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幸せの国デンマーク ヒュッゲとコーヒータイム

今回はデンマークのヒュッゲとコーヒーについて書きたいと思います。

私はデンマークの名物料理、スモーブロー(Smørrebrød、オープンサンドイッチ)を中心にヒュッゲを味わう会を開催していますが、ご紹介したいデンマークのヒュッゲにはいろいろな形があります。その一つがコーヒータイムのヒュッゲです。

1日3回もあるコーヒータイム

以前、縁あって、デンマークのフォルケホイスコーレのキッチンで働かせてもらったことがあります。
フォルケホイスコーレはデンマーク発祥の成人向けの教育機関で、全寮制を基本としています。私が手伝っていたのはスカルスにある、手芸の学校。手芸ですので、女性ばかり。秋だったので長期(5ヶ月)の学生は10名程度でしたが、毎週異なる短期コースや週末コースがあり、毎週45名程度、夏休みや秋休みには70名程度が寮に宿泊する、忙しい学校です。

その中で驚いたのは、食事の多さ!量ではありません、回数です。
スケジュールはこちら。(時間はちょっとうろ覚えですが)

  7:45〜 朝食(Morgenmad)
10:30〜 朝のコーヒー(Morgenkaffe)
12:00〜 昼食(Frokost)
14:15〜 午後のコーヒー(Eftermiddagskaffe)
18:00〜 夕食(Aftensmad)
20:00〜 夜のコーヒー(Aftenskaffe)

なんと1日に3回もおやつタイムが!
ちなみにコーヒータイムというか、朝のコーヒー(Morgenkaffe)という名称ですが、おやつの時間という意味です。実際にはコーヒーや、紅茶などのお茶、水、果物やケーキなど、その時々で異なるものを用意していました。

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ある午後のコーヒータイム。レモンケーキ。

コーヒータイムの意味

食事の回数に驚いた私が「一日中食べてる感じがする!お腹が空かないよ!」と言うと、デンマーク人の先生が言いました。私たちは食べるの大好きだから!ヒュッゲを理由によく食べるのよ、と 笑。それも本当かもしれません 笑。

でも、食べなくても、コーヒータイムは大切なものと考えられています。

ついつい、真面目な人は、もう少し仕上げたいと思って作業を続けたがったり。また個人主義的な考え方では、みんなそれぞれ作業していて、集中しているのだから、個別に休憩にしたい。今は集中しているのに、と思う人もいるのではと思います。


フォルケホイスコーレでは、一斉にこのコーヒータイムを取ることを大切にしていました。

みんなが休憩しに部屋を出て、新鮮な空気を吸うこと。
コーヒーを飲んで、リラックスして。
自分の隣だけでなく、いろいろな人と話すこと。

ちょっと自分のやっていることを説明したり、冗談を言って笑ったり。
隣のコースは何をやっているのか聞いて教室を見に行ったり、私は焼いたケーキの話をしたり。

そうしてゆったりとする時間をとること、いろいろな人と繋がること。
それも一つの体験、学びとして考えられていたと思います。

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先生たちの朝のコーヒー(集まり始めたところ)。いつもは生徒と一緒のコーヒータイムですが、週1回は先生と事務局やキッチン、設備管理のスタッフで一緒にコーヒーを飲みます。

人とつながる時間というコーヒータイム

先日、コーヒーへの熱意に溢れる写真家、蓮井幹生さんとの素晴らしい出会いから「コーヒーとシナモンロールを楽しむヒュッゲ・サロン」という形で、デンマークのヒュッゲなコーヒータイムを開催しました。
(冒頭の写真はその時のものです。金光律子さん撮影)

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もう本当に感動してしまう美味しいコーヒーなのです。デンマークで学んできたシナモンロール、焼きたてのバターと砂糖の香りもあいまって、とても温かい時間になりました。

初めましての方々が集まったのですが、なんとも言えない居心地のよいリラックスした空気と、楽しい会話がありました。みなさん、ご自身のお仕事や活動についてもお話いただきましたが、それぞれのライフスタイルや関心に出会いがあったり、実は旧知の仲の方が何十年ぶりに再会したり。

コーヒータイムのヒュッゲはとても素敵な時間だな、ということを再確認する素敵な時間でした。ご参加いただいた方々、ありがとうございます。

今後もまた、開催していきたいと思います。

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主催者たち(左から)祖父江 玲奈、蓮井幹生さん、黒木潤子さん


☆ 冒頭の写真を撮影した 金光律子さんのブログはこちら

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