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「水とともに生きる」ノルウェー

ノルウェーといえば、とりわけその雄大な自然が取り沙汰されることが多いです。フィヨルドの国なのでね。

いま、どんな景色が頭に浮かんでいますか?

まさか「緑」じゃないですか?

僕が住んでいたスタヴァンゲル近郊には世界的観光名所プレーケストーレンがあり、死ぬまでに行きたい絶景と称されるほど。

オッダという地に行けば、まさに絶壁といえるトロルの舌がある。ライオンキングのプライド・ランドで儀式が行われる突き出た岩のような感じ。

北に行けばトロムソという町があってオーロラ観測で有名。ロフォーテン諸島は夏も冬もその雄大な緑が心を癒してくれます(行ったことはまだない)。

そのもっと北へいけば、スヴァールバル諸島もいう島々があり、ここは「世界最北」が枕詞に付く場所が沢山あります。

ふむふむ、やっぱ「ノルウェー=自然」っていう図式は正しそう。

が、ちょっと待った!

たしかにこれは正しいと思うのですが、このイメージには「緑」や「岩」のイメージが付き纏っているのでは?と思うようになりました。

今日街歩きをしているとき、ふと思ったこと。

「ノルウェーって噴水が多いな⛲️」

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緑の異常な多さに影を潜めている噴水。いわば、「水」というものが脇役になっているのではと思えてきたのです。

プレーケストーレンの写真も見ても、トロルの舌の絶景を見ても、ロフォーテンもトロムソも、その所々に「水」の存在があっても、大抵主役の引き立て役だなぁと思いました。

が、よくよく考えてみると、ノルウェー人の生活で「水とともに生きる」というシーンをよく見かけます。

例えば、まさに現在進行形の真夏の港。みんな水着を着て、港に集結します。「みんな」というのは決して過大表現ではなく、ほんと老若男女みんなが海で遊んでいるのです。中には、何度も飛び込んでいるので人も少なくありません。

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考えてみれば、都市部オスロの湾岸部で泳げるってその水質の高さを示すものだと思います。東京湾で泳ぐのはちょいと危険。

例えば、コーヒーはどうでしょうか。北欧のコーヒーと聞くとフィンランドが想起されるように思いますが、いやいやノルウェーも負けてない。

コーヒー豆(主役)が大切なのは当たり前ですが、それは"美味しい"水という大大大前提があってのことです。

飛行機に乗ってまで飲みに行きたいコーヒー、とまで称されたFuglenは首都オスロにお店を構えます(東京渋谷、浅草に店舗あり)。世界一のバリスタに輝いたカフェ(Tim Wendelboe)もある。

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日本ではもはや当たり前に飲める水道水。ノルウェーでもほとんどのケースで飲めます。一応、国交省が公式に発表している報告では「水道水が飲める国」にノルウェーは入っていません。

(※世界15カ国がその国で、北欧ではアイスランド🇮🇸、フィンランド🇫🇮、スウェーデン🇸🇪がそこに入ってます)

また、ノルウェーの公衆衛生省FHIもどこでも完全に飲めると公言してない。

(そして、アイスランドの水は世界一綺麗で美味しいと言われているのは本当だと思う)

こんな感じで毎日の生活の中において、「水」の存在が大きいことに気付きます。

そんなこんなで、冒頭の「噴水」。公園や広場、所々に噴水があります。いま僕がざっとオスロの町を思い浮かべただけで7.8箇所くらいパッと頭に浮かびました。

国立劇場前の広場、ヴィーゲラン公園、王宮広場、なんでもない通りのちょっとした広場、などなど。

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やっぱり空に向かって弾ける水を見ていると、涼しく感じられるし、どこか安らぎを与えてくれます。普段あまり考えないようなことですが、「水」は飲まずともそばにあるだけで大切な存在なのですね。

そもそも体内の6割以上は水で出来ていると言われるほどなので、ごくごく当たり前のことですが、「水」の有り難みを忘れかけています。

「水とともに生きる」

とある日系企業の社是ですが、これはノルウェーでも体現されているなぁと思います。

噴水から考えたノルウェーでの「水」の重要性についてお送りました!

今週土曜日のオンラインイベント「ノルウェーが教えてくれたこと」これまで1年間嗅覚を研ぎ澄ませて見たきたノルウェーの姿をお伝えします。これから社会を作る上でノルウェーから何を学べるのかを考えます。

どうかご参加下さい。よろしくお願いします!


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そういえば、先日の誕生日はとあるホテルで過ごしました。どうしてもバスタブに浸かりたくてのことなのですが、柄にもなく用意されていたバスソルトをガバガバいれて、長いことお湯に浸っていたら、失神しかけました。

きっと浸透圧の関係で脱水症状になったんだと思います。

潮の前では、人もナメクジも同じなんだと学んだ25歳1日目でした。

いただいたサポートで、心の栄養を蓄えようと思います。よかったらサポートお願いしますo(^▽^)o