を毎月チェックする「メンテナンス」の重要性?
↑のグラフは当然のことながら保有資産のその時点の時価を参照してつくっています。(日本)円で認識しています。
僕の保有している資産は市場が開いていれば毎日価格が示されます。ですから円換算することが可能なので単位は円で認識しています。
でも、です。僕が保有している資産は、実は現金ではありません。株式であったり投資信託の受益権です。実際の単位は円ではなく、株数であり口数です。
その日時点での株価(基準価額)に株数(口数)を掛けて、単位を円にして認識しています。
これも現状認識という「メンテナンス」の一つではあります。しかし、ここで算出された円建て評価は、今現金に換えたらいくらになるのか、という数値でしかありません。近くまとまった現金支出が見込まれているのであれば非常に重要な数値になる可能性がありますが、差し迫った換金の可能性が無ければ、もしかしたらあまり意味が無いかもしれない・・・かもしれない。
日経平均10万円?とかの話
日経平均が10万円になる?、とか、5万円になる?とかの話を時々目にします。最近、日本の会社への評価がちょっと回復してきてこの種の話が増えているようにも感じます。
この種の話題に違和感ありませんか。たとえば何かの拍子にググッと株価が騰って日経平均が10万円になったとします、仮に。で、その1ヶ月後には9万円になって、半年後には5万円になっていたらどうでしょうか。一度日経平均が10万円になっても意味ないじゃん、って僕は思います。
10万円に達したら、その先、時間とともに11万円、12万円になるか。つまり、それだけ、日経平均を構成している会社が価値を創り続けられるか、が大事でしょう。
何が言いたいか、というとこれらは「価格」の話であり、「円」の話だということです。「価値」や「株数(口数)」の話ではない。
資産の「メンテナンス」で大事なこと
繰り返しますね。
今現金に換えたらいくらになるのか、という数値でしかありません。近くまとまった現金支出が見込まれているのであれば非常に重要な数値になる可能性がありますが、差し迫った換金の可能性が無ければ、もしかしたらあまり意味が無いかもしれない
「今換金するといくらになるのか、何円なのか」それってどこまで大事だろうか、というのが問いになります。保有している資産を現金化するタイミングが、たとえば5年後、10年後、20年後だとしたら、大事なことは「今、何円なのか」ではない、そう思いませんか。
大事なのは2つでしょう。
一つは、自分が保有している資産の中身。その資産が5年後、10年後、20年後と時間とともに価値を増大していけるか、です。
そしてもう一つは、時間とともに価値増大が期待できる資産の株数や口数を追加投資で着実に増やせていけるか、です。
過去、現在ではなく未来。
「メンテナンス」の対象は、資産の中身になるでしょう。自分の保有している資産。株式であれば、その株式を発行している会社の事業。投資信託であれば、その投資先、つまりこちらも結局、会社の事業になります。これらを可能な限り、定期的に確認することが「メンテナンス」です。
自分の資産の「メンテナンス」で大事なことは、投資先として関わっている会社の事業をよく確認することだ、と考えるようになると、一つの仮説に至ります。
分散し過ぎる投資はアカン、違う。
自分の保有している資産が沢山あればその数が多いほど、時間とともに価値を増大していくか、メンテナンスすることが非常に困難になるだろう、と。
こんな考えが深まってきたこともあり、投資先の数をある程度絞り込んで、じっくりと長期で保有する哲学、ポリシーを持っている投資信託へのウエイトを高めていく傾向がさらに強くなりました。
”10年で2倍”を実現するROEは?
事業の内容、現状への理解を深めると同時に、当然、財務的な指標も「メンテナンス」の対象になります。僕自身は様々な指標に注目していますが、なかでも大事なのはROEでしょう。
株式を取得するということは、バランスシートの株主資本の(ごくごく)一部を買うということになります。ですから、株主資本に対してどれだけ利益を創出しているかの指標であるROEの推移は見逃せない。
10年で2倍をイメージすると、年率で7〜8%となります。ですからROEがコンスタントにこの水準を(ROEを釣り上げるための策を講じることなく)維持できる会社をPBR 1.0倍で取得できれば、10年後のPBRが依然1.0倍でも10年で2倍が達成できる可能性が高くなります。
どんな評価で取得できるか、で”10年で2倍”のためのROEは変わってくるので、あまりに高い評価で取得してしまうと、”10年で2倍”の可能性は小さくなってしまいますね。
以上、自分の資産の「メンテナンス」について考えていることを書いてみました。
過去につくった参考記事です。覗いてみて下さい。
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