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デンマークの幸せの味、オープンサンドの定番 ”流れ星”

デンマークの名物料理、オープンサンド(Smørrebrød、スモーブロ)。

これまでライ麦パンを焼いて、オープンサンドのイベントをやってきました。が、オープンサンドと聞いて、実際のデンマークのオープンサンドをイメージできる方、とても少ないのです。サンドイッチの味の複雑さというか具の量というか、、、毎回びっくりされます 笑。はるかに想像を超えてきます。

そこで、オープンサンドとはこれだ!という美味しい味をご紹介していきたいと思います。

スモーブロの代表格、”流れ星”

オープンサンドには定番の組み合わせがありますが、その中でも名前が付いている、ザ!定番があります。その1つがこれ、”流れ星”(Stjerneskud、スティアーネスクゥ)です。

”流れ星”の具はこちら。メインは白身魚のフライです。
・フライにした白身魚フィレ(現地では、赤舌平目が多い)
・蒸し煮にした白身魚フィレ(同上)
・オーロラソースに近いトマト風味のドレッシング
・小エビ(グリーンランド甘エビのゆでたもの)
・ホワイトアスパラの水煮
・きゅうり(スライス)
・レモン(スライス)
・トマト
・キャビア(キャビア代用品のランプフィッシュ・キャビア)
・ディル
・レタス
・白いパン(現地ではフランスパンと呼ばれる小さめ山形食パン)
・バター

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伝統的なデンマーク料理レストラン Rold Kroのバージョン、私が”流れ星”の盛り付け方を習ったときのもの

もう、何と言っても豪華!ですよね。
私はこれを初めて見た時、「全部のせ」だなと思いました 笑。魚もエビもアスパラもキャビアも・・・って、どんだけ!欲張りプランなんだ!


”流れ星”の美味しさは、全体のハーモニー

白身魚のフライのカリカリ食感に、ホワイトアスパラやトマトのソフトで爽やかな味が組み合わさり、ドレッシングの味わいの中にエビとキャビアのアクセントが入ります。「全部のせ」なのでどっしりとした食べ応えですが、きゅうりとレモン、ディルでさっぱりとした食後感が生まれます。

そして豪華な「全部のせ」ゆえの複雑な味わいがあります。
シーフードも白身魚にエビ、キャビアと組み合わせることで奥行きのある味わいがあるんです。

日本人から見て特徴的なのは、ホワイトアスパラの水煮を使うことでしょうか。
デンマークでは様々な料理にホワイトアスパラが出てきます。アスパラの水煮は缶詰めや瓶詰めで保存ができます。冬の長い北欧で、フレッシュな味わいが楽しめるものとして重宝されたのではないかと思います。ここでもレタスやディルとは違う、しっかりとした野菜の味を出してくれます。
ちなみに、水煮の水も、料理の味付けとして使われます。”流れ星”のドレッシングに水煮の水を使うレシピもあります。(ホワイトアスパラの使い方は、他のデンマーク料理のときにご紹介したいと思います)


”流れ星”、東京の夏バージョン

7月のイベントでは、夏らしい味わいを、と思ったこともあり、この”流れ星”をお出ししました。日本で手に入る材料などで調整したので、正統派の組み合わせとちょっと変えてあります。

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イベントで私が提供した”流れ星”、東京の夏バージョン

私はライ麦パンを愛しているので、白パンでなくライ麦パンを使っています(見えないですけど)そして蒸し煮の魚をなくして、魚のフライを1枚半入れました。
その分、食感がしっかりするのできゅうりはなし。ドレッシングのトマト味を強めにして、トマトをなしに。エンダイブの苦味のある爽やかさ、ディルは上に散らすスタイルに。レモンは別添えとしました。
ビールはデンマークのカールスバーグと一緒に。

なかなかのボリュームがあるサンドイッチになりましたが、みなさん楽しんで食べていただきました!


デンマークではシーフードは夏がメイン。もちろん冬も食べますが、魚のフライは夏の味わい。さっくり揚げられたフライのオープンサンドとビール、これはもう、さすが代表格の味わい。

幸せの味と断言します。



デンマークの幸せの秘訣、ヒュッゲな時間をもっと広めるためにサポートいただけたら嬉しいです! いただいたサポートはオープンサンドの試作など、デンマークの食文化研究に使わせていただきます。