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広報視点から見た生成AI元年の振り返り

どうも、かずちです!

2022年11月30日、ChatGPTが登場してから早1年。2023年は「生成AI元年」と称されるほど、生成AIが時代を席巻しました。私自身、この生成AIに夢中になっているのを感じています。子供の頃、サンタさんからもらったラジコンやゲームに熱中したあの頃を思い出すほどです。

実際に生成AI企業のPR支援に携わり、僕が尊敬しているお兄ちゃん的存在のAINOWの編集長のおざけんさんとの繋がりで多くのAI業界の方ともお話させていただきました。この経験を通じて、生成AIの可能性とその応用の幅広さを理解し始め、徐々に自信を持って活用できるようになりました。

記事でも取り上げてもらっています。

ただし、「情報が早すぎて追いつけない」「活用できていない」という方もいると思います。そんな方々に向けて、広報の視点から抑えておくべき生成AIに関する情報をまとめました。ここで紹介するのは、私が個人的に重要だと感じたポイントです。全てを網羅しているわけではありませんが、年末のインプットとして役立てていただければ幸いです。

この記事は #PRLTアドベントカレンダー2023 の4日目にエントリーしています。


そもそも生成AIが広報にとって重要な理由とは

業務の効率化

生成AIは、プレスリリースの草案作成、SNS投稿、Q&A作成など、多くの広報業務を効率化します。これにより、広報はより戦略的でクリエイティブな業務に集中する時間を増やすことができます。広報業務は多岐にわたるため、効率化は極めて重要です。私も1年間いろいろと試してきましたが、Q&A作成と企画の壁打ちはとても良かったです。

ちょっと古いですが、下記で活用方法についてまとめているので、ぜひご覧ください。

BIGトレンドになっている

広報として、常に最新のトレンドを追いかけることは重要です。生成AIは多くの企業で活用されており、この流れに乗り遅れることは大きな機会損失です。「ChatGPT×観光」、「ChatGPT×社内会議」、「ChatGPT×採用施策」など、様々な企画での応用が可能です。これは、コロナ時期に各社が始めた「オンライン●●」のサービスが話題になったのと同じ現象です。BIGトレンドはスピード×新規性が企画において重要になってくるので、トレンドの変遷を抑えつつ、いつでも企画にできる準備をしておきましょう。

コミュニケーション方法の変化

ChatGPTのようなツールを活用することで、実は、コミュニケーションの方法が変わりつつあります。生成AIは、即時性と利便性をもたらし、企業がリアルタイムで顧客と対話し、問い合わせに迅速に対応することを可能にしています。また、生成AIによるパーソナライズされた体験は、ターゲットに合わせたメッセージを提供し、消費者に深く響くコンテンツを作ることができます。さらに、AIによる分析を通じて、消費者の行動や傾向を把握し、それに基づいたコミュニケーションを展開することで、消費者との関係を深めることができます。

以上のように、生成AIはコミュニケーションの方法を根本から変え、新しい機会を創出しています。これらの変化を理解し、上手に活用することで、企業はより効果的な広報活動を展開することができるでしょう。そのためには、生成AIに関する最新情報を常にキャッチアップし、社内での活用ポイントを見極めることが重要です。過去1年間の主要な動向を振り返り、今後の広報戦略にどのように組み込むかを考えるために、次の章で紹介している企業や自治体の活用事例をぜひ参考にしてください。

活用事例

コカ・コーラ 生成AIを使った消費者参加型アート企画「Create Real Magic」

2023年3月、有名なビジュアルイメージに、ユーザーの独創性を追加して、アート作品をクリエイトできる人工知能(AI)プラットフォーム「Create Real Magic」を立ち上げげたことを発表。入選者の作品は、ニューヨークのタイムズスクエアとロンドンのピカデリーサーカスにあるコカ・コーラのデジタルビルボードで紹介されるので、クリエイター心くすぐられますね。

noteの徳力さんが解説していたので、詳しい内容を知りたい方はぜひ聴いてみてください。

ちなみにコカ・コーラは今年のクリスマスにも生成AIを活用しています。詳しくは下記ご覧ください。余談ですけど、赤い衣装に長い白ひげのサンタさんのイメージはコカ・コーラがCMで作り上げたと言われています。そう考えると、コミュニケーションっておもしろい職業ですね。

Gaudiy 全社員向け福利厚生にAIサービス

2023年3月17日、全社員向けに「ChatGPT Plus」と「GitHub Copilot」を福利厚生として導入したことを発表。この取り組みに続き、多くの企業が福利厚生サービスに生成AIツールを導入するための補助金を提供し始めました。さらに注目すべきは、この発表自体がChatGPTを活用して作成されたリリースであるという点です。この一連の流れは、広報の視点を随所に取り入れた戦略的なアプローチと言えます。(企業の意思決定スピードが段違いでした)

LayerX LLM Labsを開設

2023年4月4日、ChatGPTをはじめとした大規模言語モデル(LLM)関連技術を用いたイネーブリング・新規プロダクト開発、R&Dを行うLayerX LLM Labsを開設したことを発表。その後、メルカリやUbieなどもLLMの専門組織を作り始めました。現在では多くの企業が生成AIを組み込んだプロダクトを開発し、LLMの研究を行っています。まさに時代を先取ったPR事例です。

実は、LayerXはChatGPTが登場する前の2022年11月からLLMの事業部を立ち上げていました。まさに先見の明。

横須賀市 全国初の自治体で生成AI活用の実証を開始

2023年4月20日、横須賀市は全国の自治体で初となる全庁に試験的導入の開始を発表。6月5日まで実施し、期間中に約1900人の職員が利用したそうです。そのうち8割が業務の効率化を実感と言う結果に。

今では、横須賀市はnote社と連携して全国初の生成AI活用のためのポータルサイトを開設しています。自治体で生成AIが普及したのは間違いなくファーストペンギンの横須賀の功績だと思います。

神戸市 生成AI利用へ全国初の条例制定

2023年5月24日、神戸市はChatGPTなどの生成AIに関する利用指針を定めた条例改正案を賛成多数で可決したことを発表。生成AIに関数条例制定は全国初めてでした。徐々に自治体にも生成AI活用が浸透してきました。

東京都 生成AIを8月導入

2023年6月13日、東京都は生成AIを全ての部局の業務に8月から導入することを発表。ついにChatGPTは都までも動かしました。

伊藤園 日本初全国CMにAIタレントを採用

2023年9月の新商品のCMに全国初となるAIタレントを採用。CMは未来感を演出するために徐々に老いていくような構成になっています。実在のタレントの顔を、加工して老けさせるという演出では共感を得られないと考えて、AIタレントの採用を決意したそうです。新しいテクノロジーだから飛び乗るのではなくユーザー目線を忘れないことが重要ですね。

PARCO すべて生成AIで作成した広告を公開

2023年10月30日、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」の広告を公開。なんとその広告はすべて生成AIだけで作られたものでした。実際に撮影したかのようなリアルな肌質で、服やプレゼントボックスなどもグラフィックであることがわからず、生成AIのクオリティを感じさせました。

G7 生成AIの国際指針について合意

2023年12月1日に開催されたG7デジタル・技術相会合で生成AIの国際指針について合意したことを発表。包括ルールは今回まとめた国際指針と、10月末にG7首脳が合意した開発者の対策事例を示した行動規範の2本の柱で構成予定です。今まで以上に法整備やセキュリティ面の強化をしていく必要がありそう。

来年はどうなる?

来年、広報業界における生成AIの活用はさらなる進化を遂げることが予想されます。2023年が生成AIの元年として注目されたことから、2024年はこの技術の応用範囲が拡大し、より洗練された形で企業のコミュニケーション戦略に組み込まれるでしょう。

高度なパーソナライゼーションの実現

生成AIの進化により、ターゲットオーディエンスに合わせたより高度なパーソナライズされたコミュニケーションが可能になります。企業は消費者の好みや行動パターンをより深く理解し、それに基づいたメッセージを発信できるようになるでしょう。N=1に刺さるコミュニケーションが増えそうです。

リアルタイムコミュニケーションの強化

即時性を求める現代の消費者に対応するため、リアルタイムでの反応が可能なAIシステムの需要が高まると予想されます。これにより、顧客の問い合わせに対する即時反応や適応しやすいコミュニケーションが実現します。逆に言うとAIシステムが当たり前になると、対応が遅いだけでサービス失注なども増えてくるかもしれません。

クライシスマネジメントの強化

生成AIは、緊急時のコミュニケーションやクライシスマネジメントにおいても重要な役割を果たすでしょう。リアルタイムのデータ分析に基づいて、危機状況に迅速かつ適切に対応するための戦略を提案します。ここについてはまだ大きな動きはなさそうですが、間違いなく生成AIで危機管理の手法も変わってくると思うので期待したいです。SNS投稿する上で炎上リスクがわかるBot等があるといいのかもしれません。(GPTsで作ってみようかな)

創造的なコンテンツの生産

生成AIの進化により、広報はより創造的で斬新なコンテンツを生み出すことが可能になります。生成AIは新しいアイデアの提案や、既存のコンテンツを新しい形で再構築するサポートを提供します。これはよく言われていますが、今後は編集する力が問われだします。アイデアを出してもらってもそれを形にするのは人間なので、そこの能力がより大事になってきます。

倫理と透明性の重視

生成AIの利用が広がるにつれて、倫理的な使用と透明性の確保も重要な課題となります。企業はAIを使用する際の倫理的なガイドラインを確立し、その使用方法について消費者に対して透明性を保つ必要があります。おそらく来年くらいには生成AIに関する大きな情報流出のニュースが出るのではないでしょうか。ガイドラインを設けずに生成AIを企業で活用している人は今すぐにでもガイドラインを作って社内周知するべきです。ちなみに草案はChatGPTで簡単に作れます。

このように、来年は生成AIの技術がより洗練され、広報戦略の根幹に大きな影響を与える年となるでしょう。企業は、この変化をいかにして自社の戦略に組み込み、競争優位を確立していくかが重要な鍵となります。生成AIの進化は、広報業界に新たな機会と挑戦をもたらし、その活用方法によって大きな差が生まれることでしょう。

記事を通して最後に伝えたいこと

とりあえず皆さん、ChatGPTを有料課金してください。
課金してない方が使っているものと進化した現在のChatGPTは正直ガラケーとスマホくらい違います。絶対後悔しないので、課金しましょう!(今だと3,000円くらいです)

最近登場したGPTsというChatGPTでオリジナルのBotを作れるサービスでPR企画を考えてくれるGPTsを作りました。ここまで読んでいただいた方にプレゼントします🎁(暇があれば今後も広報に特化したGPTsを作成予定です)
URL:https://chat.openai.com/g/g-rj3ysHVmg-prbakanahou-bei-kun

本当の最後に

PRLTが一時的な活動休止と聞いて、とても淋しさを感じていますが、これまでコミュニティを支え、開催し続けてきた運営の皆様には心から感謝の気持ちでいっぱいです。

PR会社にいた頃から何度もお世話になったこのコミュニティは、僕にとって重要な場所でした。当日運営も積極的に参加して、少しでも一緒にこの素敵なコミュニティを作り上げている喜びを感じていました。特に岡さんには、前職でのサービスを通じて、大変お世話になり、深く感謝しています。

PRLTは、カジュアルでライト、そして温かいの三拍子が揃っている素敵なコミュニティです。広報の経験を気軽に共有できる場所は、おそらくここだけです。それくらい広報に寄り添って、知恵の輪を広げてくださったことに、何度もいいます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。お忙しいとは思いますが、最高のコミュニティが戻ってくるまで待ち続けますし、何かあれば何でもご協力します。本当に皆様、一旦お疲れ様でした! by PRLTのファンより

運営の皆様、本当にありがとうございました。
(おかさん、なゆさん、ほのかさん、かよさん、せきこさん、そらさん、絹元さん、奥田さん)


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