アパレル在庫のゆくえー管理する・余る・処分する、それぞれの仕組み
「在庫」というのは、小売業界に特有のものです。小売店において店頭に置かれているのではなく、別の場所に保管されている商品のことをいいます。
小売店にとって、在庫は非常に頭を悩ませます。在庫を持ちすぎれば保管スペースや費用が必要になりますし、在庫を切らせば商品が売れる機会を逃すことになり、利益が上がりません。
適切に在庫を持つこと、いわゆる「在庫管理適正化」がきちんとなされているかどうかは、小売店の経営に大きく関わるのです。
アパレルの在庫管理が重要な理由
つくった服の半分以上が余っている現状
小島ファッションマーケティングによると、アパレル商品の供給数が約29億点(2018年上半期時点、年換算)に対し、消費数は約13.5億点。つまり、つくった服の半分以上が、人の手に渡らず余剰在庫となっています。
服をつくるのには、水などの資源や人手が大量に必要です。服が余るということは、それらが無駄になっているということ。このような状況はいち早く改善しなければなりません。
在庫管理が企業の存続を左右する
冒頭でも述べたように、単純な店舗売上だけでなく、在庫を持つ・持たないも企業の利益に影響します。在庫は持っているだけで経費がかかり、持たなすぎても商品購入の機会損失ひいては利益損失となります。
「安いときにたくさん仕入れよう」のような安易な考えではなく、シーズン単位でできるだけ多くを売り切る姿勢が求められます。
とはいえ、アパレルの在庫管理は難しい
ここまで在庫管理の重要性を述べてきましたが、実際に適切な在庫管理をするのは非常に難しいです。中でもアパレルの在庫管理は難易度が高いと言われており、その理由には以下のようなものがあります。
商品のライフサイクルの速さ
アパレル商品にはトレンドがあることから、売れ残ると商品価値がほぼなくなってしまいます。また、季節によってラインナップが変わることからも、短期間で売り切ってしまうことが求められます。
取り扱い商品数の増大
近年はお客さんのニーズが多様化し、商品の種類・サイズ・色などが増え、取り扱う商品数が膨大になっています。したがって、在庫も残りやすくなり、商品の多様化から在庫管理が複雑化するという問題も起こっています。
アパレル業界の商慣習
アパレル店舗では、お客さんに足を運んでもらえるように、店頭に商品が充実しているかは非常に重要です。また、アパレルの在庫消化には返品やアウトレットなど便利な制度があるため、「最終的にどうにかなる」と見込まれがちです。これらのことから、「多めに仕入れる」考え方が根強く、在庫を余らせる要因の一つとなっています。
在庫が余ってしまったら
在庫の数・場所を見える化する、在庫状況をスタッフで共有する、在庫管理システムを利用する……など、適切に在庫管理をするための方法はいくつかあります。それらを実行しても在庫が余れば、値下げ販売が検討されます。しかし、それでもなお余ってしまった場合は、どうすればいいのでしょうか?
おもな在庫処分方法は「廃棄」か「買取」
「廃棄」は在庫整理や仕分け作業の手間をかけずに、在庫処分ができます。しかし、廃棄という行為が環境にもブランドイメージにも悪影響を与えることはいうまでもありません。また、廃棄するにもコストはかかり、在庫ロスとして利益にはなりません。
「買取」は在庫整理などの手間はかかりますが、在庫の換金が可能です。環境への負荷もかからないので、在庫処分方法としては買取を積極的に選びたいところです。しかし、流通先は慎重に選ばなければ、ブランド価値毀損の恐れがあります。
ブランド価値毀損を防ぐ買取方法「Rename」
ブランド価値毀損を防ぎつつ買取を実現するサービスの一つがRenameです。
Renameではブランドネームタグから洗濯表示タグまで切り取って、新しいタグと交換します。こうすることで元のブランド名を表示しないため、在庫が再流通してもブランドイメージが傷つく心配がありません。
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