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大晦日に寄せて〜利他を受けるばかりの2022年

2022年は私にとって忘れられない年になった。
自分の身体がこんなに動きづらくなるという体験をし、入院もし、そして、年も押し迫ったつい先日、父を亡くした。

世の中全体が変化の機運の中にあるが、私自身の人生も怒涛の流れの中で、来年はどっちに行くのか全くわからない。しかし、風まかせ、流れまかせが最善を呼び込むのではなかろうか。

動けない身体で、急逝した父の葬儀にも出られなかったが、実家では母の周りの人々が世話を焼いてくれた。また、虫の知らせがあったかのように、父の亡くなる数日前に連絡してきてくれた山梨在住の父の古い友人は、葬儀にも駆けつけてくれた。その父の友人が連絡をくれるきっかけとなったのが、私が朝日新聞に書いたコラムであったことは一つの救いだ。

若い頃、物書きになりたいと言っていた父に、その友人は、「有里さんの文章よかった。さすが君の娘だね、、、」と手紙に書いてよこし、これまで状況を知らず、何も手伝いできなかったからと、私のために使って欲しいと送金してくれたそうだ。プロの作家になれているわけでもないし、私の文章など胸を張れたものではないが、父のもっとも信頼する友人が人生の最後に、「さすが君の娘」と言ってくれたことは、父にとって嬉しかったに違いないし、これは、最後の最後に親不孝してしまっている私にとっても救いとなった。

私のために使ってと送金してくれたお金は不思議にぴったり父の葬儀代ほどの金額で、父のために使われたわけだが、葬儀代は私が負担しなければならなかったのだから、私のために使ったとも言える。このお金があったことで、更なる借金を重ねることもなく、周囲を煩わせることもなく、こじんまりではあるが、何の心配もなくお葬式が出せたのだ。それが私のためでなくて誰のためと言えようか。そのほかの方たちからのお香典も葬儀費用に使わせていただき、その父の友人からの送金の一部は私の年越しのための資金としても使わせていただき、不安なく、新年を迎えることができそうである。

お金には縁のない人で、地元での友達付き合いもほとんどなかった父だが、たまにしか連絡を取り合わなくとも、こういう良き友がいることに支えられていたんだろうと思う。

そして、実家に帰れなかった私はというと、東京で、友人たちの手を借りて、今の体の状態でも快適に生活できるための部屋の片付け、模様替えを行った。

上記の父の友人や、そのほか、心配してくださる方々からの支援の寄付も使わせていただき、小さな冷凍庫を買って、その上に電子レンジを乗せた。
すでにある3ドア冷蔵庫の冷凍室は1番上にあって手が届かず、しばらく冷凍機能は使えず。電子レンジは電磁波の問題もありずっと使っていなかったが、今の体の状態では温かいものを食べるのが難しいため、友人たちも見かねて、ジモティでゲットしたというレンジを貸してくれることになったのだ。小さな冷凍庫を導入すれば、冷凍もできるし、その上にレンジを置けば、ちょうど手も届く高さ。一気にキッチン環境が向上するのだ。冷凍庫はハイアールのものが安くて、一括払いで購入した。
そして、冷凍庫が届く日に友だち3人が集結、キッチン環境整えるための片付けを怒涛のようにやってくれた。ダンボールに2箱の本も近所の古書店に運んでくれ、一生懸命、私が生活しやすい導線や物の配置を考えてくれた。


ハイアールの冷凍庫と貸してもらった電子レンジ


また今日は、エアコン暖房で空気が乾燥しがちなのを解消するために買った遠赤外線のヒーターが届いた。これはジャパネットの分割払いを利用したが、皆さんから年末に年越し支援の寄付をいただけたことで、購入することを決断できた。

実家と東京、家族ぐるみで多くの人々にお世話になりっぱなしだった2022年の年末です。

ちなみに、以下の写真は購入したハイアールの冷凍庫と貸してもらった電子レンジ、ジャパネットで買った遠赤外線ヒーター。そして、お弁当は、何が食べたいと聞かれ、私が弁当とか、酒のつまみみたいなイカの炙ったのとか言ってたら、さっそくその翌日、能登からイカのつまみの入ったお弁当が届いた湯宿さか本からの差し入れ弁当。冬の能登の常備菜、大根ずしも入ってる。おいしかった〜


遠赤外線ヒーター 暖話室1000


中島岳志さんとのファイヤーラジオは、私が今こんな状態なのでお休みしているが、中島さんが近年研究テーマとされている「利他」について、自らの体験の中で深く深く考えさせられている。もう少し身体が動くようになったら、ファイヤーラジオという形になるかどうかはわからないが、中島さんと利他についても話をしてみたい。

書きたいことがたくさんある。父との関係についても、書き始めたらかなり長くなってしまいそうで、なかなか手をつけられていない。
父が亡くなったことで見え方が変わったものもあり、死者とは何か、また、死者いう存在と残されたものの関係性について、浮かんでこようとする言葉をちゃんと捕まえておきたい気持ちに駆られている。

そんな2022年の大晦日。
2023年は新しい自分に生まれ変わり、病気ともさよならしたい。いや、病というのはさよならする忌むべきものではなく、克服することで何かを学び、自分の大掃除をするようなものだということを体感として理解したい。世の中に忌むべきものはあるのか、、、。

来年はやさしくなりたい。

私が今、みんなのお世話になりながら食べてるおいしいもの、父に食べさせてあげたかったなあ。でも、父は甘党だったから、好みが違ったかな、、、。
そんな思い出も噛み締めつつ、さか本弁当のイカのつまみを噛み締めた歳の暮れ。

みなさま2022年、本当にお世話になりました。

来年も書き続けますので、サポートよろしくお願いします❣️

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