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玉ねぎと焼きさばの煮付け サバの旨みにサルディーニャ島の赤ワインの潮香

母に郵送してもらった玉ねぎと焼きさばの煮付け。見事なサバが一本丸々。玉ねぎもひと玉分。鳥取は上野商店の酒ノ津仕立て。

酒ノ津仕立てとは何かなと思い、ホームページを見ると・・・。
開いた魚を冷水に一晩漬けて血を抜き、身を締める。伝統と手作りの味「鳥取・酒ノ津仕立て」
臭みが無くなったところで、一本一本に甘塩を手で振り掛ける。
手間がかかるが味は一番「酒ノ津仕立て」。
とのこと。開いた魚を冷水に一晩、なんとも珍しい手法だが、このお陰なのか超絶に美味な鯖を楽しめる。

合わせたのはサルディーニャ島の赤ワイン。ジュゼッペ・ガッバスがカンノナウ品種で造るもの。また、ウンブリア州の白ワイン、栃木県なら赤ワインにもあわせたが、サルディーニャ島ワインとの相性がベストだった。

ジュゼッペ・ガッバス, リッローヴェ, イタリア, サルディーニャ, 2020, 14%, 2,695円
Gabbas, Lillove, Cannonau di Sardegna, 2020, 14%

グラス底まですっきり見通せる明るいレッド。
香りにはチェリーリキュール、シェリー酒のようにギュッと詰まった香りがあり重心の高いこの品種をしっかりと低めに。乾いたハーブ、黒胡椒もありスパイシー。潮香もほんのり。樽は使ってなさそうだが微かにヒノキのような背筋が伸びる香りはハーバルな香りの延長か。
味わいには甲高くチャーミングな果実味、甲高い酸味はやや垢抜けないが飲んだ後に鼻腔に迸る潮香。
(89.5/100)(12月27日)

玉ねぎと焼きさばの煮付けにワインを合わせていく。甘辛い醤油ベースの味付け。じっくりと煮付けられた玉ねぎがほろほろで甘い。そして千切りの生姜が爽やか。鯖の脂、旨み、甘みを楽しみ尽くす最高の調理方法だ。
生姜のスパイス香にワインのハーブ香が素晴らしくシンクロ、そのまま垢抜けない甲高いトーンが醤油の風味にも入り込む。ワインのどこか垢抜けない果実味、そして潮香が鯖の脂の甘みに極上の調和。五つ星が迷うほど。相性: ★★★★☆

続いてウンブリア州の白ワインに。

カンティーナ・ライナ, ペスキエラ・ディ・パチーノ, ビアンコ, イタリア, ウンブリア,  2022, 約2,800円

Cantina Raina, Peschiera di Pacino, Bianco
ゴールドがかった明るい強い色調、優しめの濾過か微かに濁り。
香りには酸味の強い北のりんご、フレッシュな花梨、そしてツンとくるりんご酢。フェノリック、ビネガーのニュアンスはっきり。微かに好意的な範囲でブレット、野生酵母特有のフレーバー、それでいてキレイでどこか洗練された雰囲気すら。通常は同居し得ないものが同居。
味わいにはやはりギュッとした酸味がくるが滋味と芯のある果実味がそれを包み込みながらやってくる。余韻にほのかにさつまいものような素朴な甘みと土っぽさあり。完璧な順でフレーバーと味わいがやってくる。
(91/100)(12月27日)

玉ねぎと焼きさばの煮付けに。ワインの酸味が強くやや噛み合わない。ケンカはしないが。相性: ★★★☆☆

続いて栃木県の赤ワインに。

Coco Farm & Winery, 農民ロッソ, 栃木県足利市, 2022, 12%

香りにはとれたてのフレッシュなブドウのチャーミングな香り、ほんのりとピーマンのグリーンやハーバルなフレーバー、ほのかに黒胡椒のスパイシーなニュアンス。これらが入り混じりなんとも楽しいハーモニーを。
味わいにはみずみずしいチャーミングなブドウの果実味、ビターなタッチとともにしっとりと舌に残るタンニン、鼻腔を抜けるのは興味深いグリーンでスパイシーなフレーバー。
(89/100)(1月1日)

玉ねぎと焼きさばの煮付けに。ワインのタンニンとフレッシュな果実味、グリーンペッパーのフレーバーがやや攻撃的で鯖のまったりとした脂とそれに馴染んだ醤油の奥深い味わいにはどこかミスマッチか。ケンカはしないが。相性: ★★★☆☆

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