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スモークサーモンに新玉ねぎ、ケイパーを添えて シャンパンの上品な泡の刺激と果実味のエレガンス

新たまねぎは3~4月頃に出荷される早取りのタマネギ。乾燥させずにすぐ出荷され、みずみずしくて肉質が柔らかく、辛味が少ない。私はタマネギのほんのりとした辛味が好き。ほんのりというのがこだわりで、辛味が少ない新玉ねぎですらも敏感な感度が強く反応してしまうので、薄切りにしてしっかりと水にさらしてから食べる(そうしないと料理を口にしたとき、タマネギの辛味にばかり注意が向いてしまう)。その新玉ねぎの上にチリ産スモークサーモンをひと袋分のせる。香りづけにケイパーとレモンを添える。

ケイパーの瓶詰めはカルディで購入(298円)。

このケイパーを添えるだけで香りの雰囲気が一気に変わる。清々しくやや甲高いハーバルな香りに、微かだが甘やかなニュアンスも。余韻には不思議にも、バターを口にした後のようなまったりした感じも。300円でスモークサーモンのレベルが一気に高まるのでオススメ。しかも一度買えば、一回に使う量も少ないので当分なくならない量が入っている。スモークサーモン10回分はありそう。

合わせたワインはシャンパンとイタリアの白ワイン(ソアーヴェ。ガルガーネガ品種)。新玉ねぎのシャキシャキ感と辛味、ケイパーのハーバルなフレーバー、レモンの柑橘香。それらに包まれ、スモークサーモンのスモーキーな香りとまったりとした脂、どこか樹木のような身のフレーバーと絶妙に調和。ケイパーがとっても良い仕事。そこにフレッシュな果実味を徹底して残した上品なスタイルのシャンパン(ローラン・ペリエ)の高貴な酸味と伝統的製法による緻密な泡の刺激が加わり、シンフォニーの完成
ソアーヴェとも悪くはなかったが、サーモンのようにまったりとした脂より、もう少し軽い風味のものに相性の良さを発揮してくれそう。

過去、スモークサーモンにワインを合わせハイレベルな相性を見せたのはこちら。

さて、スモークサーモンとそれぞれのワインの相性について詳しく。


ローラン・ペリエ, ラ・キュヴェ, フランス, シャンパーニュ, 12%, 8,195円
Laurent Perrier, La Cuvée, Champagne, France, 12%

1812年創業。ローラン・ペリエは英国王室と親交が深い。ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンさんの結婚式の夜、チャールズ皇太子主催の晩餐会で御用達のアペリティフとしてローラン・ペリエが招待客に振る舞われた。ロバート・パーカー誌のワインバイヤーズガイドで最高得点の五ツ星獲得。ローラン・ペリエのスタイルは、フレッシュ、エレガント、バランス。

香りにはフレッシュなグレープフルーツ、リンゴ。コンポートしたリンゴがほんのり。ブリオッシュはほぼ香らないが微かにバニラ香。香りボリュームはやや穏やかでエレガント。
味わいには上品でシャープな酸味を伴うフレッシュな果実味。快活な酸味が持続し余韻までドライ一貫。風味ボリュームは穏やか。フレッシュな果実の風味をきれいに閉じ込める。
スモークサーモンにワインを合わせる。新玉ねぎ、ケイパーのハーバルで爽快な香り、レモンの柑橘香によって風味が際立つサーモンに、シャンパンの上品でフレッシュな果実味がゆったりと重なる。泡と酸味の刺激はサーモンのまったりとした脂に調和しリフレッシュ。相性: ★★★★☆


ジーニ, ソアーヴェ・クラシコDOC, イタリア, ヴェネト, 2021, 2,920円
Gini, Soave Classico DOC, Italy, 12%,

1700年代からブドウ栽培農家としてガルガーネガ種を栽培してきた歴史ある造り手。最高のソアーヴェのひとつとして広く知られる。

香りは軽快で爽やかなグレープフルーツの柑橘香に花梨、ほのかに白い花。微かに潮の香りや干しワラやハーブのニュアンスも入りバランスよくきれいに纏まり上品。
味わいは瑞々しい果実味にキュッと舌を引き締める酸味、軽快でフレッシュ。果実味と他の要素の統合が素晴らしく上品、中盤から余韻に塩味のニュアンスや硬質でスーッと冷ややかなミネラルのほろ苦さもあり、ソアーヴェ・クラシコの魅力をギュッと上品に凝縮。

スモークサーモンに。ワインのほのかなトロピカルなニュアンスは、ケンカはしないがサーモンの脂への繋がりがもう一歩。サーモンのまったりとした脂より、もう少し軽いものにソアーヴェの良さは発揮されそう。相性: ★★★☆☆

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