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【GDPはどこまで通用するのか?】

なんだかんだ保守的な人間なので、カルボナーラは生クリームを使わず伝統的なローマの味をしっかり守る、松木蓮です。


経済学部卒でもないですが格好つけて経済のことを書いてみます。

国の経済規模の大きさを表すのに、GDP(国内総生産)という指標が使われていて、現在日本は世界3位の経済規模を有する国です。中学3年生の時に、中国にGDPを抜かれる瀬戸際だったのを思い出します。

これを総人口で割った時、一人当たりのGDPになり、これになった瞬間に北欧諸国がグイッと上位に食い込んできます。特にオイルマネーが潤沢にあるノルウェーは北欧諸国でも頭一つ抜きんでています。たぶん世界で5本の指に入るくらいだと思います。

いわば豊かさの指標として取り沙汰されることの多いGDP。事実、世界幸福度ランキングの6つの指標の一つに一人当たりのGDPが入っています。そんなGDPという指標がどこまで通用するのか、というのが今回の内容です。

GDPは「お金」の動きを数値化したもの。自分の経済の知識を信用できないので、一応日本経済新聞社の説明を載せておきます。

”Gross Domestic Productの訳で、工場でモノが作られたり、私たちが買い物したりと、一定期間に国内で経済活動がどれだけ行われたかを計算して数値で表す。(日本経済新聞のとある記事より)”

つまるところ、GDPは貨幣経済においてのみ通用する指標ということになります。「お金」を介さないやりとりの場合は計上されないので。例えば、お隣さんに醤油を借りた時って「○○mlいくらね」にはならないですよね。

でも、こうしたお金を介さなくてもサービス・モノ・ヒトの動きが起きているのが今だと思います。

一つ例を挙げてみます。

昨今の情勢から出版社が書籍の無料公開をやっています。きっと沢山の人が有名漫画を貪るように読んでいることと思います。子供達も学習用の漫画(日本の歴史とか)を読んだりしているはず。かくいう僕もその1人で、先日のブログでも書いたように「ワンピース」を読んでいます(最近ペース落ちてる。たぶん期間中に読み終わらない。60巻はダテじゃない)。

漫画1巻500円だとすると、仮に僕がワンピース60巻全部を読んだら、本来であれば3万円を払わないといけない。でも、僕は今読むのに1円も払ってないです。

ほんとなら「お金」の動きが出るはずだけど、お金を介さずにモノの動きができています。これはGDPに換算されません。

(一応補足なのですが、この無料公開はあくまでも広告戦略として使われているだけであって、無料公開で読み始めたうちのn%が実際に買うという見立てです。ただ、無料公開で多くの人に内容をリーチできるという点においてはお金は生まれていないので、例としてあげました)←たぶんこういうことだと僕は思っています。

僕たちは無意識に「お金」を信用していて(これ自体ピンとこないかもしれない)、当たり前ですが「お金」という名の信用を使ってヒトやモノ、サービスを買っています。

東南アジアなんかでタクシーに乗るとき、安いことにびっくりすると思うのですが、日本でも同じ値段だったら安”すぎる”になって少し怖くなるはず。安全を求めて、少しお金を払ってでも安全な移動手段を選ぶはず。「安すぎる」には信用が生まれにくいから。

ということは、整理すると僕たちは「信用」を買うために「お金」を使っているということになる。それは相手(ヒト・モノ・サービス)のことを知らないから、信用できない。だから無理矢理にでもお金を使って信用に置き換えているということだと思います。

だとするならば、あらかじめ「信用」がある間柄ではお金は必要ない。こうした「お金」の中抜きが見えないところでウジャウジャ起きている。

友達にチャリを借りても一銭もかかんないけど、レンタル業者に借りたらかかるのと同じ。これはあくまでミクロな見方ですが、同じことがマクロで起きている。

ウェディングの前撮り写真を「友達」にお願いしたら?普段なら業者のプロのカメラマンに撮ってもらうとすると数万円のお金が動いて、それはその業者の売上、利益になる。そこには税金が課されるので、GDPにも含まれる。お金を払って友達に撮ってもらう場合であっても、あくまでもその2者間でしか「お金」のやりとりは可視化されず、もちろんそれはGDPにも含まれない。

「信用」のツールとしてクラウドファウンディングがありますが、これには税金がかかります。個人であれば所得税、企業であれば法人税。国は、このツールが広まれば広まるほど、国の管轄外で「経済」が回ってしまうので、税金を課しているのだと思います。というか、これが盛り上がれば盛り上がるほどたぶんGDPは下がるので国家として外向きによろしくない。

そんな感じで、GDPは必ずしも万能な指標ではなくなっています。数字のトリックに騙されないようにしなきゃとはつくづく思います。日本の感染者数とかね、、

とにもかくにも僕たち日本人は「お金」に対して歪んだ見方をしてしまう(他の国がどうか知らないけども、、)。もっとお金の勉強しよーっと。


追記)
GDP然り、幸福度ランキング然り、そろそろランキング付けにばっか固執するタテの文化は捨てよーゼ。ノルウェーが幸福度ランキング上位であることを知らないノルウェー人の方が多いーよー。

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