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牡蠣バターと赤ワインのハーモニー

 以前、カルディで買った牡蠣バター。リッツに乗せてリオハワインに合わせて満足したが、小さな瓶にまだ半分ほど残っていた。

 冷蔵庫から取り出してみると、賞味期限をしばし過ぎてしまっていた… これからラッシュ消費をかけようと、残っていたリッツを開封。するとこちらも食べ頃を過ぎていたか、だいぶ湿気ってしまっていて廃棄せざるを得ない状態…。台所を漁るとおつまみを乗っけるミニトーストがあったのでそれに。

 とろみを含んだペースト。固体成分が多く、ミニトーストの上でピタッとポージングし崩れない。貝類特有の土っぽいニュアンスを含むフレーバー、ほろ苦さ、そして磯の香りがふわりと広がる。バターのミルキーなニュアンスは牡蠣との相性良く、まろやかさが加わったコクと塩気は、お酒が進むこと間違いなし。
 山形 高畠ワイナリーの白ワイン(シャルドネ)と、さらに今回もスペイン リオハの赤ワインに合わせてみる。

高畠ワイン, クラシック シャルドネ, 山形県, 2022, 2,140円

 1990年設立。高畠町は山形県内でも南部に位置し、南は福島県、東は宮城県に隣接する自然豊かな町。
 香りの果実香は青リンゴが主軸、白い花が縁取りスリムだがしっとりと華やかさも。微かにスダチやハーブのニュアンス。ナッツや酵母香がほのかにたつが樽香はなく爽やかな印象。
 風味はみずみずしくピュアな果実味、酸味は穏やかながら的確に存在し、穏やかな果実味を壊さない絶妙なバランス。余韻まで一貫してフレッシュで繊細、涼やか。

 牡蠣バターのミニトースト乗せにワインを合わせる。ワインの涼やかで心地よい緊張感をもった果実味に、牡蠣の風味がほろ苦さ磯臭さも含めてグッと立ち上がる。多分に好意的な要素を含むが、クセが強く出るのでそこまで牡蠣が好きではない人には微妙かも。相性: ★★★☆☆

 続いてスペイン リオハの赤ワインに。

エジェ・デ・ランダルーセ・リオハ, アラベサ, 2017, 14.5%, 2,398円
Elle de Landaluce, Alavesa, Rioja, Spain,

 リオハ・アラベサを象徴するカンタブリア山脈にほど近い場所の畑。主にテンプラニーリョとグラシアーノを栽培。主要品種となるテンプラニーリョは最高で樹齢80年、比較的若い畑でも40年の古木畑を所有。このワインは樹齢60年のテンプラニーリョ90%、グラシアーノ10%のブレンド。25℃のステンレスタンクで10日間マセラシオンとアルコール発酵。500Lのオーク樽に移し、12ヶ月間熟成。
 香りには濃密な果実香、ほんのりジャミーだが完熟した青果。ほのかに茎のヴェジェタルなスパイシーノート、よく溶け込んだ樽香、黒胡椒、アルコールボリュームも。
 味わいにはパワフルな果実味。刺激的なやや粗いタンニン、非常に長い余韻。パワーあり熟度も高いが、酸味は的確に存在し心地よいバランスに。

 牡蠣バターのミニトースト乗せに。こちらもワインを口に含むと、牡蠣のほろ苦さと磯の香りが強く立ち上がる。ただワインの力強い果実味とタンニンの渋みがそれらを心地よく包み、牡蠣の磯臭さの暴走を制して、ほどよい塩梅で牡蠣とワインがまとまる。相性: ★★★★☆

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