室戸港ブリの照り焼き 山梨笛吹のロゼ・スパークリングに氷を浮かべて
ブリは上質でリッチな脂をダイレクトに楽しむ刺身も良いが、醤油とみりんの効いた照り焼きも美味だ。スーパーで見つけたのは、”高知県室戸港天然ぶり照焼”。パウチにきれいに包装された魚肉の塊が美しい。
ロゼスパークリング、ランブルスコ(見た目は赤ワインのスパークリングワイン)に合いそうかなと予想しつつ、それに加えて白ワイン2種の合計4種類と合わせてみる。
①日本のロゼスパークリング: ルミエール, スパークリンク ロゼ, 山梨県笛吹市一宮町南野呂, 2,640円
②イタリア トスカーナ州ヴェルメンティーノ品種: トゥア・リータ ペルラート・デル・ボスコ ヴェルメンティーノ 2,475円
③南アフリカ パール地区シュナンブラン品種: ブラハム シュナン・ブラン, 2,178円
④イタリア エミリア・ロマーニャ州ランブルスコ: メディチ・エルメーテ コンチェルト ランブルスコ レッジアーノ セッコ, 2,178円
①ルミエール, スパークリンク ロゼ, 山梨県笛吹市一宮町南野呂
Lumière, Sparkling Rose, 2017, 12%
しっかり冷やして飲みたい気分だったので氷を投入した。
色合いはオレンジの強めのサーモンピンク、瓶内二次発酵による細やかで一定のリズムで立ち上がる泡が美しい。
香りにはグレープフルーツ、5年を経て微かに熟成感を伴い果実香は落ち着き酵母系の香り、ほのかに白胡椒のスパイスのアクセント。
風味は軽めの抽出でみずみずしいが果実味は5年を経てやや落ち着きしっとり。こぎみよい酸味、ほろ苦さがやんわりと広がる、鼻腔を酵母やパンなどのニュアンスが広がる複雑で好印象。
使用されるブドウ品種はカベルネ・フラン60%, タナ24%, カベルネ・ソーヴィニョン13%, メルロー3%。
ブリの照り焼きに。ブリの少々癖のある脂や風味も泡の刺激と落ち着いた果実味がきれいに包み込み見事に調和。
相性: ★★★★☆
②トゥア・リータ ペルラート・デル・ボスコ ヴェルメンティーノ 2,475円
Tuarita, Perlato del Bosco, Toscana Vermentino, IGT, Italy, 2020, 13.5%
香りには軽快にグレープフルーツ、ライムの青い柑橘、柑橘の果皮のほんのりビターな香り、微かにナッティなニュアンス、白い花のフラワリーなタッチ、香りのボリュームは軽めだが磯の香りをしっかりと感じる。
樹齢が若いためか、凝縮感は非常に軽めで果実味が薄い、酸味はややはっきり、ほろ苦さはっきり、シンプルで軽快で個性がやや薄い。ヴェルメンティーノの個性を感じづらいが磯の香りは健在。
ブリの照り焼きに。ワインのやや抑えめの柑橘香にブリの臭みが立ち上がるようでそこまでいかず手前で止まる。ワインのライムなどの香りのニュアンスがまるで薬味のように働き、魚の臭みを抑える効果を発揮しているようだ。
相性: ★★★☆☆
③ブラハム シュナン・ブラン, 2,178円
Brahm’s, Chenin Blanc, Paarl, South Africa, 2019, 14%
香りには花梨、マルメロ、黄色いメロン、黄色い花、やや明瞭に樽、酵母香、魅力的で心掴まれる香り。
ジューシーな果実味、中庸ながら的確な酸味、じんわりと旨味やコクが広がる充実のフィニッシュ。
ブリの照り焼きに。ワインのジューシーな果実味に加えて、果実味以外の様々な要素が魚の様々な風味を立ち上げてくれ味覚が楽しく刺激される。ただ、若干だが臭みも立ち上げてしまうように感じた。
相性: ★★★☆☆
④メディチ・エルメーテ コンチェルト ランブルスコ レッジアーノ セッコ, 2,178円
Medici Ermete, Concerto, Reggiano, Lambrusco, D.O.C., Italy, 11.5%
非常に濃い色調、鮮やかな赤紫色の泡が見ていて楽しい。
香りにはフレッシュな山葡萄、ブラックチェリー、アメリカンチェリー、プラム、微かにブドウの果皮や茎のほんのりとヴェジェタルなタッチ。
ジューシーなブドウの風味、力強い酸味と泡の刺激が楽しい、果実味をたっぷりと感じるがしっかりとドライな口当たり、しっとりと舌に残るタンニンも心地よい。
ブリ照り焼きに。ブリの脂、醤油・みりんの甘辛にランブルスコの快活な果実味、この組み合わせの方向性は悪くない。が、照り焼きの調理が素材のブリを楽しむべく調味料を抑えているようで、ワインが料理を圧倒してしまった。もう少し濃い味付けでランブルスコと合わせてみたいところだ。
相性: ★★★☆☆
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