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嫌なことから逃げて、近寄らないようにしていたら「私らしい働き方」になっていた

転妻でも自分らしく生きたいから在宅ワークやってます。

こんな言葉をかかげながら、わたしは日々の発信をしています。

転妻(てんつま)というのは転勤族の妻のことで、夫の転勤について住む場所を転々と変えながら生活している妻たちのこと。
安定した職を得たり、好きな仕事を継続したりしづらいという悩みを多くの転妻が抱えています。

そこにこんな、「私は自分のことをよく知っていて、自身を持って今の仕事をやっています!」みたいな言葉をかかげて発信していたら、自分の軸に沿ってまっすぐ歩んできた人に見えるかもしれません。

たしかに、自分で選んで歩いてきた道ではあります。

だけど、違うんです!!
自信があるわけでもないし、一直線にまっすぐ歩いてきたわけでもない。

自分がどうしたいか、自分の好きなことは何か、自分の得意なことはどんなことか、そういうのが全然わからなかった。
嫌なことから逃げて、近寄らないようにしてきたら、いつの間にか今いるところまでたどり着いたという感覚が一番しっくりきます。

だんだんと、自分はこういう人間なんだな、こんなことがしたいんだなっていうのがわかってきた感じ。
今もまだわかってない自分もあるけれど、昔に比べると「私らしく」いられていると思います。

最初から「私らしい働き方」なんてわからなかった。
自分の好きや得意が見つからなくても、嫌なことを避けていった先に、自分らしい働き方が見つかることもあります。

辞めたかった仕事と、辞める口実

私の前職は銀行員です。

銀行で働きたかったのではなく、受かった会社が銀行だっただけ。
叶えたい夢があったわけでも、この会社の役に立ちたいという思いがあったわけでもありません。

大学を卒業したら就職するという流れにのり、たまたま受かった会社で働きはじめました。

銀行ではまず支店のお金を管理する部署を担当し、その後、金融商品を売る部署へ配属されました。
結果を出そうと頑張ったけれど、営業成績はなかなか伸びず、「なんで私はできないんだろう。」「私には向いていないのでは?」なんて考える日々。

しまいには、「自分が良いと思えない商品を、売らなきゃいけないのがつらい」と思うようになります。
唯一の救いは、同期や後輩など職場の人間関係が良かったことでした。

そんな時に私が転勤になり、勤務する支店がかわります。
救いだった人間関係もなくなり、小さな支店で数字のプレッシャーが大きくなっていく毎日。
転勤になる少し前に結婚をしていた私は、「子どもができたら、もう辞めたい。」と考えるようになっていきました。

そしてある時、生理が止まります。
妊娠ではなく、ストレスによるもの。
体の異変となって現れるくらいつらく感じていたんだなと思った時、すごくショックを受けたのを覚えています。

そこから1年半くらい、だましだまし仕事を続けていましたが、とうとう妊娠が発覚。
子どもができて単純に嬉しい気持ちと、これで仕事を辞められるとほっとした気持ちと、同じくらいだったかもしれません。

夫は引っ越しを伴う転勤のある仕事をしているので、産休・育休の間に引っ越しすることになったら会社に迷惑をかける、というもっともらしい理由をつけて銀行を退職しました。

転妻としての働き方を模索する

出産後に予想通り夫が転勤になり、長く住んだ地元県を離れました。

慣れない土地での慣れない育児に振り回されつつも、いつまでも専業主婦ではいられません。
娘が幼稚園に入ったら、小学生になったら、何かしらの仕事をしなきゃいけない。

夫は「仕事をしてくれたら嬉しい」とは言うものの、「絶対に働け!」とは言いません。だけど、学費や将来のことを考えたら、やはり私も働いた方がいいに決まっています。

とはいえ、頼れる親族のいない土地で小さな子どもをかかえて外に働きに出るのは不安だし、嫌でした。
これから引っ越しをするたびに何度も職探しをするのも嫌でした。
前職の経験があるから銀行のパートなら行く先々で職を得られるとは思うけど、また金融機関で働くのも嫌でした。

嫌なことをやらずにどうにかならないかしら......と、育児の合間にさまよっていたネットで、ブログアフィリエイトに出会います。

在宅でできる!
自分のペースでできる!
文章を書くのは嫌じゃない!
自分が良いと思えない商品は売らなくてよい!
子どもが熱を出しても、誰にも頭を下げずに済む!

私が嫌だと思っていたことすべてを解決できる働き方だと感じ、ネットに落ちている情報を見ながら、見よう見まねでブログを始めました。
ネットサーフィンするくらいしかできない、知識のなかった私だけれど、家にいながら未知の世界を知っていくのはとてもワクワクすることでした。

あれから6年。

私は今も、ネットを使って在宅ワークをしています。
個人事業主として、ブログの他に、ライター活動、オンライン秘書で収入を得ています。
直接の収入にはつながらないけれど、Twitter・インスタグラム・note・ピンタレスト・ポッドキャスト・オンラインサークル主催など、できることもこんなに増えました。

続けてこられたことを振り返ったら、そこに「好き」がつまっていた

収益を出せずに諦めそうになったことも何度もあったし、やっぱり外に働きに行った方がいいんじゃないかと思ったこともたくさんある。

でも、試行錯誤しながら進んできたこの6年の間に、ずいぶんと自分のことがわかってきたと思います。

ひとりで黙々と作業するのが好き。
自分の思いや考えを文字で表現するのが好き。
新しい知識を吸収しながら試していくのが好き。
RPGみたいに、できることをどんどん増やしながら進んでいくのが好き。

やっている最中は気づけなかった。
でも、嫌なことを避けながら歩んできた道の中で継続できていることを振り返ると、そこには自分の「好き」がありました。

自分らしい働き方なんて、はじめからわからない。
振り返った時に、つらさを感じずに継続できていたことが自分の好きなことや得意なことで、その集大成が「自分らしさ」です。
そして、自分らしさは、その時々によって形を変えていくものだと思っています。

いま私は、電子書籍の執筆に挑戦しています。
ここからまた、新しい「私らしい働き方」の道が開けるかもしれません。

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