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挑戦の始まり

シンガポール挑戦記 -初めてのプロテスト-

2014年12月。大学4年の僕はシンガポールでプロテストを受けた。

2014年11月。以前から進路の相談をさせてもらっていた大学教授から、シンガポールでプロテストがある事を教えてもらった。

大学サッカーリーグの最終戦が11月15日。僕はそこで決勝点をあげ、チームも2部リーグ優勝と1部リーグ昇格の目標を達成し有終の美を飾った。
大学の友人達ははとっくに内定をもらい、進路が決まるなか、僕は就職のあてもなく、卒業後の進路について考えた。

シンガポールでプロテストを受ける

全く知らない土地で、どんなテストか、どんな生活かも知らず、ただその何枠かの外国人枠を勝ち取るために自分をアピールする。
不安があったかどうかはあまり覚えていないけれど、失うものは何もなかった。

サッカーを続けられるか、ここで終わるのか。

プロとしての資格があるのかどうか。

そんな事を自分に問うために僕は最高の準備をして、シンガポールに渡った。

現地でコーディネートをしてくれた方の家に泊まらせてもらい、テストを受けるチームの練習場にいく。そこには、ローカル選手に外国人選手、本当に多くの選手が契約を勝ち取るために来ていた。
毎日選手は見定められ、篩にかけられていく。毎日新しい選手がやってきては篩にかけられるそんな日々が続いた。

数日参加した後、コーディネーターの方からチームは興味を持っているみたいだからこのままいこうと言われ更にギアをあげていった。

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3分の1程にメンバーが絞られ、シンガポールのチームとの練習試合が行われた。その日は東南アジア特有のスコールが降り、雨があがるを待って試合が始まった。

1本目、2本目と出場した、2本目。
中盤で相手からボールを奪取。1人かわし、右サイドの味方にアウトサイドでパスを出し、ワンツーで裏のスペースへと抜け出そうと左足を踏み出したその瞬間。
相手選手が後ろからスライディングをしてきた。
雨で止まれなかったのか、それとも足を狙ってきたのか。
彼のスパイクは僕の右足に乗り、僕の足はアウトサイドでパスを出したために外に向いたまま。身体は次に裏に抜けようと前進したが、足首から下は外を向いたまま外側に引きづられていた。

踝の骨折と靭帯損傷

何とか立ち上がり、そのまま2本目、3本目まで出場した。4本目。足がぱんぱんに腫れているのをみてドクターストップがかかった。足を地面につけることもできないほどの激痛だった。

足を引きずりながらバスに乗り家路につく。色んな事を考えた。いままでのこともこれからのことも。サッカーを続けてきて良かったなとか、帰ったら色んな人に感謝しないとなとか、何だか自分らしい終わり方だなとか思ったり。

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次の日、チームは練習に来るように連絡をくれた。まだ選考に残ってる。それが嬉しかったけれど、歩くこともできず、練習にも行けなかった。病院にいき診察をしてもらい、足首はギブスで固められ、松葉杖をついて家路につく。

泊まらせてもらっていた家のコンドミニアムにあるプールに1人松葉杖をついて向かった。何をするわけでもなく、じーっと考えていた。

あーこれで俺のプロになるという夢は終わったんだな。

こうして僕のシンガポール挑戦は終わった。

次回に続く。

It’s up to you.

Renshi

サポートは、サッカーを通じての挑戦に使わせていただきたいと思っています。