椎茸海老詰めフライ 2008年産ボルドーの円熟
椎茸海老詰めフライ。6つで470円ほど。椎茸の石突を落とした部分に、エビのすり身を詰めフライにした工夫の光る一品。
揚がった椎茸はまるで肉のような食感でプリプリの弾力、ちょっとした筋繊維のような食肉的な質感。噛み締めると一緒に広がるエビのフレーバー。椎茸から広がる旨みのジュースに絡み極上の余韻。
そこに合わせたのはボルドー サンテステフの赤ワイン。2008年産、15年熟成のワイン。それでいて3,000円を切るお買い得品。ワインネットショップのトスカニーで見つけた。
シャトー・クローゼ, サンテステフ, 2008, 13%, 2,926円
Château Clauzet, Saint Estephe, France, 2008, 13%
コアは力強く黒みがかり、エッジにかけて明るいレッドとなり落ち着いた色調。
香りにはプルーン、ドライフルーツの落ち着いた果実香になめし革、鉛筆の芯、しっかり馴染んだ大らかなバニラの香り。どこか鼻が乾くような潮のニュアンス、針葉樹やハーバルな爽やかなタッチも。
味わいは果実味のカドは取れて凝縮感は穏やか、しっとりとした口当たり、それでもタンニンは力強く舌に張り付くように残る、余韻にはどこか塩味を感じる、ほんのりとしたカカオのようなビターなタッチ。
椎茸海老詰めフライにワインを合わせる。椎茸から広がる森の土の香りと肉厚な身から広がる素朴な甘みに、熟成ボルドーの深遠な世界が調和。エビはワインの風味に隠れてしまいがちだったが、ほんのりと甲殻類特有のグリップのあるフレーバーが余韻にほのかに残る。相性: ★★★★☆
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?