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優勝後に流れた涙の意味とは……(大垣日大高校OB 酒井大翔インタビュー)

高校野球やプロ野球を見て野球の虜に

――野球を始めたきっかけについて教えてください
 テレビなどで甲子園やプロ野球を見て野球の面白さの虜となり、自分も高校球児やプロ野球選手のようなプレーをしたいと思い地元の少年野球チームに入団したのがきっかけです。

――高校を選んだ決め手は何でしたか?
 ちょうど自分が中学三年生の時に大垣日大が甲子園に出場し、甲子園に出るチームに憧れていました。そんな時に大垣日大高校の方から声をかけていただき、そこでプレーしたいということで大垣日大高校への進学を決意しました。

選手間の親交も深まった食事の時間

――ここからは高校に入学してからのお話に移っていきたいと思います。高校時代に掲げられていた目標は何でしたか?
 高校時代は日本一になるということを目標にしていました。

――日本一を目標としていた当時の印象に残るエピソードなどはありましたか?
 冬の練習は走り込みやトレーニングなどのキツい練習が多かったのですが、みんなで励まし合って練習をする中で絆が深まったと思います。また毎日練習がありオフがないのでオフが欲しいという不満が溜まっていくのですが、みんながそういう不満を抱いていてそれはそれでみんなの絆が深まったと思います。
 他にも全体練習が終わってからも夜の11時までみんなで練習していると何とも言えない一緒に頑張っているという気持ちになるので、そういった場面では絆が深まったかと思います。

――夜の11時まで練習されていたのですか?
 そうですね。もう少し詰め込みたいというようなときは、夜中まで室内練習場に残って練習をしていました。

――寮生活だったと思いますが、寮生活で楽しかった思い出などはありましたか?
 たくさんありますが、自分の中では食事が一番楽しかったです。三学年全員が食堂に集まって、「今日の練習ヤバかったな」というような選手間でしかできないような話をしたり、先輩後輩ともご飯を食べながらだと色々な話ができたりして楽しい時間だったと思います。

覚悟していてもショックだった甲子園の中止

――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
 コロナが広まり始めてニュースでも感染状況が報道される中で、インターハイなどが中止になったことで甲子園も中止になるのではないかと心の片隅では思っていました。そのような覚悟はしていましたが、実際に中止が発表された時はやるせない気持ちがありました。
 最後の夏の大会をゴールにして練習してきたので、そのゴールまでのビジョンがぼんやりしてしまって、心のどこかに大きく穴が開いてしまった気持ちになりました。

――中止が発表されてから監督と話したことで印象に残っていることはありましたか?
 慰めや励ましの言葉もいただいたのですが、ここで腐ってしまうのは今までやってきた2年間が何のためにやってきたのかということになってしまうから、最後までやり抜けという厳しい言葉もかけていただきました。その言葉を受けてみんなで最後までやり切ろうという気持ちになったので、その時にかけてもらった言葉は大きかったと思います。

優勝して流れた色々な意味が込められた涙

――そんな中で代替大会の開催が発表されましたが、発表を聞いたときはどんな心境でしたか?
 甲子園が中止になった時はどうやって高校野球にケリをつけるかが全く見えず、モチベーションが下がってしまいました。そんな中で最後に県大会があるということが決まり、自分たちにとって一つの区切りや力を出し切る場所を用意していただいたので、みんなで絶対優勝しようという意見でまとまり頑張ろうという気持ちになりました。

――大会の中で特に印象に残っている出来事はありますか?
 最後に優勝した時にみんなが泣いていたのですが、それがうれし涙でもある一方、甲子園がない事への悔し涙でもあり、色々な涙の意味があったと思います。そこが改めて甲子園がないという事実を知る場面でもありましたし、最後までやり切ることができた場面でもあり、大きく心の中に残る瞬間です。

チームや高校関係なく全員で楽しんで

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 高校卒業してから2年ほど経って、もう一回あのメンバーで野球ができる機会があるということにワクワクしました。自分たちだけだとなかなか集まるきっかけがないのですが、きっかけがあることでまた皆で集まって野球ができるんじゃないかということ、またそれが甲子園でできるかもしれないということで更にワクワクしました。

――当時のチームメイトの皆さんはこのプロジェクトの話を聞いてどういった反応でしたか?
 みんな一言目は「マジ?」とか「えっ?」とか驚いた感じで、まさかの出来事ということでプロジェクトに対するモチベーションも高かったですね。

――このプロジェクトでの目標について教えてください
 このプロジェクトに参加する元球児の皆は独自大会で優勝したけど甲子園がなかったというメンバーが集まっていて皆気持ちは一緒だと思うので、チームや高校に関係なく用意してもらった場所で楽しむことができればと思います。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 このプロジェクトでは多くの方々がサポートや応援してくださっているので、そういった方たちのためにも成功させたいですし、あの夏を取り戻すという意味では自分たちも成功させたいという思いがとても強いです。
 また大垣日大としては『魂のあるプレー』というのをモットーに励んでいたので、もし甲子園で野球をさせてもらえる機会があるのなら、野球を楽しむという意味合いも込めて皆で魂のあるプレーをできればと思います。
 頑張りますので、応援をお願いします!


プロジェクト公式サイト:https://www.re2020.jp/
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