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カリフォルニアの思い出 その① 一番のピンチ

愛車 ニュービートルカブリオレ

一年間のカリフォルニア滞在中に、日本人の方から買った、中古の黒いフォルクスワーゲン、ニュービートルカブリオレ。
カリフォルニアの温暖なカラッとした気候にオープンカーはとても気持ち良くて。
黒くて丸いコロンとした可愛いフォルムに、何故かゲンゴロウを連想して、つけたあだ名は
「げんちゃん」

このげんちゃん、よく故障して。
よく車には当たり外れがあるなんて言われますが、げんちゃんは、それに当てはめると、外れ。
ウインカーが光らなくなったり、ワイパーが動かなくなったり、幌(ソフトトップ)が閉じなくなったり。
その度に、ハイウェイに乗り少し遠くにあるディーラーへ向かいました。


ディーラー

私の語学力はと言うと、家族の渡米が決まってからの数ヶ月間英会話教室に通いましが、ディーラーのマネージャーに故障箇所を説明したり、受け答えをしたりするなんて高度な会話そうそう出来るようになっているわけもなく。
ディーラーに行く前の日は、学生のように、英文を考えるために必死で辞書を引きました。
想定問答も考えられるだけ考えて、不安なことはなるべく無くしておきたくて準備をしました。
苦心の末、作った英文は家族が添削。だったら、あなたが行ってよ、英文考えてよ、と思いましたが、忙しい家族には頼めず。何回か添削してもらい合格をもらったら、プリントアウトして今度は話す練習。なるべく覚えられるまで繰り返しました。
日本だったら簡単なことも、言葉が違うとまるで自分が子どもに戻ったように無力。いちいち時間がかかりました。

そんなディーラーは、いつも緊張する場所。
でも癒やしもあって。
それは、入口付近でいつも車を磨いたり、お掃除をしたりしている、スーパーマリオのマリオそっくりな、私の勝手な通称 マリオおじさま。
いつも柔和な笑みを浮かべて迎え入れてくれて、必ずドーナツの入った大きな箱を差し出してくれました。ドーナツはサービスみたいで密かな楽しみ。
にこにこマリオおじさまと一緒にドーナツ食べたのは、いい思い出。こちらが英語苦手なのを察してくれたのか、アメリカ人にありがちなフレンドリーさではなくて、黙ってにこにこ側にいてくれたのが心地よかったな。

はじめての 洗車場

楽しかった滞在も残り少なくなった頃。
そろそろ車を売らないといけなくなってきて。
とてもお気に入りで、できれば日本に持ち帰りたかったけどそうもいかずに、泣く泣く覚悟を決め、ムービングセール(個人間売買)に出すことにしました。
少しでも綺麗な写真が撮れるようにと、いつもは素通りしていた洗車場へ初めて行った時に、その事件は起こったのです。

車を預けた私。ピカピカになって戻ってきたら、どこで写真を撮ろうかと考えていると、洗車から車が戻ってきました。
確かにワックスをかけて磨き上げられた車体はとても綺麗であったろうと思うのですが、そんな事気にならない程の衝撃の光景が目の前に!!

ピンチ発生!どうするの、これ?

まず目に入って、びっくりしたのがこれ!
フロントガラス!
離れた所からでも分かるくらい、運転席側の上から下まで一直線にピーっと白い太線が入っている!
日本だったら、店員さんが何らかの説明やら謝罪やらしてくれそうな案件にも関わらず、車を渡してくれた方は何も言わず渡したらさっさと立ち去ろうという雰囲気。
私、とっさに考えました。私の語学力では交渉なんて無理、でもこのまま泣き寝入りも嫌、というかどうすんのこれ?売れないじゃん。というかディーラーまで運転していけるの?ヒビ入ってますけど?と
ぐるぐる思考が回りました。
もう恥は捨てて、カタコトの拙い英語でヒビについて指摘しました。ものすごく勇気を出して。
あちらは、身構えて捲し立ててきました。おそらく、洗車前に小石で小さいクラックがはいっていたんだろう、それを知らず水をかけたらヒビが一気にはいったんだろう、だから仕方ないというような内容。謝罪なし、訴訟の国らしい。これ以上どうしようもなく、ダメ元で仕事中の家族に電話。運良くすぐに出たので、手短に事情を説明したら、お店の人と話すと言ってくれ、しばらく電話で話すも埒が明かず。最後は諦めて、写真だけ撮りそのままディーラーへ向かいました。ハイウェイの風圧でガラス割れないでねと念じながら。
やっと着いたディーラー。予約はないけど、いつものマネージャーにウルウルしながら、拙い英語で説明しました。顔見知りになっていたからか、私が可哀想に見えたのか、単に暇だったのか分かりませんが、すごく親身になって話を聞いてくれました。君の英語は大丈夫だから頑張ってと励ましを頂きながら、一生懸命説明をしました。一通り話を聞いてくれて、まず訴訟をおこせるけど時間がかかることを教えてくれました。確かに帰国まで時間がありません。、自分たちで直して売ろうと心に決めました。
そう話すと、合うフロントガラスを探し始めてくれました。生憎、ディーラーには在庫がなく、アメリカ中のディーラーに在庫があるか調べてくれました。広いアメリカですから、遠くの店舗だと時間がかかるかなと思っていると、険しくなるマネージャーの顔。やっぱり遠いのかな、なんて思って待っていると、衝撃の言葉が。
なんと、アメリカ中の店舗を当たってみたけど在庫がなかったので、生産しているメキシコ工場に問い合わせてみた。そしたら、今ストライキでやってない、再開の目処もつかない、と!
え〜、どうしよう。すごく時間がかかりそう。売れなかったらどうしよう。そんな事を考えて不安げな顔をした私を見て、マネージャーが正規品ではなくてサイズが合うものがないか探し始めてくれました。いろんな所に問い合わせて、やっと近くの店舗にあることが判明。取り寄せてつけてくれることになりました。とりあえず、それが最速で直せる方法です。マネージャーに深く感謝しました。

ムービングセール間に合わず

そんなことをしていたから、サイトに登録して購入者を待つムービングセールをやっている時間はなく、買い取ってくれる業者を探すことになりました。
そんな時に、まだオープンしたてのガリバーが✨
そこだけが買い取ってくれました。
大きな額だから無事に売れて良かった~。

最後の最後
全部の手続き終えて銀行口座もしめて、後は車を渡して帰国するだけの帰国2日前。
駐車違反キップをもらってきた家族(笑)
なんで?いつもは違反ゆるゆるの所だから、ほんの一瞬だったからいいかと思ってだって。
銀行口座しめちゃったよ。違反金とか手続き頑張ってね。最後まで車関係はゴタゴタ続きでした。



















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