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6年間親元を離れての寮生活の末に掴み取った独自大会優勝(青森山田高校OB 新井山泰佑インタビュー)

親元を離れて6年間の寮生活

――野球を始めたきっかけについて教えてください
 特に誰かから勧められたというわけではなく、自然にボールを手を取って祖父とキャッチボールをしていました。公園などで野球をしていたのは保育園に入る前からで、チームに入ったのは小学校3年生からでした。

――小学校時代はお父様がチームの監督だった
 そうですね。小学校から厳しく、朝から夜までずっと父と野球をやっていました。今思えば鬼でしたね。ただ、今は優しくなっていますね。

――中学時代はどこで野球をしていましたか?
 自分は地元の中学校に行かず、青森山田は中高一貫校なので青森山田中学校に入学し、青森山田リトルシニアに入りました。中高の6年間は親元を離れて寮生活をしていました。

中学時代の新井山さん

――青森山田に入学して、当時の目標は何でしたか?
 中学時代はリトルシニアに所属していたので、リトルシニアの全国大会で優勝するという目標がありました。高校時代は、やはり甲子園というのが大きな目標でした。

6年間共に過ごした仲間と目指した甲子園

――ここからは高校に入学してからのお話に移っていきたいと思います。甲子園を目指していたときの思いや練習への姿勢について教えてください
 中高6年間一緒だったメンバーが多かったので、彼らと切磋琢磨していました。

――印象的なエピソードなどはありましたか?
 自分たちは午前中で授業が終わり、午後から練習が始まるのですが、自分たちはそこまで全体練習の時間が長くなくて大体3,4時間で終わっていました。しかし、そこから皆自主練習であったりをしていました。そのことが印象的ですね。

頭が真っ白になったが、すぐ次の目標へ向かってゆけた

――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
 甲子園の中止が決まった時は練習が始まる前で、全員寮にいました。皆携帯電話などで記者会見を見ていました。
 甲子園というのは一つの大きな目標としてやっていたので、自分は本当に頭が真っ白になりました。

――その後の練習などで監督からかけられた言葉などはありましたか?
 多分監督が一番泣いていたと思います。監督とのミーティングもあったんですけど、印象に残っているのは選手間でのミーティングですね。もしかしたら独自大会が各県で行われるという話があったので、やはりそこは優勝目指して最後まで頑張ろうという話がありました。
 皆すぐに次の目標へ向かっていて、一番落ち込んでいたのは監督だったと思います。

特別な日に『たまたま』生まれたホームラン

――代替大会では準決勝でスリーランホームランを打って、それがお父様と監督の誕生日だったとのことですが、当時の話について教えてください
 夏の大会前から結構バッティングの調子が良く、それでたまたまあの日に試合があって、たまたまホームランを打ったという感じです。

――その次の決勝戦も勝利し、学校としては3年ぶり12回目の優勝ということになったのですが、その時の心境はどうでしたか?
 マウンドに集まるのも初めてでしたし、言葉にできないくらい嬉しかったです。校歌が流れているときも涙を流している選手がいました。
 でも優勝しちゃえば「甲子園あってほしかったなぁ」というのはやっぱり心のどこかで思っていました。でも中学校から一緒にやってきた仲間であったり、高校から一緒になって野球やってた仲間と、最後の夏の大会で優勝できたというのは本当に嬉しかったです。

――東北地方では各県の優勝校による東北大会が開催されましたが、東北大会についてはどうでしたか?
 正直に言ってしまうと、県大会で気持ちが切れてしまった部分がありました。初戦で山形の鶴岡東高校と対戦することが決まったのですが、秋の選抜がかかった試合でも鶴岡東に負けていますし、先輩方も東北大会で当たって負けていることが多かったので、先輩方や秋に負けた分のリベンジということで意気込んでいました。ただ敗れてしまい、相手の方が上でしたね。

高校時代の新井山さん 代替大会では背番号2をつけて活躍した

複雑な思いを晴らすプロジェクトに

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 正直嬉しかったです。甲子園がなかった代というのは後にも先にも自分たちだけで、県大会優勝しても優勝旗すらもらえなかったですし、数にも数えられていないっていうのがあって、当時は複雑な思いでした。そういう中でこういうプロジェクトがあるという話を聞いたときは嬉しかったです。このプロジェクトで様々な交流もありますし、そういったことも楽しみです。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 自分たち青森山田高校元野球部メンバーは各県に散らばっていて集まることが難しいんですけど、なんとかプロジェクトを成功させたいと思っているので、青森山田高校一員で何とかこのプロジェクトを成功させられるように頑張ります。応援よろしくお願いします。

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