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洋服記録78_スカートの盲点

最近、ちょっとした手術を受けた。

決して大掛かりなものではないのだが、
これまで健康体そのものの人生を送ってきた身としては、
まさに初体験であった。

果たして、手術当日はどういった格好をすべきなのか。
行き帰りの服装もそうであるし、
そもそも施術を受ける時の服装すらわからない。

前日、慌てて医院からの書類を読み返すと、
「着替えやすいスカートでお越しください」とある。

なるほど、着替えるのか。
だが着替えやすさという観点でスカートを指定するのであれば、脱ぐのは下だけなのか?
上は私服のままなのだろうか?
どちらかと言えば上半身の施術なのに、下だけ脱ぐってどんな罰ゲームなんだろうか。

そして、さらに考える。

冬のスカートというのは、スカート単体にあらず。

私の場合、必ずタイツとセットで履くことになるのだが、
この、タイツ。
着脱はパンツを上回る厄介さである。

新品だったりしたら最悪。
伸縮性も弱いし自分のサイズにも馴染んでいないので、
引っ張り上げるにも、引っ張り下げるにも、かなりの力を要する。
この前ジムでトレーニング後に履こうとして、見事に右足が攣って死にそうになった。

そんな着脱難解なタイツを、
着替えやすい服装として捉えるにはかなりの無理がある。

ただ、あくまでも指定はスカート。
タイツなしでスカートを履くには寒すぎるし、
パンツで行ったら指示を無視した非常識人間と思われる。

散々悩んだ結果、
私はジャンパースカートとタイツという服装を選択した。

一応指示は満たしているし、
タイツという爆弾を抱えているとしても、
ジャンパースカートというアイテムで着脱しさすさをアピール。(誰に)

そして当日。
 
結論から言うと、
上下ともに私服のまま施術。
ただ、太ももに機材を付けるとかでタイツは脱ぐ必要あり。
加えて、金具がついているインナーも脱ぐ必要があった。

ジャンパースカートだった私がこの要求を満たすには、
一度すべての衣類を脱ぐ必要がある。
着脱しやすいどころか、
控室で見事にすっぽんぽんになる羽目になった。

おまけに、インナー問題発生。
ワイヤー入りのブラを取るのはまだ想定内だったが、
この日セットで着用していたショーツにも、運悪く金具が使われていた。

仕方なくショーツも脱ぎ、ジャンパースカートを上から着る。
タイツは着用できないので、THE・ノーパン。

その状態で一旦術前の説明を聞くも、
スース―する下半身が気になり、説明がまったく入ってこない。
術前の写真撮影時も、不思議と羞恥心がこみ上げる。

そして施術準備のための僅かな待ち時間。
私は意を決して、近くにいた看護師さんにそっと耳打ちした。
「あの・・・紙ショーツとかってありますか・・・?」

一瞬「?」となった看護師さんであったが、
嫌な顔せずすぐに紙ショーツを持ってきてくれた。
え、こいつ今までノーパンだったん?と思ったか思わなかったかはわからないが、
このおかげで私は手術に集中でき、そして無事に終了した。
まさに神ショーツ。

それにしても、損する白ジャージでもそうであったが、
事前の服装に関する指示事項というのは、細かく・正確に伝えるべきである。
 
今回の場合で言えば、
スカートを指定する理由は、「着替えやすさ」だけでは説明し切れていない。
太ももを露出させる必要がある、インナーを脱ぐ可能性がある、と言ってくれれば、
私はタイツの存在に頭を悩ませる必要はなかったし、
着替えやすさで連想したジャンパースカートも選択肢から真っ先に除外した。
そしてそもそも、金具付きの下着は着けていかなかったであろう。
 
術後の経過も良好。
費用対効果にも大満足しているが、
あの地獄のノーパンタイムだけは強く返還を要求する。

ジャンパースカートのコーディネート備忘録

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