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一般論はもういいので、私の老後のお金 「答え」をください! 増補改訂版(著・井戸美枝さん)

こちらの本を頂きました。

実は、2年前に出版された最初の版も頂きまして感想を残しています。

全体の構成に変更はありません。制度に関する情報のアップデート。
追加された箇所で「へぇ、そうなのか」と興味深く眺めたのが

Chapter 4 iDeCo と つみたてNISAで「じぶん年金」の188ページ以降です。


老後資金のリアルな運用成績、公開

というパートが設けられました。このパートでは6人の方の iDeCo と つみたてNISA等を使った資産運用、形成について実例、具体的な商品名が紹介されています。

Case-1 公務員 42歳 ひとり暮らし
Case-2 メーカー・事務 46歳 ひとり暮らし
Case-3 メーカー・人事 30歳 夫と2人暮らし
Case-4 栄養士 38歳 実家暮らし
Case-5 小売・事務 47歳 夫と子ども1人の3人暮らし
Case-6 IT・専門職 25歳 ひとり暮らし

全員女性です。それぞれの方の収入、また、どのくらい毎月資産形成に割り当てられているか、それが今、どんな時価なのか。どんな情報を基にして商品を選んだか、等が具体的に書かれています。

保有されている投資信託の固有名詞も全て具体的に書かれています。
ちなみに、アクティブファンドはありませんでした!ゼロでした!

161ページには、株式のみのファンドが4本紹介されています。2年前の版では4つ目にアクティブファンドが紛れていた?のですが、今回は4本目もしっかりインデックスファンドになっていました。

この本の最大の特徴は、とにかく具体的、実際の事例はどうなの?というところです。さまざまなケースで年金はどのくらいになるのか、を知るための情報が載せられています。

Chapter 5 年金は増やせる! 受け取り方&働き方

このChapterはあらためて参考になりました。

2年前の版 212頁:

受給開始 65歳→70歳で 年金受給額は約1.4倍に!

となっていたのですが、今回版 220頁:

受給開始 65歳→75歳で 年金受給額は184%に!

と変更されています。

これを見て感じたこと。健康づくりが大事だ!。
心身ともに健康でないと、受給開始を遅らせるって難しいだろうな、と。

前の版と同じく、最後のChapterは権丈先生との対談。

もう一回、この箇所に深く頷きました。

高齢者と現役世代の割合が「胴上げ型」か「肩車型」かと、社会の豊かさには関係がないのです。
(略)
問題は、高齢者と現役世代の比率ではなくて、経済成長率でしょうね。

人口問題は取り組むべき非常に大きな課題ですが、仮に有効な解決策が講じられたとしても結果が出るまで途方もない時間を要します。ですから、はたらく人たちが少なくなる中で、どう上手く価値を創造、実現、提供することができるか、がとても大切になってくるものと思います。つくりだした富をどのように有効活用、的確な配分を行えるか、それを担うのがキャピタルアロケーションだと考えています。

上記の事例では、インデックスファンドがたくさん紹介されていましたが、インデックスファンドに投資することって、以下のようなキャピタルアロケーションを実行しているんだという認識は持ってもらえたらなあ、と思います。

誤解していただきたくないのですが、インデックスファンドへの投資を否定しているわけではありません。
投じたお金がどんな事業の関係者になっているのか、そうした点に、ほんのちょっぴりでも関心を持った方がいいんじゃないかしら、というお節介です。
その投資行動、判断が、どんな未来をつくるかに関わっているんで。
そのことは頭の隅っこにでも置いておいてほしい、って。それだけです。

話がそれましたね。

この本で、自分自身の老後のお金はどうなるのか、確かめてみてください。

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