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本を手放してはいけない!

わたしが持っている一番古い本は1989年 第47刷発行 サン=テグジュペリ作「星の王子さま」だ。小学生の頃、亡き父にお願いして買ってきてもらったものだ。今でも大切に保管している。

小さい頃から本が好きで、本だけは好きなだけ買っていいと母から言われていたので、漫画も文庫本もたくさん買ってもらった。
特に少女漫画は大好きで、ガラスの仮面は全巻持っていたし、当時好きだった小椋冬美先生、小沢真理先生、榛野なな恵先生、そして岩館真理子大先生の漫画はデビュー作から全て買い集めた。何回も何回も読んで今でも内容も絵もよく覚えている。いずれも時代を感じさせないセンスのある漫画だった。

一人暮らしをする時に父からもらった星の王子さまと谷川俊太郎さんの詩集以外の本は全て実家に置いてきた。そして、結婚、出産をして実家の母と同居するときに、実家をフルリフォームすることになった。
その頃産まれた子供はまだ一歳になっていなくて初めての子だった事もあり、毎日子育てと家事に疲弊していた。だから、面倒になって自分の部屋のものを全て処分していい。と言ってしまったのだ。
かくして本は全て処分してしまった。

子育てがひと段落した頃、猛然とその本たちが読みたくなった。でももう全て処分して無い。
買い直す?とネットで調べていてもことごとく絶版で手に入らない…
その時になって初めて自分の愚かさに気づいたのだ!本っていつまでも何十年も発売されるものもあればされないものもあるのだ。

例えば私の好きな向田邦子さんの本は文庫本なら今でも普通に購入できるだろう。赤毛のアンだって、風と共に去りぬだって、古典と言われる本は手に入る。でも漫画やちょっとマイナーな詩人の本とかは絶版になるのだ。(ちなみに電子書籍なら見ることができる場合もある。が、私は紙の本が好きなのだ!)

たくさん捨ててしまった…なんて取り返しのつかないことをしてしまったのだろう。
あの頃のわたしに言いたい!しっかりして!ちゃんと保管して!

その時の後悔が今のわたしの教訓になっている。
だから、わたしは滅多に本を手放さない。リニューアル前の雑誌のクウネルだって全冊持っているけど、絶対に捨てない。
夫に置き場所がないと言われても絶対に手放さない。そしてSNSでこの本はもう重版する予定がありません。なんていうのがあると無意識に購入している。絶版。その言葉は恐ろしい。
その本が将来価値が上がるからとかそんなことは関係ない。わたしがまた読みたいと思った時にその本が手元にある安心感をもちたいのだ。

とはいえ本は増え続け置き場所がなくなってきている。今は本をどこに置くか、毎日家の中のパズルに頭を悩ます日々だ。

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