見出し画像

甲子園があったから、辛い練習も乗り越えられた(木更津総合高校OB 小早川結城インタビュー)

物心つく前から触っていたボールとバット

――野球を始めたきっかけについて教えてください
 父と兄が二人とも野球をやっており、その影響で物心つく前からボールとバットを持っていました。少年野球チームに入ったのは小学1年生のときでした。

――高校を選んだきっかけなどはありましたか?
 進学先を決めるとき、甲子園に出場できる高校で野球をやりたいと思っていました。地元の千葉で当時最も甲子園に近い高校と思っていたのが木更津総合高校だったので、入学を決めました。

モチベーションにもなった甲子園という存在

――ここからは高校に入学してからのお話に移っていきたいと思います。甲子園を目標としていた当時の思いや、練習に対する姿勢を教えてください
 チームメイト全員が甲子園出場という1つの目標を持っていたので、辛い練習でも乗り越えてくることができました。

――甲子園を目指していたときの印象に残っているエピソードなどあれば教えてください
 印象に残っているのはランニングのメニューですね。外野ポールとポールの間や砂浜を走るといったランニングのメニューが非常に辛くて印象に残っています。

――そういった辛いランニングメニューの中で、チームメイトと励まし合った言葉などはありましたか?
 疲れるのは自分だけじゃないので、仲間への励ましの声掛けだったりとかはありました。そういう時にも『甲子園』という言葉が出ていて、甲子園という存在は練習をする上でのモチベーションにもなっていたと思います。

――10月にエースの篠木選手が新主将に就任されたと伺いました。エースで主将というのは異例のことだったとのことですが、新主将就任にあたってチームメイト間でやり取りしたことなどはありましたか?
 当時チームのエースであった篠木に監督さんの方から「エースとしての責任感をもっと持ってほしい」ということでキャプテンに任命したとのことでした。選手同士でも話し合いになって、エースにキャプテンというのは少し負担が大きいのではないかという話もありました。しかし篠木が「やる」と言ってくれたので、篠木に任せることにしました。

悔しいという感情すら湧かなかった甲子園中止

――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
 正直悔しいとか悲しいといった感情が湧かなくて、頭が真っ白になり現実味がありませんでした。発表されてから日が経つにつれて、甲子園がなくなったんだなという実感が湧いてきて、悔しさとか怒り、悲しみが生まれてきました。

――当時監督と何かお話されましたか?
 甲子園中止が発表された次の日に3年生と監督でミーティングがありました。その時に監督から「甲子園がなくなってしまったけど、今までやってきたことはこれからの将来で絶対無駄にならないし、糧になるから」というようなお話がありました。

――チームメイトの皆さんと話したことはありましたか?
 仲間内ではあまり暗い顔をせずに話していたのですが、チームメイト全員が小さい頃から甲子園を目標にしていたので各々思うところはあったと思います。

チーム全員の執念でつかみ取った勝利

――そんな中で代替大会の開催が発表されましたが、発表を聞いたときはどんな心境でしたか?
 不完全燃焼で終わるよりは、甲子園に繋がらなかったとしても大会がやれるというのは嬉しかったですね。代替大会が行われるということが決まってミーティングを行ったのですが、大会を行うからには全力で勝ちにいこうということで話がまとまりました。チーム全員が優勝に向けて練習をしていたので、その成果をぶつけるだけでした。

――決勝までで計7試合あったと思いますが、その中で印象に残っている試合はありますか?
 やっぱり準決勝の八千代松陰戦が印象に残っていますね。9回ツーアウトから篠木が同点のタイムリーを打って、11回タイブレークの末に勝利した試合です。あの試合はチームメイト全員の執念で勝った試合だったと思います。

――その試合まで篠木選手は20イニング連続無失点だったとのことですが、エースであり主将のピッチングを仲間として見ていてどういった印象を抱きましたか?
 篠木は本当にチームの中心だったので、篠木が投げて負けるなら仕方ないと割り切っていました。それ以上に篠木は打たれないという信頼があったので、チームメイト全員が篠木を含めた投手陣全員に信頼を置いていたと思います。

――優勝した瞬間の率直な気持ちを教えてください
 素直に嬉しかったという気持ちが一番ですね。もちろん甲子園が中止じゃなければ甲子園に出れていたんじゃないかということを思っていた選手もいたと思いますが、やっぱり決まったことでその後の目標として独自大会優勝を掲げていたので、その目標を達成できたということが嬉しかったです。

一人一人がやりたいことを後悔なく

――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
 驚きもあったのですが、嬉しかったですね。当時の3年生で引退してから仲間内で「大人になってから甲子園で試合ができたらいいね」という話はしていたのですが、まさかこんなに早く現実的になるとは思ってもいなかったので、嬉しかったです。

――このプロジェクトでの目標について教えてください
 まずは自分たち3年生19人全員が参加できるようにしたいというのが目標としてあります。そして参加したら、一人一人がやりたいことを後悔なくしてほしいと思っています。自分の中でもやりたいことがいくつかあるので、それを全部できるようにしたいというのが目標です。

――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
 このプロジェクトを絶対に成功させて、チームメイト全員が最高の思い出を作れるように、皆さんと協力して成功させていきたいと思っています。それには皆さんの協力が必要なので、是非よろしくお願いします。
 絶対にこのプロジェクトを成功させるぞ!


プロジェクト公式サイト:https://www.re2020.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/remember__2020
公式Instagram:https://www.instagram.com/remember__2020/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@2020koshien

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?