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マグロの刺身 ブラン・ド・ノワールスタイルのスプマンテ

4種の刺身にイタリア ロンバルディア州のピノ・ノワールのみで造られたスパークリングとサルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種のワインを合わせる。
刺身はイカ、つぶ貝、サーモン、マグロ。

ちなみに黒ブドウのみから造られるシャンパンはブラン・ド・ノワールと呼ばれる。フランス語で黒の白という意味で、黒ブドウから白色のワインといったところだ。黒ブドウから造られるが果汁を取り出してすぐに果皮を離すので見た目は白ワインのような色調となる。だが黒ブドウ特有の果実の充実感やコクはしっかりとワインに転写されているのが味わいの面白さであり美味しさである。ちなみに、逆に白ブドウのみで造られるものはブラン・ド・ブランと呼ばれる。洗練、上品、シャープな酸味が特徴だ。今回のスパークリングワインはシャンパンではないが、ブドウの配合はブラン・ド・ノワールスタイルだ。黒ブドウの充実感が赤身の魚にどこまでバランスするかが楽しみだ。

ヴァンジーニ, ピノ・ネロ, スプマンテ, エクストラ・ドライ、2,109円
Vanzini, Pinot Nero, Spumante Extra Dry

ロンバルディア州の南、オルトレポ・パヴェーゼの標高約300~400mの畑で栽培されたブドウを使用。
香りにはリンゴのコンポートをほのかに軽快に、干し藁のようなスパイシーなヒントは温度が上がるにつれ強まる、黄色い花、控えめなボリューム。
風味には黒ブドウらしい密度のある質感と充実の飲みごたえ、シャープな酸味、中盤からじわじわとほろ苦いタッチ、余韻にはまったり、クリーミーな厚みも。
つぶ貝の刺身に生姜多めで合わせる。貝の土っぽいニュアンスやクセと喧嘩はしないが風味の重なり合い、高め合いはないか。相性: ★★★☆☆
サーモンの刺身に。こちらもまずまずの相性だが料理とワインの高め合いには至らない。相性: ★★★☆☆
マグロの刺身に。ワサビを添えるところだがワインとの繋がりを想像し生姜にしてみる。これが素晴らしい相性。マグロの脂、コクが生姜の酸味で程よく引き締まり、スパークリングワインの充実の果実味がみごとに重なる。ブラン・ド・ノワールにマグロ、、、悪くない。相性: ★★★★☆

ジュゼッペ・ガッバス, マンザニーレ, 2019, ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ , イタリア, 2,464円
Giuseppe Gabbas, Manzanile, 13.5%

「マンザニーレ」のネーミングは、サルデーニア語のマンザヌ=朝を迎える、にちなむ。昔、朝に白ワインを飲む地元の習慣があったことに由来。このワイン、アルコール度数はしっかり13.5%あるが笑 元々は自家消費用として造っていたワインをお客のリクエストにより商品化。生産量は僅か5,000本。
香りにはグレープフルーツ、ライムの青いニュアンスも微かに、果実香はやや控えめ、グラスを回すと潮の香りがふわりと広がる。
風味にはみずみずしい口あたり、中庸ながらしっかりとワインを引き締める酸味でワインには緩さはない、グリップとほのかな渋みとビターネス、余韻にヨードが明瞭で岩塩を舐めた後のよう。
イカ刺身に合わせる。イカには魚とはまた異なるクセがあり、ワインとはまるようではまらないこともある。同じくサルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種、サンターディのものとは相性良かったが、同じ産地、同じブドウ、異なる造り手のワインはどうだろう。

薬味の生姜を多めに添えると、生姜の酸味がイカとワインをよく繋ぐ。ワインの潮の香りはイカが海を泳ぎ出したように風味を活き活きとさせる。相性: ★★★★☆
つぶ貝刺身に生姜を多めに添えて。貝独特の土っぽさや磯の香りにワインの潮の香りが調和。生姜が料理とワインの良いつなぎ役。相性: ★★★★☆
サーモンの刺身に。まずまずの相性だが料理とワインの高め合いは見られない。相性: ★★★☆☆
マグロにワサビで。まずまずの相性で喧嘩はないが、マグロの赤身のコクと脂がややワインを圧倒してしまう。相性: ★★★☆☆

ブラン・ド・ノワールスタイルのお手軽価格スパークリングワインにマグロ、素晴らしい組み合わせだ。おめでたいことがあった日にはブラン・ド・ノワールのシャンパンにマグロを合わせてみよう。

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