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イカリングに赤ワインを合わせるには

醤油の効いたイカ焼きを食べたいなと思いスーパーに入るが見つからず、代わりにイカリングをカゴに入れた。
スパークリングワインが間違いないかなと思いつつ、最近、白ワインが続いたこともあり赤ワインが飲みたい。
イカリングの半分はそのまま食べ、あと半分にはトマトソースに唐辛子とガーリックを投入して炒めてかけてみよう。
きっと赤ワインにつながってくれるはずだ。

セラーから取り出したワインはイタリア、ヴェネト州から。
カジュアルワインで有名なソアーヴェも手掛けるピエロパンの赤ワイン。
この造り手のソアーヴェは巷に溢れるものとは一線を画す素晴らしい品質だ。
ソアーヴェの名手がどんな赤ワインを造るのだろうと気になって買ってみた。

Pieropan, Ruberpan, Valpolicella Superiore, DOC, Italy, 2017, 14%, 3,035円
力強く濃密な果実香、ダークチェリー、ブラックベリー、カシス、針葉樹系のスーッと引き締まるような爽やかな香り (どこかボルドー左岸を思い起す) を明瞭に、よくなじんだ樽香も広がり非常に複雑で充実の香り。
力強く粘度を感じるアタック、驚くほど持続的な余韻、とげとげしさはないがタンニンもパワフル、余韻には鼻腔をやや明瞭なバニラ香が抜ける、微かに塩味のようなニュアンスも。

唐辛子とガーリック、水分が適度に飛び濃厚なトマトのソースが一体化したところに、ワインの力強い果実味と樽感が同調する。
イカリングは揚げられたことで風味が凝縮、またこうばしい衣により、力強いワインにもしっかりとバランス、むしろイカの風味の魅力が心地よく立ち上がった。

さらにピーマンを加えてソースを炒め、イカリングとパスタに乗っけてみる。
ピーマンの青みと、赤ワインのミント系のタッチが同調し、また楽しいペアリング。
フォークとグラスをせっせと持ち替え、スパゲティ、ワインの陽気なループ。

食事と合わせても楽しいワインだが、ワインそのもののクオリティも高くまた味わい深いため、ワイン単体でもじっくり楽しめる。
さすがイタリア、この魅力的なワインが3,000円少々はコストパフォーマンスが高い。

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