見出し画像

生姜の効いたあさりご飯  完熟パワフルなソアーヴェ

仕事上がりにスーパーで夕飯を物色していると、“生姜の効いたあさりご飯”と目が合う。
あさりがご飯を覆い隠すほど気前が良い。約400円。

さて、私はワインを何日かかけて、同時並行で複数のボトルをチビチビと変化を楽しみながら飲む。
スパークリングを開けた後は泡が飛ばないようにこちらを使用。

シャンパンストッパーと呼ばれているようだ。
しっかりと泡が数日は残るので重宝している。

ワインのキャップにはほかにもこういったアイテムがあるが、最近は抜いたコルクの先を差し込むだけ。

酸素に触れ合い徐々に味わいが変化していくのが楽しい。
1週間程度は全く問題ないし、2週間ほど経っても元気なワインもある。

さて、生姜の効いたあさりご飯に合わせるワインを選ぶ。
貝はワインとはまると素晴らしいが、失敗した時の衝撃も大きいので慎重に。
生姜の効いた甘辛の味付けと貝の土っぽい素朴な味わいには、スパークリングワインの泡の刺激が合いそうだ。
ということでオーストラリアのスパークリングワイン(シャルドネ主体)。
加えて、イタリア シチリア島のカリカンテ、イタリア ヴェネト州のソアーヴェ(ガルガーネガ品種)を用意。
いずれも素敵な相性を見せてくれたが、特に重厚な仕上げのソアーヴェとの相性が特筆だ。

ピエロパン, ソアーヴェ クラッシコ ラ・ロッカ, ヴェネト, イタリア, 2020, 12%, 3,773円
Pieropan, Soave Classico DOC La Rocca

ラ・ロッカは海抜200~300m、石灰質と粘土が豊富な南西向きの畑の名。ガラスで内張りしたセメントタンク(2500L)で発酵。澱とともに約12ヶ月間熟成。
ゴールドがかったはっきりとした強い色調。
香りにはりんご飴、リンゴのリキュールの濃密なフレーバー。炙ったバニラビーンズを鼻の前に置いたよう。ヘーゼルナッツ、アカシア、フラワリーな蜂蜜、微かにヨード香や炙りわかめが重層的に。
風味は凝縮感の強いリッチでまったりとした果実味は陽のニュアンス、塩味やヨードのニュアンスは心地よく引き締める陰のニュアンス。両面がバランス良い。余韻にも豊かにバニラ香。
アサリの土っぽさ、磯の香りもしっかりと包みあげる果実味のパワーと樽香。生姜の効いた甘辛にも完璧に同調。ミネラルの共鳴もあり心地よい。相性: ★★★★☆

デ ボルトリ, ラ ボエム キュヴェ ブラン, ヤラ・ヴァレー, オーストラリア, 2,586円
De Bortoli, La Boheme Cuvee Blanc, Yarra Valley, Australia

1924年にヴィットリオ・デ・ボルトリは北イタリアからオーストラリアに移住。それから100年が近くが経ち、コストパフォーマンスの高い魅力的なワインを世に送り出している。
オーストラリア出身のソプラノ歌手「ネリー・メルバ」をリスペクし、代表作である4幕からなるオペラ「ラ・ボエム」をイメージして造られたワイン。シャルドネ93%、ピノ ノワール7%。
中庸からややはっきりした色調、細やかな泡がやや穏やかに立ち上がる。
香りにはリンゴジャム、リンゴのコンポートの厚みのある果実香にカスタードクリーム、レモンカードのまったりとした香り、バニラ香も、微かに黄色い花、アカシアハチミツも。
風味にはフレッシュさがややしっかりとしつつ心地よい複雑さと奥行き、シャープな酸味、ゆったりと中庸からやや長めの余韻、鼻腔を微かに柑橘果皮や植物的なタッチが抜けて爽やか。
生姜の効いたあさりご飯に。生姜の効いた甘辛のタレに包まれた、アサリの土っぽさを含む素朴な旨味にシャルドネ主体の上品な果実味がすっと寄り添う。シナジーは大きくはないが貝の旨味がすっと静かに立ち上がるのも好意的。相性: ★★★★☆

クズマーノ, アルタモーラ, エトナ ビアンコ, カリカンテ イタリア, 2020, 2,464円
Cusumano, Alta Mora, Etna Bianco DOC, Sicilia, Italy

創業以前はバルクワインを生産していたが2000年に元詰めに参入。いきなり創業年のヴィンテージのフラグシップワイン(ノア)でトレビッキエーリ(著名ワイン評論誌ガンベロ・ロッソで満点の三つ星グラス)を獲得し注目される。その品質とコストパフォーマンスの高さでも人気。今回のワインはヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山の北斜面の畑で栽培されたブドウから造られる。
香りには潮のニュアンスをたっぷり。グレープフルーツ、ライム、スウィーティーの果実香。青い果皮の柑橘香がピンポイント海藻、ヨードが支配的、微かにスモーキー。セルフィーユの軽快なハーブ、アカシアの黄色いフラワリーな香りも。
風味にはみずみずしくフレッシュでハリのある活力のある果実味、シャープな酸味、中盤から余韻にかけてほろ苦さがゆるゆると残る。ミネラルのニュアンスに富む魅力的なワイン。
生姜の効いたあさりご飯に。アサリの磯の香り、素朴な土っぽいニュアンスが、ワインのミネラルやヨードに共鳴して立ち上がる。相性: ★★★★☆

この記事が参加している募集

#おうち居酒屋やってみた

1,339件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?